楽屋行進曲
解説
米国で有名な二人組の寄席芸人チャールズ・エメット・マック氏とジョージ・モラン氏とが主演する全発声映画でオタヴァス・ローイ・コーン氏が書卸した原作をヘクター・ターンブル氏が改作し、「ブロードウェイ(1929)」の原作者でパ社東部撮影所で短編発声映画の監督をしていたジョージ・アボット氏が脚色並びに監督したもの。助演者は「女性の罠」「ブロードウェイ(1929)」のイヴリン・ブレント嬢、「恋愛行進曲」「君恋し」のハリー・グリーン氏で、フリーマン・ウッド氏、ヘレン・リンチ嬢、バート・スワー氏等も出演している。撮影は「恋愛行進曲」「踊る人生」のジェー・ローイ・ハント氏が担任した。
1929年製作/アメリカ
原題または英題:Why Bring That Up
ストーリー
寄席芸人のジョージは相棒がベティーに失恋してやめてしまったので、食い詰めて困っていた。チャーリーをその代りの相棒にした。彼等のマネジャーになったアーヴィングの献立てで彼等は当りを取り、2、3年後にはニューヨークで自分たちがスターとしてレヴュー一座を興行するほどになった。彼等は「二人の黒人」として名を知られていたが、ブロードウェイに自分達で劇場を建てようという念願で一生懸命に稼いだ。ある時稽古をしているところへ情夫を従兄に仕立ててベティーがやって来て、ジョージにうまく取入ってコーラス・ガールとなった。彼女の過去を知っているアーヴィングは苦々しく思ったがジョージは彼女を雇うことに決めてしまった。彼等の新演目は大当たりであった。ベティーは手練手管を用いてジョージに彼女が惚れているように思わせたので、有頂天になったジョージは宝石やお金を彼女に無茶苦茶に与えた。ベティーは図に乗って彼女の情夫が持っている石油株を高価にジョージに売り付けようとかかった。チャーリーとアーヴィングは遂に最後の手段としてベティーを首にしてジョージの迷いの夢を醒まさせようとした。チャーリーがベティーを首にしようと知ったジョージは彼と争いを始めた。そこへベティーの情夫がやって来ていきなり花瓶でチャーリーをなぐり倒した。その夜自分が如何に愚かであったかを悟ったジョージはチャーリーが大怪我をして面会謝絶中であることを知った。翌晩アーヴィングに直ぐ病院へ行ってくれと頼まれたジョージは舞台半ばに駆付けた。そしてチャーリーが未だに昏睡していると聞いたジョージは舞台でやる様にチャーリーに話かけたこのせりふを聞いたチャーリーは意識を回復した。そしてジョージがベティーと手を切ったことを知った彼等は元通りの仲となった。
スタッフ・キャスト
- 脚色
- ヘクター・ターンブル
- 原作
- オクタヴァス・ロイ・コーエン
- 台詞
- ジョージ・アボット
- 撮影
- J・ロイ・ハント
- 題字
- ジョージ・メリオン・ジュニア