試練

解説

「義侠のラッフルズ」で紹介されたきりの米国劇檀の大立物ジョン・バリモア氏の作品が、日活の「ジェキル博士とハイド氏」及びこれと2本まで輸入されたことは喜ばしいことである。この劇では、今リアルアート社のスターとなっているコンスタンス・ビニー嬢や、「慕しのケンタッキー」「芸術の妻」等で紹介されたマーシャ・メイノン嬢がバリーモアー氏の相手をしている。劇作は米国の文豪E・フィリップス・オッペンハイム氏で、監督は「ジェキル博士」と同じくジョン・S・ロバートソン氏である。

1919年製作/アメリカ
原題:The Test of Honor

ストーリー

ヴァージニア州の名門マーティン・ウィングレーヴはルス・カーティス夫人と親交があった。ルスにはまだ1人ジョージ・ラムレーと言う男があった。ルスはラムレーと共謀して、マーティンがルスの夫ジョーダン・カーティスを、彼女のことからの争いで撲り倒した時、助くべき薬をも与えずにジョーダンを死に到らしめた。この2人の悪計のため、マーティンは自ら殺人犯と誤信し、かつルスの美名を傷けざらんため、女の虚偽の証言の弁駁もせずに7年の刑に服した。併し期満ちて出獄した彼は昔から彼に真情を捧げてきた故郷のジュリエットと言う娘に彼女の叔父よりという名義で財産を与え、都に上らせて音楽の修業をさせ、自分も都に出て彼女の後見がてら、復讐の期を待った。一方当時有名な判事フェリス氏に再嫁していたルスは、未だにラムレーを出入医師として悪事を続けていたが、突如としてマーティンが変名して2人の前に出現したので、2人は相談の結果、フェリス家の別荘の園遊会にマーティンとジュリエットを招きマーティンの毒殺を計った。併しジュリエットが偶然それを発見したので、マーティンは却ってそれを骨子とて深刻な復讐を遂げ、ジュリエットの切ない恋にも花が咲いた。

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