指紋なき男

劇場公開日:

解説

いま米国で売れっ子の探偵小説家ミッキイ・スピレエンの原作を映画化した1954年作品で、「地獄の英雄」の脚本家レッサー・サミュエルズの製作。脚色はサミュエルスとアラン・グリーンの共同で、監督は「印度の放浪児」のヴィクター・サヴィル、撮影は「ケイン号の叛乱」のフランツ・プラナー、音楽は「私も貴方も」のマリオ・カステルヌーヴォ・テズスコの担当。出演者は「吹き荒ぶ風」のアンソニー・クイン、「紳士は金髪がお好き(1953)」のチャールズ・コバーン、「地獄と高潮」のジーン・エヴァンス、ペギー・キャッスル、メアリー・エレン・ケイ(「目撃者は語らず」)、ショウン・スミス、ドロレス・ドンロンら。

1954年製作/アメリカ
原題または英題:The Long Wait
配給:UA日本支社=松竹
劇場公開日:1955年1月8日

ストーリー

ジョニイ・マックブライド(アンソニー・クイン)は、自動車事故のショックで記憶を喪失し、自分の過去をたぐり出そうとして苦しんでいた。そこへ、ジョニイの写真をリンキャッスルという町で見たと称する男が現れた。ジョニイは早速その町へ行ったが、忽ち刑事によって警察へ連行され、彼が2年前までリンキャッスル銀行の出納係をしており、25万ドルの公金を拐帯した上、地方検事を殺害した嫌疑に問われていることを知った。ジョニイは何とかして自分の無罪を証明したいと思い、当時の新聞を調べて、自分が事件の直後、町から逃走したままになっていること、また彼の恋人だったヴェラという金髪女がやはり姿を消してしまったことが分かった。更に、ヴェラが外科手術ですっかり顔を変え、1年前、町に帰って来て、いま顔役セルヴォ(ジーン・エヴァンス)のもとにいるらしいという情報も得た。ジョニイはセルヴォの事務所を訪れたが何も手がかりは得られず、かえってすぐに町を立ち退くよう脅迫された。その翌日彼はセルヴォの経営する賭博場へ姿を現わした。そこに働く金髪女を片端から調べてヴェラを見つけ出そうとしたのだ。ジョニイはここでセルヴォに信用されているウェンディ(メアリー・エレン・ケイ)と知り合った。ジョニイは次にリンキャッスル銀行を訪れ、頭取のガーディナー(チャールズ・コバーン)に会った。彼はジョニイの無実を証明するために出来るだけの努力をすると約した。一方、セルヴォは自分の周辺の女のうち誰かがヴェラであるという恐れにおびえ始め、ウェンディをはじめ、情婦のトロイや、ヴィナス(ペギー・キャッスル)、キャロルと4人の女を呼び集め、ジョニイと対決させようとした。このとき、顔色を変えて逃げ出そうとしたのは、ヴィナスだった。ジョニイはガーディナーに呼ばれ事件の真相を知るよりも、早く町を去るほうが身のためだと勧められた。しかし、ジョニイはウェンディからの通報でヴィナスがセルヴォによって倉庫に幽閉されていると知り、単身乗り込んでセルヴォを射殺し、深傷を負ったヴィナスを助けた。更にジョニイはこの事件の真犯人はガーディナーだとあばいた。ガーディナーはセルヴォとグルになって銀行の金を盗み、その罪をジョニイになすりつけようとしたのだった。ヴィナスをヴェラだと思っていたジョニイは、実はウェンディこそヴェラであることを知って驚いた。彼はウェンディに結婚を申し込んだが、彼女は2人が3年前すでに秘密に結婚していると告げて、更にジョニイを驚かせた。

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