脚線価千金
解説
「アメリカ娘に栄光あれ」「化粧の天使」と同じくミラード・ウェッブの監督した映画で、アーロン・デイヴィス作の物語を、「都会の女」「情熱のメキシコ」のマリオン・オースがハロルド・アタリッジと共同して脚色、アタリッジが台詞を書いた。撮影は「愛の爆笑」「ハッピイ・デイス」のルシエン・アンドリオが担当している。出演者は「ハリウッド盛衰記」「闇の巷」のジャック・マルホール、「浮気発散」「曠野に叫ぶ(1930)」のスー・キャロル、「巴里よいとこ」「サニー・サイド・アップ」のエル・ブレンデルをはじめ、「ハッピイ・デイス」に共演したマージョリー・ホワイトとリチャード・キーン「ハヴァナから来た女」のポール・ペイジ、「浮気発散」のウォルター・カトレット等の良い顔触れ揃いである。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:The Golden Calf
ストーリー
貧乏画家フィリップ・ホーマーは漫画家クヌート・オルソンとニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジに共同でアトリエを借りていた。フィリップは家賃も払えなくなりそうなので節を屈してポスター描きとなることを決心して有名な実業家の広告部長を招待して自分の腕前を見せてやろうとした。ところが誰一人彼のアトリエを訪れて来る者もなかった。フィリップの女秘書メリベルは主人フィリップに心密かに恋していたので、何かと心を痛めていたが地味で身なりを構わない娘なのでフィリップはメイベルのことは何とも思っていなかった。みんな思案に暮れているところへ「銀月」印靴下製造会社のエディー・エドワーズが訪れて、女の脚線美のポスターを描いてくれと頼み、脚の寸法を特定した。フィリップはこの寸法に適した脚の所有者をモデルに雇う旨の新聞広告を出した。メリベルは友人のアリスを訪ねてこの話をした。アリスはさっそく寸法を計って見たが条件に合わないので、今度はメリベルの脚を計ると条件通りであった。翌朝アトリエには大勢の女達が押し寄せたが、誰1人寸法に合った脚線美の持ち主は無かった。それでメリベルが私の脚は寸法通りだと告げたがフィリップは醜婦メリベルなんか眼中にない。人の心を知らないで邪魔者扱いにされたので彼女は辞職を決意した。オルソンのとりなしでフィリップが辞意をひるがえすように頼んだが承知しない。そこへエディーが来て彼女に挿絵画家の舞踏会に出るように勧めたのでメリベルは数日の休暇をもらうこととなった。始終の話を聞いたアリスは親友のトミーと相談して、メリベルを見違えるような美人に仕立て上げ、素知らぬ顔でフィリップにヴァージニア・リッチモンド嬢として彼女を紹介した。フィリップはその脚線が注文通りなので大喜びでモデルになってもらうこととなり、完全に彼女の美しさに引きつけられてしまう。かくて1週間を経た後の舞踏会の席上フィリップはヴァージニアに求婚しようとしたがアリスとトニーが妨げる。それからメリベルは仮面を脱いで地味な書記姿で現れると、さすがのフィリップも彼女こそヴァージニアであることを知り、改めてメリベルに結婚を申し込んだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ミラード・ウェッブ
- 脚色
- マリオン・オース
- ハロルド・アタリッジ
- 原作
- アーロン・デイヴィス
- 台詞
- ハロルド・アタリッジ
- 撮影
- ルシエン・アンドリオ
- 編集
- アレクサンダー・トロフィー
- 振り付け
- アール・リンゼイ