男と女のあいだ
劇場公開日:1972年10月10日
解説
原作者のロイス・グールドが“危機に際し、人は友情という名のもとに何をしたのか”というテーマのもとに書いた小説“Such Good Friends”の映画化。大都会ニューヨークを舞台に、次々に友情に裏切られる人妻を通し、性と友情のあり方を描く。製作・監督は「夕陽よ急げ」のオットー・プレミンジャー、脚色はエスター・デール、音楽はトーマス・Z・シェパード、撮影はゲイン・レシャー、編集はハリー・ハワード、美術はルーベン・ター・アルトゥニアンが各々担当。出演はダイアン・キャノン、ジェームズ・ココ、ジェニファー・オニール、ケン・ハワード、ニナ・フォック、ローレンス・ラッキンビル、ルイーズ・レッサー、バージェス・メレディス、サム・レベーン、ウィリアム・レッドフィールド、ジェームズ・ベアードなど。
1971年製作/アメリカ
原題または英題:Such Good Friends
配給:パラマウント=CIC
劇場公開日:1972年10月10日
ストーリー
ジュリー(ダイアン・キャノン)は2児の母で、暮らしは中流以上の幸福な家庭だった。夫のリチャード(ローレンス・ラッキンビル)は30歳。一流雑誌の美術主任を担当し、自らのさし絵で童話創作まで手がけるという才能の持ち主で、収入もかなりあったが、ジュリーにとっては夫のまじめな仕事ぶりがかえって不満だった。ある日、リチャードの童話が好評で10版を重ねたため、祝賀会が開かれた。盛大なパーティに、ジュリーはノーブラのスケスケルックで出席して皆を驚かせた。そのパーティが終わったあと、皆は写真家キャル(ケン・ハワード)のアパートで開かれた祝賀パーティに流れた。集まった男女は楽しげに飲み、食い、そしておしゃべりをしていた。ニューヨーク医大病院の医者であるティミー(ジェームズ・ココ)もそんな1人だったが、彼はリチャードには何も口に入れさせなかった。明朝行なわれる手術のために全身麻酔が必要だったからだ。ジュリーは、首についたホクロを取る、といったたわいもない手術なのになぜ全身麻酔が必要なのかわからなかったが、ティミーは専門用語をまくしたてて、相変わらず飲んだり食ったりするばかりだった。翌朝、手術は担当医が失望する程簡単に終わった。ジュリーはリチャードの入院後、彼の親友たちが妙に自分を女として見つめだしたことに気づいたが、とりたてて気にとめなかった。そんなとき、順調だったはずのリチャードの容態が急に悪化した。彼の血はきわめて稀なRHマイナス型で、輸血に抗体反応を起こしたというのである。なぜ手術前に血液反応を調べなかったのかとジュリーは食いさがるが、ティミーはまたしても専門用語をまくしたて、要領の得ないことは相変わらずであった。彼女はわきあがる不吉な予感をどうすることもできなかった。事態は更に急を告げ、リチャードの全血液を取りかえることになった。親類や友だちが集められ、献血してもらうことになったが、集まった連中は雑談にふけり、リチャードの様態など全然気にかけるどころか、ワイルドパーティのさまを呈していた。そのあと、ジュリーはキャルからショッキングな事実を知らされた。夫が、キャルと同棲している新劇女優ミランダ(ジェニファー・オニール)と1年も前から関係しているというのである。彼女はこのことがきっかけで、リチャードの謎めいた文字が書かれてある手帳を調べてみると、驚いたことに、彼女の親友たちがすべてリチャードと関係していたことがわかった。書かれた略字は後背位とか正常位といった具合に体位の略であったり、関係した女の頭文字であった。その中にミランダの他にも、ティミーの細君マリオンもいた。友人はみんな裏切り者だったのだ。彼女はせめてもの復讐にと、キャルやティミーと関係するが満足感など得られるはずはなく、心はますます重かった。やがてリチャードの様態は悪化し、ジュリーの祈りも空しく死んだ。自宅には何人かの人たちが集まってきたが、そんな人たちから逃げるように、2人の息子の手をひいて荒れすさんだ公園へと出かけていった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- オットー・プレミンジャー
- 脚本
- エスター・デイル
- 原作
- ロイス・グールド
- 製作
- オットー・プレミンジャー
- 撮影
- ゲイン・レシャー
- 美術
- ルーベン・ター・アルトゥニアン
- 音楽
- トーマス・Z・シェパード
- 編集
- ハリー・ハワード
- 字幕
- 高瀬鎮夫
受賞歴
第29回 ゴールデングローブ賞(1972年)
ノミネート
最優秀主演女優賞(ドラマ) | ダイアン・キャノン |
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