今宵は二人で

解説

「ミシシッピ」と同じくビング・クロスビーがジョーン・ベネットを相手役として主演する映画で、マックス・リーフ、J・O・リーフ合作の舞台劇より「恋と胃袋」のジョージ・マリオン・ジュニアが「キャベツ畑のおばさん」のジェーン・ストームと協力して脚色し、「わが胸は高鳴る」「ガラスの鍵」のフランク・タトルが監督に当たり、「わが胸は高鳴る」のカール・ストラッスが撮影した。助演俳優は「人生は42から」のメエリー・ポーランド、「其夜の真心」のリン・オヴァマン、「メリケン万歳爆走の巻」の故セルマ・タッド、「生きてるモレア」のアーネスト・コサート等の面々である。

1935年製作/アメリカ
原題または英題:Two for Tonight

ストーリー

スマイス夫人には男の子が3人いるが、3人とも父親が異なっているのである。長男のギルは歌手を、弟2人は作曲家を志望して勉強していた。しかし彼らの歌は少しも売れなかった。とうとうたった1つのピアノも代償不払いのため持ち去られてしまったので、3人は最後の手段として楽譜出版家マイヤースが毎日決まった時間に庭にでる事を聞いてその庭に忍び込んだ。ギルが木の上に登り、弟達がポータブルのピアノで演奏して歌い始めた。ところがマイヤースは耳が不自由だった。丁度その時上空を飛んでいた飛行機がギルの隠れていた木に墜落しても気づかないほどだったのである。これで3人の計画は失敗した上、ギルは負傷して入院した。スマイス夫人はギルが負傷のために書きかけていた戯曲が完成できぬといって飛行しに5万ドルの賠償を要求した、この要求は入れられたが、会ってみると飛行士ボビーというのは若い娘で、ブロードウェイ劇壇のプロデューサー、ハリイ・クリングの秘書であった。彼女は貧しい俸給の中から少しづつ支払うと聞いて気の毒になったギルは、代わりに戯曲上演の助力を計らって貰う事になった。クリングは情人である女優リリイを伴って欧州へ出かけるところだった。脚本を読むために呼ばれたギルは仕方なく負傷の実話を話した。クリングは興味を持って留守中彼の宅で書き上げておけといって旅行に出発した。リリイはギルを見て欧州行きを見合わせてしまう。ギルはボビーの助力を得て第一幕だけは完成した。クリングの執事をしているハンガリイ人ポンプスティヴンは以前欧州のプロデューサーだったので、ギルに力を貸して種は実地に探せという。その種探しにギルはリリイを伴ったので彼に好意を抱いているボビーは失望したが、とにかく第二幕が完成した。そこへ欧州から帰ってきたクリングがギルとリリイの中を嫉妬して契約を解いてしまった。しかしその時ポンプスの金持ちの伯父が死んで莫大な遺産が貰えたので戯曲はポンプスが上演する事になった。最後の幕がまだ出来ていない。ギルはボビーの真心を知り最後の幕は2人の結婚で終わる事に決まった。そしてスマイス夫人はポンプスを4度目の夫に選んだのであった。

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