失踪者三万人

解説

「戦線の嵐」「笑う巨人」のロイ・デル・ルースが監督した映画で、ジョン・H・エイヤースとキャロル・バード共作の小説に基づいて「恐怖の甲板」の原作者ロバート・プレスネルが脚本を執筆した。出演者は「暁の耕地」「落下傘」のベティ・デイヴィス、「狂乱のアメリカ」「犯罪都市(1931)」のパット・オブライエン、「僕の自叙伝」「グランド・ホテル」のリュイス・ストーン、「肉の蝋人形(1933)」「仮面の米国」のグレンダ・ファレル、アレン・ジェンキンス、ルース・ドネリー、ヒュー・ハーバート、アラン・ダインハート等で、撮影は「戦線の嵐」「暁の耕地」のナーネイ・マクギル。

1933年製作/アメリカ
原題または英題:Bureau of Missing Persons

ストーリー

強力犯係のバッチ・ソーンダースは乱暴すぎるので失踪者捜査係に移され、係長ウェップ警部の指導で拳骨よりも頭脳を使うように教育され腕利きの1人となった。彼の悩みの種は別居している妻が始終金を要求しに来ることだった。ある日ノーマ・ロバーツと名乗る女が失踪した夫を捜索してくれと依頼に来た。バッチがその捜索を命ぜられたが、彼はノーマに一目惚れし、彼女もまた彼に好意を寄せた。ウェップ警部の元にデトロイトから電報が来て、雇い主のザーム・ロバーツを殺害したノーマ・フィリップスなるノーマ・フィリップスなる女の逮捕方を依頼して来た。それはかのノーマ・ロバーツと名乗る女であると判明したのでバッチは探偵2名と共に逮捕に赴く。バッチは戸棚に隠れている彼女に詰問すると、事情を話すから外の探偵に中座さしてほしいと頼まれたので、そのとおりにはからうとその間に彼女は逃亡してしまっていた。バッチは憤慨した。そして波止場にノーマ・フィリップスと名のついた上位と財布が発見されても、彼はそれを警察を欺く彼女の手段と看破した。そこで裏を掻いて投身自殺したノーマ・フィリップスの葬儀を営む旨の新聞広告を出して、彼女が好奇心にかられて自分の葬式を見物に来るのを捕まえた。彼女は自分がノーマ・フィリップスであることを自白したがロバーツ殺害は無実であると訴えた。殺されたのはロバーツの双生児の弟で、ロバーツは犯した詐欺罪が暴露しそうなので、秘密に監禁しておいた知的障害者の弟を殺して巧みに逃亡したのであること、自分は死骸のある部屋にいたため下手人の嫌疑を受けたと物語った。バッチは信ぜず彼女を連行しようとする途端、ノーマは死骸置き場をのぞく男を指してあれがロバーツだといった。男がタクシーで逃げるのを追跡してバッチは隠れ家をつき止めて本署に連行した。ロバーツは強情に自白しなかったがウェップ警部の巧妙な訊問にあって遂に白状した。バッチはノーマと共に外出しようとすると、失踪した妻の捜索依頼に来た男に逢った。その写真で件の失踪者はバッチの妻であると解かった。妻は重婚してバッチから金をただ取っているのであった。そこへ例によって金をせびりに妻が現われたので、バッチは彼女を殴り倒して件の男に引き渡し、ノーマと共に結婚証書をもらいにでかけた。

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