L.A.コンフィデンシャルのレビュー・感想・評価
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原作越えどころか原作評価すら爆上げさせる、犯罪映画の金字塔 ver.2
原作含め<LA四部作>既読。
公開初日の日比谷など劇場で3度観たが、観れば観るほど評価が上がっていった。
何と言っても原作の長く複雑に交錯するプロットを上手に整理し、さらにクライマックスにむけてグッと盛り上げ、観客がよりおおきなカタルシスを得られるようにまとめあげた脚本が素晴らしい。原作から設定やストーリーを色々改変しているのだが、観客を馬鹿せず適度に複雑さを残した構成のさじ加減は職人芸で、良さを損なわずにかつ面白さの向上に大きく貢献している。
原作は正直なところLA4部作の中では一番下の出来という認識だったのだが、この素晴らしい映画化で原作も読み返す機会が増えて、わかりにくい点への理解も深まり評価も上がった。それにより映画化に際してどれだけわかりやすく面白くかつあの仄暗い熱情を損なうことなくシナリオ化しているかを再度認識した。『ブラック・ダリア』が失敗作だっただけに(原作は傑作なのに何してくれてんのさ)余計に。
ポスターなど各種宣材の「わかってる」感溢れるデザインや惹句なども、スタイリッシュで格好良く作品の魅力を的確に伝えてくれるものだった。
ラッセル・クロウとガイ・ピアースは本作でブレイクして主役クラスにステップアップしたし、再評価されたキム・ベイシンガーはアカデミー賞を始めその年の助演女優賞をごっそりかっさらっていったし、『ベイブ』のおじいちゃん(クロムウェル)が…だしで役者陣もしびれる演技を見せてくれる。スペイシーは…ちゃんと反省しなさい!
まったく関係ないが、クロウ扮するバドがタイピンを上の方に付けているのが気に入って、20年前からずうっと真似している。
同じ年に『タイタニック』があったため、色々割を食った作品でもあるが、たとえ記録には残らなくても必ずや記憶に残ることだろう。
あえて難癖つけるとすれば…カーティス・ハンソン、ブライアン・ヘルゲランドともその後注目していたが、本作でハードルが無限の彼方に上がってしまったため何を観ても物足りなさをおぼえるようになったことか。(『8マイル』(監督:ハンソン)、『ミスティック・リバー』(脚本:ヘルゲランド)が物足りないとか贅沢すぎ)
そして『1917』を買いに行ったはずなのに何故か20周年記念版BDがお店の棚に並んでいて目を疑う。今頃何でー? ということで公開時以来の4度目23年ぶり鑑賞。映画オリジナルであるロロ・トマシが実にいい仕事してる。うまいなー。今観ても傑作であるという考えは微塵も揺らがなかったのでちょっとホッとした。エルロイのインタビューははじめて観たのでキャッホーイ。脚色の大変さもよくわかるというか、そもそもめちゃくちゃ難易度高そうなのにこれに手を出すことにしたヘルゲランドさん最高です。故ハンソン監督とのおしどり夫婦みたいなツーカーぶりがまた。
『ホワイト・ジャズ』映画化の話がその後どうなっているのかわからないけれど、もう無理しなくていいんじゃないかな。本作さえあれば、何があったって平気だもの。
展開が早く、登場人物が多く、途中までは理解できないところが多かっ...
展開が早く、登場人物が多く、途中までは理解できないところが多かった。とりあえずガイ・ピアースが武勲章を受けたあたりからつかめてきた。序盤の登場人物が活かされてきました。登場人物を覚えておいてよかったぁ~
それにしても、ラッセル・クロウのすぐ切れてしまう暴力的悪徳警官役、はまりまくりです。『ビューティフル・マインド』のイメージが未だつきまとっているので、『グラデュエーター』の役柄も納得できなかったが、この映画で解決した。
社会派サスペンスとして、当時の腐敗した警察・法曹界がうまく風刺されていた。残念なのは、エドとバド二人とも感情移入しにくい人物設定なので自然と評価が下がってしまいますね。ストーリーとしては最高ですが・・・
ラッセル良かった!男臭い作品。
この映画の全てが最高!
思い出しレビュー15本目。
『L.A.コンフィデンシャル』
今でも好きな洋画は?…と問われると、必ず5本指に入る。
本当に好きな作品なので、レビューは敢えて書かないようにしてきたが、この際思い切って書いてみようと思う。
そこで困った。一体どう書こう…?
