淑女の求婚

劇場公開日:

解説

「焔の女」「天使」のマレーネ・ディートリッヒと「卵と私」「淑女と拳骨」のフレッド・マクマレイが主演する1942年作品で、「ブーム・タウン」の作者ジェームズ・エドワード・グラントの小説を作者自らアルバート・マックリーアリと協力して脚色し「淑女と拳骨」「遥かなる我が子」のミッチェル・ライゼンが監督製作したもの。助演は「情熱への反抗」のアーリン・ジャッジ、「目撃者(1936)」のスタンリー・リッジス、舞台にも映画にも練達のアリーン・マクマホン、デイヴィッド・ジェームズ坊や等である。撮影は「青春の宿」「春を手さぐる」のテッド・テズラフが監督し、音楽はF・フランク・ハーリング作曲、モリス・W・ストロフ指揮である。

1942年製作/アメリカ
原題または英題:The Lady Is Willing
劇場公開日:1949年1月

ストーリー

ブロードウェイの名女優エリザベス・マッドンは劇場からの帰途、8番街で生後7ヵ月位の棄児を巡査が抱いて群集が騒いでいるのを、ちょっと赤ちゃん貸してと預かってそのまま連れて来た。小児科医コリー・マクベインがやって来て診察の結果、赤ん坊は完全な健康だと太鼓判を押した。そこで彼の名をもらって、コリーとつけた。彼女は赤ん坊を正式に養子にして育てようと決心したが、法律上それには相当の資産を持っているか、彼女が結婚していなければならない。名女優だが内幕は火の車の彼女は結婚するより道はない。そこで白羽の矢は医者のコリーに立った。コリーは小児科医だが子供は大嫌いで、肺炎の新療法の研究に夢中だった。ところが動物試験に使う36万匹のウサギを買う資金が無く研究中絶の状態だったのである。それを聞いてエリザベスはウサギを買う金を出すという条件で求婚し、ともかく2人は名義上の結婚をした。かくてエリザベスは望み通り赤ん坊を引取り、コリーは彼女の隣室に移ってウサギを買い込み、宿望の研究を始める。ある日コリー坊やの実の親と名乗る夫婦がインチキ弁護士を連れて赤ん坊を迎えにやって来て、子供を寄越さないなら2万5000ドル出せという。隣室から出て来たコリーは、彼等が赤ん坊の瞳の色も知らないところからインチキであることを見破り、血液検査をすれば直ぐ判るというと、3人はほうほうの態で退散した。その晩2人は坊やの安泰を祝ってナイトクラブに出掛け、そこでコリーは彼の最初の研究論文が医学研究財団に認められ、5000ドルの賞金を獲得したことを知らせた。エリザベスは名ばかりの夫だったコリーに次第にひかれ、2人は合唱したり踊ったりしているうちに、その晩初めて夫婦らしい親しみが通い合うのを感じた。ところが翌朝、5000ドルを臭ぎつけたコリーの前妻フランセスが現われ、寝室にまで入り込んでしつこく南米へ行く旅費に500ドルくれと要求する。それを見たエリザベスは憤然としてブロードウェイの興行を打ち切り、風邪気味の坊やを連れてボストンの興行に出発した。ボストンへ来ると坊やの風邪は俄然悪化して重態に陷った。長距離電話で急を聞いたコリーは飛行機でボストンにかけつけたが、赤ん坊は既に手術する以外に救いようがない。可愛い自分の子供に手術は出来ないと断わるコリーに、エリザベスは泣いて頼んだ。意を決したコリーは、舞台の時間の迫ったエリザベスを立ち去らせ手術室に入った。嵐のような拍手の中に最後の幕が下り、舞台脇にかけよったエリザベスに、コリーがもう大丈夫、ぼくを見て笑ったよというと、2人は固く抱き合うのだった。

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