キャナディアン
解説
W・サマセット・モーム氏作の舞台劇をアーサー・ストリンジャー氏が改作し、ジェー・クラアクソン・ミラー氏が脚色し「珍妙ライオン狩り」「雀」「天空騒動」等と同じくウイリアム・ボーデイン氏が監督したもので、主役は「神ぞ知る」「野球成り金」等主演のトマス・ミーアン氏が演じ、相手女優にはモナ・パルマ嬢(かつてミミ・パルメリ嬢として「鬼気人に迫る」「青春来る」に出演し、最近パラマウント俳優学校を卒業した人)が選ばれ、ウインダム・スタンデイング氏、デール・フラー嬢等が助演している。
1926年製作/アメリカ
原題または英題:The Canadian
ストーリー
西北カナダには冬の訪れが早い。マアシュ農場は収穫に忙しかった。フランク・デイラーは昨年の農作に失敗したので、再起するに十分な金を貯蓄すべくマアシュ農場に働いていた。農場主エド・マアシュの妹ノラは英国に居たが財産を費消したので兄エドの許にしばらく寄食することになった。フランクはエドに頼まれてノラを停車場まで出迎えに行った。英国式の貴族気質にかぶれているノラはフランクを単なるエドの雇い人と思って冷ややかな態度を示したのでフランクの感情は少なからず害された。兄の厄介になるとノラは前身が女給だったという兄の妻ガーディーとこと毎に反目し面白からぬ月日を送らねばならなかった。フランクが自分は働き者の妻が欲しいというのを聞いて不快を覚えたが、ガーディーと一緒に生活するよりはいいと考えたノラはフランクに一緒に参りましょうと申し出た。2人の結婚は形式だけであった。フランクはただ収穫が少しでも多かれと賢明に農場で働いた。かくて約1年の月日が経た。ある日妻の不遜な態度に怒ったフランクは遂に力を以て彼女を征服した。ノラはしだいに夫に対してひそかに尊敬を感じ始めた。それでノラは英国に帰ろうと思って取り寄せた小切手のことも夫には言わなかった。1年の終わり頃収穫の時に再び大暴風が起こってフランクの農作は駄目になり、彼が妻を英国に帰らせる金を得る見込みも無くなった。ノラは小切手を金にかえて英国に帰ろうとした。しかし出発の際になってノラもフランクもお互いに別れ得ないことを悟った。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・ボーダイン
- 脚本
- アーサー・ストリンガー
- J・クラークソン・ミラー
- 原作戯曲
- W・サマセット・モーム
- 撮影
- アルヴィン・ワイコフ