「美しく物静かな作風に浸れたが、「ミツバチのささやき」の完成度には…」エル・スール KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
美しく物静かな作風に浸れたが、「ミツバチのささやき」の完成度には…
「ミツバチのささやき」のレビューに対する
ある方のコメントに後押しされて、
今は無きシネ・ヴィヴァン六本木での
ロードショー以来、再鑑賞した。
10年に一作との寡作のエリセ監督だが、
日本では「ミツバチ…」と
「エル・スール」は同じ年に公開された。
この年、キネマ旬報の選定では
「アマデウス」が第1位、
「パリ・テキサス」が第6位、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と
「ターミネーター」がベストテン外の中、
「ミツバチ…」が第4位、
「エル・スール」が第14位との選定だった。
夫の他の女性への想いに対する妻の心持ちは
如何ほどであったろうか。
スペイン内戦と夫婦関係を重層的に描いた
「ミツバチ…」に比べ、この作品では
その隠喩性は影を潜め物足りなさを感じた。
また、これまで
「スリー・ビルボード」等の
描かれない結末を観客に解釈を託す
幾つかの作品を観てきたが、
この映画では娘が父の電話の領収書を
カバンにしまう場面が描かれた。
彼女は、父を知るために父の愛した女性にも
会いに行くのだろうとの前提なのだろう。
解説によると娘が南を旅するシーンの
撮影予定はあったものの
最終的にエリセ監督は描かないことを
決断したとあったが、
さすがにそれを描かないで終わらせては
この作品のテーマ性を中途半端に
してしまったのではないだろうか。
「ミツバチ…」のあまりにも見事な
完成度に比べ、この作品は
国内の分断と個人間の分断とを
今一つ重層的に絡み合わせることが出来ず、
内容的には少し平板な出来に
終わってしまったように感じた。
しかし、
窓からの光の推移の映像が印象的だったり
美しく物静かな作風に浸れる
作品ではあった。
こんばんは♪
お久しぶりです。今日また本作鑑賞しました。
そうですか。南とはあの女性に会いに行く、ということですか。
父は、振られたことがショックだったのですか?
こんばんは♪
ご丁寧にコメントしていただきましてありがとうございました😊
久しぶりに『エルスール』を鑑賞されたのですね。
レビューをお願いしようかと思ってましたら、すでに投稿されていました。
冒頭のある方とは私のことでしょうか。そうでしたら、もったいないことでございます。
KENZO一級建築士事務所さんのように
高レベルの感想ではなく、
父親が内戦時にその父と反目して出て来て生活していながら、自らの命を断つということに驚いてしまっていました。
このスペイン内戦、その後の政治はスペインの人々にとって大変重苦しいものであるのはうすうすわかって来ましたが、
もちろんまだまだ不十分であり監督の考えなども私に理解できずにいます。
ですので、本レビューのレベルについていけていませずすみません。
機会がありましたら、再度鑑賞したいと思います。
ですが、これに懲りませず、
どうぞこれからも
よろしくお願いいたします🤲