彼女の戦術
解説
「生活への道」「世界一の金持娘」のジョエル・マクリーと「艦隊を追って」「本人出現」のジンジャー・ロジャースが主演する映画で、ヴィニャ・デルマー作の小説に基づき「小牧師(1934)」「若草物語(1933)」のサラ・Y・メイソンと「あめりか祭」のジュリエン・ジョセフソンが共同脚色し、「夢の並木路」「ロバータ」のウィリアム・A・サイターが監督に当り、「大学の人気者」のニコラス・ミュスラカが撮影した。助演は「戦争と母性」のマリアン・ニクソン、「東への道」のアンディ・デヴァイン、「美人探し」のヴァージニア・ハモンド、「人生は42から」のルシアン・リトルフィールド、「結婚の夜」のジョージ・ミーカー等である。
1933年製作/アメリカ
原題または英題:Chance at Heaven
ストーリー
ブラッキーとマーヂは幼馴染みの恋仲で、一緒になる日を楽しみに成長して来た。マーヂは一刻も早く結婚したいと望んでいるが、ブラッキーは経営している給油所がもっと繁栄し、仕事が大きくなるまで延ばそうと言っていた。ある時紐育社交界の美しい令嬢ローリイがこの給油所に立ち寄った。彼女は休暇でこの田舎に休養していたのである。ブラッキーは知り合いとなるにつれ、この令嬢にすっかり惹きつけられてしまった。この令嬢こそ天国から自分の所に舞い降りた天使の様にさえ見えた。グローリイは紐育の富豪と婚約はしていたが、マーヂは女の敏感さで、彼女がブラッキーを奪い取るような気がしてならなかった。マーヂの純情に感じてブラッキーはグローリイを避けようとしたが、遂に力が及ばなかった。2人はとうとう結婚して、グローリイはブラッキーの粗末な小屋に住むことになった。グローリイの母親は娘の結婚を怒ったが、2人の間は円満で、やがてグローリイは身ごもった。マージは優しく彼女をいたわり慰めてくれたが、それはブラッキーのためを思ってそうするのだと聞かされて、グローリイは打ちのめされた様な気がした。母親はこの時だとばかり、彼女を紐育の家へ連れ戻した。時が経つにつれブラッキーの許へは段々手紙も来なくなった。そのうち彼はグローリイは母親と加州へ行こうとしている事を聞いて早速紐育へ駆け付ける。母親の冷たい態度、グローリイの打って変った素振りに、ブラッキーは妻の心が自分から離れ去ったことを知り、ただ子供のことだけを聞いて、田舎の家へ帰ってきた。そこにはマーヂが食事の支度をして彼を待っていた。ブラッキーは今更の様に自分の過去に気がつくのであった。マーヂこそ自分の一生に連れ添うべき女性であると、彼は心から悟ったのである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ウィリアム・A・サイター
- 脚色
- ジュリエン・ジョセフソン
- サラ・Y・メイソン
- 原作
- ビナ・デルマー
- 撮影
- ニコラス・ムスラカ