硝子箱の処女
解説
「情炎夜曲」「スコール」のロレッタ・ヤング嬢と「夢想の犯罪」「スコール」のキャロル・ナイ氏とが主演するパート・トーキーでジョージ・キップターナー氏作の小説を映画化したものである。ジェームズ・グルーエン氏が脚色並びに台詞を執筆し、メトロ社、ワーナー社等でエディターをしていたラルフ・ドソン氏が第一回作品として監督した。助演者は「結婚行進曲」のマシュー・ベッツ氏、ジョージ・E・ストーン氏、「土曜日の乙女」のルシエン・リツフィールド氏及び「第一曲馬団」のラルフ・ルイス氏である。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:The Girl the Glass Cage
ストーリー
孤児のグラディス・コスグローブはニューヨーク洲のある興行都市で叔父ジョンに養われていた。ジョンは独身者だったが死んだ兄の遺言を守って厳重にグラディスを監督していた。グラディスは町の劇場で切符売りをしていたが将来の美貌が仇をなして色々と変なことを言寄るものが絶えなかった。発禁の酒類を密売しているストライカーを始め、その配下のスミスやカーロス等は始終彼女を脅かしていた。ある夜彼女がストライカーに連れて行かれようとするのを救った青年は夏休みで帰省中のテリー・ボンフレットと言って名家の相続者で既に母親が決めた婚約者のある身であったが、グラディスに同情して彼女を家へ送り届けた。夏休みも終わり大学へ帰校せねばならぬてりーは頼りないウラディスの身の危険を思って別れに臨んで拳銃を渡した。テリーは学校に帰ったがグラディスに危険が迫っているという通知を受取り大急ぎで帰って来て彼女の家に駆けつける。見るとグラディスの部屋にスミスが来ているので憤慨したテリーはスミスと共に外へ出ると、突然落雷のために停電し暗中にスミスは射殺されてしまう。グラディスはテリーが殺したと信じて自ら犯人と名乗り出た。彼女はテリーは自分とは到底結婚は出来ないことを思い、またテリーはおそろらく自分のことを思っていないだろうと誤解して悲観の極法廷でスミスと恋仲だったと陳述した。テリーは傍聴席でそれを聞いて憤慨したので怪しまれたが、結局下手人はジョン伯父であることが判明した。彼はすとらいかーに欺かれてテリーがグラディスを誘惑しに来たものと信じ、ウミスがテリーと間違って射殺したものだった。事情を知ったジョン伯父はストライカーを射殺し自らも敵の弾丸に倒れた。グラディスのテリーに対する真情が判ったので2人は結婚を許された。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ラルフ・ドーソン
- 脚色
- ジェームズ・グルーエン
- 原作
- ジョージ・キッブ・ターナー
- 台詞
- ジェームズ・グルーエン
- 撮影
- アーネスト・ホーラー