ジャングルの女王

解説

ラジオで人気のあった歌手ドロシー・ラムールの入社第1回主演映画で、マックス・マシーンが書き下ろし、「類猿人ターザン」のシリル・ヒュームがジェラルド・ジェラティー及びガヴアナー・モリスと協力脚色し、「麗しのパリ」のウィリアム・ティーレが監督し、「放送豪華版」のハリー・フィッシュベッグが撮影した。相手役は「結婚設計図」「宝石と女賊」のレイ・ミランドで、「将軍暁に死す」のエイキム・タミロフ、「二つの顔(1935)」のモリー・ラモント、「南海のペーガン」のマラ等が助演している。

1936年製作/アメリカ
原題または英題:The Jungle Princess

ストーリー

マレー半島の密林に美しい娘ウラアが住んでいた。彼女は子供の時に両親に死に別れ野獣の中で育って来た。ウラアは彼女が育てた1匹の猛虎と、1匹の類人猿とを友達に持っている。ある時この密林に白人の探検隊がやってきた。一行はクリス・パウエルと婚約エーヴァ、それから彼女の父親が主なる者であった。クリスは猛虎に襲われウラアに助けられたが、そのため一行と離れてしまう。ウラアは親切にクリスの負傷を看護し、2人はしばらく一緒に生活することになった。その間にクリスはウラアが原住民たちに「笑う猛虎」として畏敬の念を持って恐れられていることを知ったが、いつしか彼女を恋するようになり、ウラアも彼を思うようになる。探検隊の一行はクリスは死んだものと諦めていた。雨の季節が過ぎるとウラアはクリスを連れて一行のキャンプを探し出した。一行は狂喜したが、美しいウラアとクリスの親しげな有り様を見ると、エーヴァは嫉妬に耐え切れず、彼女と虎が住んでいることを憎み魔女と信じている原住民たちはウラアだけでなく白人全部を捕らえてしまった。狂暴な血にかられて原住民たちは白人を虐殺する準備を始めている。彼らの生命は今や風前の灯となった時、ウラアは大声を上げて猛虎と類人猿に救いを求めた。やがて怒れる虎は原住民の群れに踊り込んで来たが、遂に槍にさされて命を落とす。けれども類人猿は幸いに原住民の手を逃れて密林に姿を消した。と思う間もなく、無数の猿や類人猿はものすごい叫声を発して、原住民の集落を襲撃した。原住民の家は倒れ集落は目茶苦茶となり、恐怖に戦いて彼らは逃走し、白人の命は危うく助かることができた。エーヴァはウラアとクリスの深い愛情を知り、自分の思いを諦めて婚約を解消する。こうしてクリスはこの密林の女王と共に、永くこの地に止まることになった。

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