散々悩んだ結果、いつもみたいにダラダラ無駄な長文にするより、簡潔に書こうと思った。
本当に好きなものこそ、感想はシンプルになる。
1950年代、LA、ハードボイルド…このムードが堪らなく渋く、カッコいい。この国、この時代を全く知らないのに、何なんだろう、こんなにワクワクさせるのは。
熱血漢、野心家、策略家、3人の刑事。妖艶な一人の女。本作が出世作となったラッセル・クロウのタフな漢っぷりに惚れる。
背後に警察の腐敗絡む殺人事件。なかなか複雑ではあるが、スリリングでじっくりタイプで、何度も見ていく内に面白味が増していく。謎の人物“ロロ・トマシ”にニヤリ。
全てのシーンが好きだが、特にと言ったら、序盤。刑事たちが留置所に押し寄せ、容疑者たちと殴り合いに発展する。始まって早々、ゾクゾクと興奮した。
ジェリー・ゴールドスミスのドラマチックな音楽。カーティス・ハンソンの演出も素晴らしい。
事件は解決した。一方は出世を手に入れ、一方は女を手に入れ…。
この映画の全て、
やはり最高だ!
なーるほど
『L.A.コンフィデンシャル』というこの題名、内容は全然知らない頃からなぜだかずっと知っていて、知っていつつも本当に関心は向けないという状態でスルーしてきたのですが、あるレビュアーの方のコメントを読ませてもらって、ふっとこの映画が妙にくっきり自分の中に浮き上がってきて、ようやく観ることに相成りました。「そう言えば、そういう映画、あるな・・・」とね。
こんだけ有名なのに、私的にはまったく事前情報なし、というある意味、幸せな状態で鑑賞できたのはラッキーでしたね。映画のビックリをしっかりと堪能できました。
私としては、脚本のブライアン・ヘルゲランドがうまいのかなぁ、というところを感じましたですね。なんというか、演出とかはそんなにうまくなかったのでは、という感じがあって、やっぱりこの映画の面白さは脚本の上手さなのかなぁ、と。
そう思って、ブライアン・ヘルゲランドの過去作を見てみると、『ブラッド・ワーク』や『ミスティック・リバー』とかのイーストウッド作品もあるし、『サブウェイ123 激突』なんていうトニー・スコット作品もある。あ、最近見た『ソルト』もブライアン・ヘルゲランドなんだなぁ、と。
こうやって脚本家に注目したくなる作品というのも、私としては嬉しい映画体験でしたね。
みんなわけぇ
50年代ロサンゼルス。暗黒社会の大ボスが倒れたことにより勃発した一連の殺人事件とそれを追う三者三様の刑事たちを描いたサスペンス。
まずはみんな若い!
ケビンスペイシー、ガイピアース、キムベイシンガーにラッセルクロウと豪華俳優陣。20年近く前の作品とためみんな若いのは当然だがそれにしても若い!
そしてこの時点でラッセルクロウが大分渋い!そしてあまり変わらないケビンスペイシー!美しさ際立つキムベイシンガー!エリートガイピアース!
ストーリー的には登場人物が多くなかなか難解。しかしそれを補って余りある3人の刑事たちの魅力。エリートのエド、問題児のバド、飄々としながらも勘の鋭いジャックらが主にチームワークなどは発揮せず笑、個々の鋭い感性で事件を読み取っていく。
そこに絡んでくる美女の娼婦リン。エドとバドと関係を持ち、そこから崩れていく互いの関係(元から悪かったが笑)。クライマックスで殴り合いしてからの同盟関係の感じなかなか好き。
ジャックはやられずにピンチに駆けつける的な感じにしてほしかったなぁ。
また観たくなるタイプの作品。あとメインビジュアルカッコ良いよねこの作品。
一回見ただけでは理解できないかも。
残念ながら自分には合わず、、、
ロロ・トマシ
フィルム・ノワールの極め付けの傑作。
confidential な 人たち
個性的な登場人物と複雑な物語を上手に融合した映画
総合:85点
ストーリー: 85
キャスト: 85
演出: 75
ビジュアル: 75
音楽: 65
刑事物といえば、犯罪に対して敢然と立ち向かう刑事が数々の困難を乗り越え命をかけて派手な活劇を展開する。それが昔のハリウッドの定番。しかしこの映画はちょっと違う。
登場人物はそれぞれが個性的で面白い。例えばガイ・ピアース演じるエド・エクスリー警部は、自分の信じる正義を実行するためには組織内の政治的配慮が必要だったりするのを理解し、譲るところは譲り真実を捻じ曲げて話を作り替えることも厭わない。何にでも正義を振りかざして力ずくで正面突破をはかるわけでなく、双方に都合のよくなる結末を描いて組織を利用する策謀家である。エリートで奇麗事ばかりを並べ立てる青臭い刑事や、事件にやむを得ず巻き込まれただけの被害者的な正義漢の刑事といった従来のハリウッドらしい警察官とは一味違う。
だから物語のほうも犯罪の全容を明らかにしてそれと対決すれば終わりとはならない。また犯罪を追うだけでなく、誰が味方となりうるのか利用できるのか複雑な人間関係や利害関係を把握していく過程もよい。
その意味では比較的はっきりした善悪・物語・登場人物が多いハリウッド刑事ものと違い、細やかな設定がよく練られているなと思う。
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