深夜の大都会
解説
「マンハッタン夜話」「オペラ・ハット」のジーン・アーサーと「百万弗ル小僧」のジョージ・マーフィーが主役を勤める映画で、「黒潮に鳴る心」のエセル・ヒルと「悪魔の空襲」のライオネル・ハウザーとが協力書き下ろし、「無法地獄」「悪魔の空襲」のアール・C・ケントンが監督に当たり、「マンハッタン夜話」のヘンリー・フロイリッヒが撮影した。助演者は「罪と罰」のダグラス・ダンブリル、「悪魔の空襲」のジョージ・マッケイ、「魔のボンベイ特急」のシャーリイ・グレイ、ヴィクター・キリアン、ロバート・ミドルマス、ブラッドリー・ペイジ等である。
1935年製作/アメリカ
原題または英題:The Public Menace
ストーリー
敏腕を以て名を知られた新聞記者レッドは欧州に逃避していた暗黒街の巨魁トネルリの帰米を知り、その特種を取るべくトネルリが乗船していると伝えられる汽船に乗り込む。同じ船で渡米を目的に乗船していたマニキュア・ガールのキャシーは、上陸許可を得るため偶然船上で知り合ったレッドに、彼が求める特種を与える事を代償として表面的に一時結婚する。けれどもトネルリの特種云々はすべてキャシーのでたらめと知れ、彼は特種は取れず、女は背負い込むに至るので心中大狼狽する。やがてキャシーはレッドに恋するようになり、同時に船中で彼女に爪磨きを依頼して以来恋をしかけたトネルリも彼女を得んと焦燥する。ある日キャシーはレッドから、自動車事故で惨死した男の指に痣があると聞き、彼女はその男こそトネルリに違いない語るので、これを信用したレッドは、その侭これを報道する。ところが、俄然トネルリは己の情婦を奪った男を射殺し、再び彼の生存が証拠されたので、レッドは人々から嘲笑され、ついに新聞社からかく首される。レッドの失業と失意が自分の誤った判断から生じたものだと知ったキャシーは、レッドを気の毒に思い、彼に嫌われながらレッドのため献身的な努力を重ね、トネルリに関する特種を拾おうと却ってトネルリ一味の巣窟に紛れ込む。折りよく警察はトネルリの巣窟を探査し、その周囲に非常線が張られる。これによって、折角トネルリが暗黒街の巨魁であるとの証拠を掴みながら、キャシーは事実をレッドに伝えることが出来ず、彼女はそこで奇策を以て病院自動車を呼び寄せ、トネルリには危地を脱すると詐って罠にはめこみ、レッドと共にトネルリの身柄を堂々と新聞社に持ち込んでしまう。この大特種提供の手柄によってレッドは社に復職し、彼ら2人は新生涯に入る。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アール・C・ケントン
- 脚本
- エセル・ヒル
- ライオネル・ハウザー
- 撮影
- ヘンリー・フロイリッヒ