金髪の悪魔
劇場公開日:1957年8月29日
解説
F・W・ダーキー・ジュニアのテレビ劇『徘徊者』(Plowler)の映画化。「地獄の翼」のコンビ、ジョナサン・ラティマーが脚色、ジョン・ファーロウが監督した。撮影監督は「誇り高き男」のルシエン・バラード、作曲は「山」のダニエル・アンフィシアトロフ。主演は「文無し横丁の人々」のグラマ・ガール、ダイアナ・ドース、「赤い矢」のロッド・スタイガー、「三人のあらくれ者」のトム・トライオン。
1957年製作/アメリカ
原題または英題:Unholy Wife
配給:RKOラジオ
劇場公開日:1957年8月29日
ストーリー
数刻後に死刑執行を控えた女、フィリス・ホーチェン(D・ドース)は、こに至までの不思議な運命を思い起していた。2年前の夏、ロサンゼルスの酒場に働いていたフィリスは、前夫との子マイクルを連れ子に、望まれてカリフォルニアの富豪酒蔵家ポールホーチェン(ロッド・スタイガー)と結婚した。が、酒場としてのフィリスにポールの母エマの眼は冷たく、夫のポールも祖父の遺した葡萄園を守るに汲々で妻を喜ばせることもしない。家庭の冷たさからやがてフィリスはロデオの騎手サン・サンフォードを邸に忍び込ませ逢瀬を楽しむようになった。サンフォードが忍び込む物音に義母は何者かが邸の中をうろつくと悲鳴をあげて怯えた。風の強い晩、遅くなって葡萄園から戻ったポールに、エマは徘徊者のことを訴えたが、ポールは親友ジノが持ってきた葡萄園売渡しに憤慨していたときだけに母の心配など構う余裕もなかった。葡萄園祭りがやってきた。ホーチェン家の生活に耐えられなくなったフィリスは遂にポールを殺し財産を我が物にしサンと一緒になろうと考えた。祭の夜、フィリスは老母に睡眠薬を飲ませ、目撃者を1人もないようにして夫の帰宅を待った。やがて1人の男が入ってきてフィリスは拳銃を発射した。と、続いてもう1人の男が入ってきた。それが夫のポールで、倒れたのはポールとの仲直りにきたジノだった。とっさの機転でフィリスは徘徊者と思って誤殺したと夫に告げた。しかも彼女は泣き落としの一手で夫に誤殺犯人の肩代りをさせようとした。ポールは検事と親友だったので無罪を確信して自首した。しかしフィリスの悪知恵でポールは死刑の宣告を受け、思惑はずれされた。死刑判決の夜、フィリスは邸の酒倉でサンと会い祝杯を上げた。ところが酔ったはずみにフィリスは真相をサンに洩らし、これを規模に立聞きされた。そして義母はショックで倒れた。卒倒した義母は間もなく死んだ。万事好都合に運んだわけだ。ところが義母の死に立会った医師の言葉から彼女はフィリスに謀殺されたとの噂が広まった。周囲の疑惑の眼にフィリスは遂に逆上、サンとの逢引も明るみに出て逮捕された。こうしてフィリスはジノ誤殺のためでなく夢にも考えなかった義母殺しの罪名で死刑となった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジョン・ファロー
- 脚本
- ジョナサン・ラティマー
- 原作戯曲
- F・W・ダーキー・Jr.
- 製作
- ジョン・ファロー
- 撮影
- ルシアン・バラード
- 音楽
- ダニエル・アンフィシアトロフ