劇場公開日 2017年3月25日

エル・スールのレビュー・感想・評価

全45件中、41~45件目を表示

4.0どこか秘密めいた父親に関する追想

2017年4月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とても魅力的で穏やかだが、何処か謎めいた父親についての少女の回想という形式で映画は進んでいく。牧歌的で優しく、少し不思議な美しい日常の中に、明確には出てこないのだが、スペイン内戦のゴタゴタから逃げてきた夫婦であることを匂わせて、仄かに不穏な気配が漂う。少女は少しづつ、父親が本当はここではないどこかに心を向けてしまっていることに気付き始め、何気ないが決定的な場面の後、冒頭の少女の涙の意味がわかるようになっている。ミツバチのささやきもそうだが、穏やかさと不穏さが素晴らしいバランスで両立していてとても印象的な映画だった。あと父親役のオメロ・アントヌッティがすごくチャーミングだった。

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PP

5.0少女は成長して“女”になりつつある

2015年4月12日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

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松井の天井直撃ホームラン

4.5美しすぎる映画

2014年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

幸せ

『ミツバチのささやき』は、私にとって「完璧」と呼べる映画でした。そしてこの『エル・スール』もまた「完璧」に近いものだったです。あまり映画で美しさを追求したものは好きではないのですが、ビクトル・エリセは別です。美しく、かつ情動が画面に漲っています。なぜ美しく撮るのか、その美しさの根拠がしっかりと備わっていると感じるんです。
素晴らしい映画でした。

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チャーリー

3.5南の映像も観たかった

2013年12月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

鬱々とした北国のイメージと共に物静かな家族の物語が淡々と進んで行く。
少女エストレヤの純粋無垢さが救い。
不意に終わってしまって何だよっていいながら観続けたかった。
撮影が中断したんだね。
南のエピソードが観たかったな。

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ともきち

3.5過去の心の傷が静寂な雰囲気の中で描かれる

2013年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

総合:70点
ストーリー: 65
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル: 75
音楽: 70

 独特の静けさと孤独と寂しさが全体に漂う。背景は美しいが、それはいつも冬の空気のように冷たい。その中で人々の、特に父親の心にある過去の傷が少女の目からぼんやりと描かれる。同じビクトル・エリセ監督の前作「ミツバチのささやき」と似た雰囲気だが、前作は中盤まで日常生活の描写に殆どの時間が割かれて、物語がはっきりせずに少々不満が残った。今作は純文学的な雰囲気や映像美だけでなく、物語が時系列的に動いていくだけ面白くなっており、より映画として完成されている。
 ただし最後はどうにも途中で途切れた印象が強い。いくつもの謎が残され(それはそれでもいいのだが)、少女の体調と心の問題も残されたままに唐突に物語は終了してしまう。本当は南に行っていろいろなことが起きる脚本があったらしいという噂もあり、この中途半端な終わり方の理由に納得するが、同時にこのあたりは実に惜しいところだった。それがなければもっと得点をつけられた。

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Cape God