女は求む
解説
「ウィーンの再会」「カヴァルケード」のダイアナ・ウィンヤードが主演する映画で、最近物故した英文豪家ジョン・ゴールズワージー作の小説に基づき、「透明人間」のR.C.シェリフが脚色し、「透明人間」「フランケンシュタインの花嫁」のジェームズ・ホエールが監督に当たり、「フランケンシュタインの花嫁」「化石人間」のジョン・J・メスコールが撮影した。助演は「フランケンシュタインの花嫁」「人生の高度計」のコリン・クライヴ、「孤児ダビド物語」のフランク・ロートン、「台風」のパトリック・キャンベル夫人、舞台から転向の新進女優ジェーン・ワイヤット、「痴人の愛」のレジナルド・デニー、「女優ナナ」のライオネル・アトウィル、「若草物語(1933)」のヘンリー・スティーブンソン、「恋のページェント」のC・オーブリー・スミス、「化石人間」のアラン・モーブレイ、「透明人間」のE・E・クライヴ等である。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:One More River
ストーリー
サー・ジェラルド・コーヴンの妻クレアは野獣の如き夫の許を逃れて英国へ帰る。途中の船上で同じくセイロンから乗船した青年トニイと知り合いとなる。甲板で会って語る間にトニイは彼女を熱愛する様になった。クレアは心引かれたが夫ある身のつつしみを持した。帰英後クレアは妹ディニーの斡旋で、代議士ダンフィードの秘書となり、トニイはクレアの叔父の口添えで調馬師の職を得た。逃げた妻を追ってコーヴンも英国に来て、彼女を連れ戻そうと企み、ついにクレアのアパートの私室に押し掛けて一夜を明かす。という様な行為までしたがクレアは夫と共にセイロンへ帰る気持ちは微塵もなかった。ある日クレアのアパートに訪れるトニイの姿を見掛けたコーヴィンは私立探偵に2人の間を探らせた。トニイは週末にクレアとロンドンで遊び、映画食事を共にし、日曜にはトニイが勤めるオックスフォードの厩舎へ馬を見せにクレアを誘い出した。所が帰途の暗闇に、自動車のヘッドライトの故障のため、2人は森の中で自動車上に腰掛けたまま一夜を明かした。これらの報告をうけたコーヴンは離婚訴訟を起こした。法廷では原告側被告側の弁護士の舌戦が展開されたが、クレアとトニイの清純な熱愛は審査員に認められず、被告側の敗訴となった。その結果トニイは漠大の慰謝料及び訴訟費用を払うことを命ぜられた。しかしクレアは自らやましくないので、離婚が出来て自由の身になれたことを喜んだ。そしてクレアはトニイを招いて食事を共にせんとしたが、彼女の態度に一抹の不純さを感じたトニイは彼女の求愛を退けて立ち去った。しかし翌朝枯れ葉またクレアを訪れた。その時はクレアも彼をよりよく理解し愛する気持ちになっていた。かくて謝罪しあった2人は睦まじく朝食を共にした。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジェームズ・ホエール
- 脚本
- R・C・シェリフ
- 原作
- ジョン・ゴールズワージー
- 撮影
- ジョン・J・メスコール
- 美術
- Cgarkes D. Hall
- 音楽
- W・フランク・ハーリング