黒い駱駝

解説

「怪探偵張氏」と同じくアール・デル・バカース作の小説を映画化したもので、脚色はヒュー・ステンジ、パリーコナーズ、フィリップ・クライン三人が共同で当たり、監督は「怪探偵張氏」のハミルトン・マクファッデンが受け持った。主演者は前回と同じくワーナー・オーランドデ「バッド・ガール」のサリー・アイラース、「魔人ドラキュラ」ノベラ・フゴシ、ドロシー・レヴィア、ヴィクター・ヴァルコニア、マレイ・キンネル等が助演、撮影者は「野蛮な紳士」のダニエル・B・クラークである。

1931年製作/アメリカ
原題または英題:The Black Camel

ストーリー

活動女優セラー・フェーンは撮影に来る途中、船中でアラン・ジェインズという男から求婚され我のでホノルルへ上陸するや早速かねて知り合いのターネヴェロのもとへ相談に行った。ターネヴェロは彼女が三年前の怪事件として今なお知られているデニー殺しに関係あると聞いて結婚を反対する。そこでジェラーはジェインズの申出を断った。が、それから間もなく彼女は何者かに殺されていた。この事件を引き受けたのが探偵チャーリー・チャンである。彼の眼に第一にとまったのは現場近くに残された足跡であった。次いでシェラーの前夫ロバートがこの地へ現れたという報告を耳にした。間もなくロバートは引き立てられて来た。だがシェラーに会ったことは肯定したが彼女の死に関しては一切知らぬ、と言い張るのであった。足跡の主は食い詰めてこの土地へ流れて来た貧乏作家のスミスと判明した。するとまたもやこのスミスも射殺される。スミスが死に際の言葉によってシュラーはロバートにデニー殺しの犯人は自分であると告白したこと、その問答の後で彼女が屍体からスミスがダイヤモンド・ピンを盗んだこと、そしてロバートを強請したこと等が明白となった。そこでスミス殺害の犯人としてロバートが引致されたが、シェラー殺しの犯人はまだハッキリした目星がつかなかった。チャンはシェラーの部屋の床板に掻痕を発見した。この捜痕によってチャンは犯人がダイヤ・ピンの破片を靴の踵のゴム底に挿していること知った。かれの推理は的中して犯人はシェラーの女中アンナだと知れた。アンナはアニーの妻で殺された良人の仇を討ったのだった。ここに於いてさひもの難事件も解決し、事件中に知り合いとなったジュリーとジミーにロマンスの花が咲き、チャン探偵も会心の微笑を洩らした。

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