怪獣征服

解説

「馬車で風切る男」「恋は曲者変装自在」「ベター・オール」と同じくシドニー・チャップリン氏が出演し、そしてチャールズ・F・ライズナー氏が監督した喜劇である。二巻喜劇出身のルース・ハイアット嬢が相手役を演じているほか、クロフォード・ケント氏、トム・マクガイアー氏、サム・ベイカー氏、等が出演している。ちなみにこの映画の原作はダリル・フランシス・ザナック氏の書き卸したものである。

1927年製作/アメリカ
原題または英題:The Missing Link

ストーリー

ブレーデン大佐はアフリカ、ボムバシアにある英国動物学協会アフリカ支部長で、「怪獣」探検にやって来る多くの冒険家に常に色々と便宜を計っていた。彼の1人娘ビアトリスは学校の休暇の間を父親の許で過ごすことになったが、ちょうどロンドンから猛獣狩りの大家ドライデン卿が「怪獣」狩りにこの地にやって来るという知らせを受けたので、ひそかに胸をおどらせてその壮快な日の来るのを待っている。ところが、ここロンドンにアーサー・ウェルスという、その身天上にある如き詩人がいた。そして彼は常に地上で飢えていた。今日も彼はロンドンの港で何か食にありつきたいとウロウロしていると、折柄の汽船の出帆間際で、荷物担ぎがいないので困っている紳士に出会する。彼はその荷物を担いで若干の賃銀を得ようとするが、かえって彼は誤ってその汽船に乗せられてしまう。その後、汽船でまた一騒動起こした彼は、先に荷物を運ばせて貰った紳士の船室に逃げ込む。ところが、この紳士というのが、かの有名なるドライデン卿で、彼如何なる生まれにや生まれつきの大の女嫌い、ブレーデン大佐から歓迎の電報の中に、娘のビアトリスが待ち焦がれている、という文句があるのですっかり気を腐らせている。で、彼はこの風来詩人アーサーを自分の身代わりに仕立ててボムバシアの港に上陸する。アーサーはドライデン卿になり済ますと、ブレーデン大佐や娘のビアトリスがそれを真に受けて、下にも置かぬ歓待をするので、彼はすこぶるいい気持ちになってふんぞり返った。ところがこの家にアッカという悪戯者の猿がいて散々にアーサーを翻弄する。アーサーはこの猿を「怪獣」と思い違えて、突き違えた勇気を振り絞ったのが大騒動の始まりで、獅子虎豹などの猛獣が入り替わっては出没した揚げ句最後にいよいよ「怪獣」の出現となる。この怪獣はミッシング・リンクと称せられ人類と猿との中間に位する恐ろしい怪物である。アーサーと猿のアッカとは一代の知恵を絞ってこの怪物を征服する。それと共にアーサーはビアトリスとの恋に成功する。

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