歓楽地獄(1927)
解説
アーネスト・パスカル氏作の小説を映画化したもの。「彗星雲を衝いて」に次ぐロイス・ウェバー夫人監督作品で夫人自ら脚色したものである。主役は「彗星雲を衝いて」「猿飛カンター」等出演のビリー・ダヴ嬢が演じ、相手役は「奥様お耳拝借」「結婚春秋」等出演のハントリー・ゴードン氏と「愚者」「冬来りなば」等出演のレイモンド・ブルーマー氏で、ペギー・モントゴメリー嬢、フィリップス・スモーリー氏、エディス・ヨーク嬢等が助演している。
1927年製作/アメリカ
原題または英題:Sensation Seekers
ストーリー
ロングアイランドのブルジョワ青年たちは夜毎暁近くまでジャズと酒と煙草とに酔いしれていた。その中でも大将株のレイ・スターゲスは美しい処女エジプト・ヘーゲンと婚約の間柄だった。彼女はその近代的精神を振りかざして、宗教を嘲笑し、自由奔放な生活に強烈な刺激を求めてはいたが、彼女はその名の如くエジプト的なペーガニスムに心酔しているわけではなく、その処女らしい純真心はやがて天国に近いものだった。ある夜とある旗亭に夜をこめての狂宴を催している時官憲の手入れがあって彼女は検束された。彼女の母親は牧師のノーマン・ロッジに頼んで彼女の放免に尽力して貰った。若い牧師はエジプトの美に魅惑された。彼女もノーマンが所宗教家臭い嫌みのないのに少なからず興味を索かれた。その後仮装舞踏会の席上でエジプトの許婚者レイは彼女が検束されたという大見出しの記事が載っている新聞紙で作った衣装を来ていた。エジプトは夫が馬鹿馬鹿しく腹立たしく感じられた。彼女は既に昨日のエジプトではなかった。そして彼女はロッジ牧師の人格に感化され遂に彼と恋するに至った。しかし世間は悪評の高いエジプトと牧師が親近することを喜ばず、教会の長老の耳に悪し様に告げられた。ある倶楽部での宴から逃げ出したエジプトは牧師を訪問した。折悪くそのところを訪れた長老は彼女の面前で牧師を叱責した。牧師はエジプトと結婚する旨を伝えた。エジプトはお互いの愛を認めると共に自分の評判のために牧師が対世間的に面白からぬ立場になることを知ってその夜出奔してレイと共に暴風雨を冒してヨットに乗って海上に於いて結婚式を挙げようとした。牧師は長老と共に追跡するとヨットは難破しレイは溺死したがエジプトを救うことは出来た。そして牧師とエジプトとの結婚式は長老に司会されて盛大に営まれた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ロイス・ウェバー
- 脚本
- ロイス・ウェバー
- 原作
- アーネスト・パスカル
- 撮影
- ベンジャミン・H・クライン