狂乱街

解説

「神ぞ知る」「運は天に在り」等と同じくトーマス・ミーアン氏主演映画で「暗黒街」の脚色者チャールズ・ファースマン氏と「肉体の道」の脚色者ジュールス・ファースマン氏の共同原作を後者が脚色し、「戦艦くろかね号」「運は天に在り」等と同じくジェームズ・クルーズ氏が監督したものである。助演者は「熱砂を踏んで」「運は天に在り」出演のマリエッタ・ミルナー嬢、「百貨店」「オール持つ手に」出演のルイズ・ブルックス嬢、「暗黒街」「決死隊」出演のフレッド・コーラー氏並びにウィンダム・スタンディング氏、チャールズ・ヒル・メイルズ氏等である。

1927年製作/アメリカ
原題または英題:The City Gone Wild

ストーリー

私交上では無二の親友たる弁護士ジョン・フィランと検事フランクリン・エイムズとは公人としてはお互いの職貴上から火の出るような競争的立場にあった。そして2人は同じく富豪ウィンスロップ令嬢ナダに想いを寄する恋仇でもあった。暗黒街の大親分「二本指」ガラハー一味とその反対派とが久しい間の反目が爆発して大争闘を演じた時、エイムズ検事は一挙に両派を検挙せんとしたがフィランは先んじて両派を和睦せしめて表面町は静穏に帰した。しかしエイムズは秘かに悪人共を町から退去させる計画を進め、且つ何人が黒幕となっているかを調査すると、意外にもナダの父親ウィンスロップが巨魁である事実が判明した。ナダは固より父に纒わる暗影など露知らなかった。彼女はエイムズよりもジョン・フィランを愛していたが、彼が常に悪人の味方としての立場にあることを快しとせす、心ならずもジョンと絶交同様の状態にあった。さてウィンスロップは検事が自分の秘密を嗅ぎつけたことを知り、「二本指」に命じてエイムズを暗殺させた。エイムズに指一本でも触れたらただでは済まさぬ。とかねて悪漢たちに言明していたフィランは、検事暗殺の暴挙に憤激して進ら進んで検事の職に就き、先づ「二本指」ガラハーを捕縛し次いで町の廊清準備に着手した。しかし之を実行すれば何うしてもウィンスロップの秘密が暴露するので、彼はナダの心を傷つけることに忍びず万事を放擲し辞職した。一方ウィンスロップも運命監きんとするを悟り、フィランの辞職と相前後して自殺し、ガラハーは警官隊に射殺された。ウィンスロップのナダに宛てた遺書にはすべての事情が記されてあったがフィランはそれをナダに見せなかった。かくてナダのフィランに対する疑惑と失望とは愈増したが死んだガラハーの情婦がナダに一切をぶちまけたので、ナダの誤解は去りフィランと相許す日が来た。

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