踊り子フィリス

解説

「氷原の侠児」と同じくエルンスト・レムレエ氏の監督作品で、「結ぶ縁恋の釣天井」「ゴリラ(1927)」等主演のアリス・デイ嬢と「三人」「特性鋼鉄人形」等主演のマット・ムーア氏とが共演する映画である。原作者はアーサー・グレゴア氏、脚色者はジョン・B・クライマー氏である。「椿姫(1927)」「他言は御無用」のリリアン・タシュマン嬢、エドモンド・バーンズ氏、デュエイン・トンプソン嬢、等が助演する。

1928年製作/アメリカ
原題または英題:Phyllis of the Follies

ストーリー

若くて金のあるクライド・トンプソンはフォリーの女達と何かといえばすぐに問題を起こす癖があった。で、問題が起こると早速、獄護士のデッカーがその解決に当たる。が、これが決まった様に負けるのである。今日も、デッカーが負けて、クライドが五万ドルの小切手に署名していると、元フォリーにいた事のあるデッカーの妻君から電話が掛かって来た。クライドが電話口に出た。そこでおきまりのフラーテーションが始まった。デッカーの妻君は彼を晩餐に招待し、なお夫への言ずけを頼んだ。が、クライドが言する所が、デッカーに用事を言う云いつけてボストンに出掛けさせ、晩餐には己一人でデッカーの妻君と会おうとした。妻君はフォリーの踊子フィリスを招き、クライドには己がフィリスで、フィリスがデッカー夫人だと云って紹介した。そして二人は表へ出てまた逢って、翌日リッツで食事を共にする事を約した。翌日、リッツへボストンから帰って来たデッカーがやって来た。そこへデッカーの妻君も用件でクライドを訪ねて来た。デッカーはクライドを信用していないので、己の妻君を彼に紹介するのを躊躇した。で、其処で二人の男は、一人は己の恋人、一人は己の妻、へ対してお互いに相手に勘づかれない様にして話をようとしたので、妙なこんぐらがりが出て来てしまう。やがてフィリスが去ってから、デッカーは妻をクライドに紹介したが、クライドは、これにデッカーの照れ隠しだろうと気を廻して本当だとは信じない。クライドは友人の妻君だと彼が思い込んでいるフィリスヲ心底から愛した。そうしている内にまた悶着が起こって、デッカーは妻とクライドとの間を疑う。フィリスが事の真相をデッカーに打ち明ける。デッカーは一人で海辺に遊び怒った真似をして去る。デッカーの妻君はすぐその跡を追った。デッカーの二度目の新婚旅行は斯くして行われた。

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