黄金と名利

解説

サタディ・イヴニング・ポースト紙に発表された新進作家オクタヴァス・ロイ・コーエン氏原作のTwo Cents Worth of Humanenessから脚色し、「アルジー卿夫妻」や「行けよ若者」を監督したハリー・ボーモン氏が監督で製作した人情喜劇。主役はマッジ・ケネディー嬢とケネス・ハーラン氏である。

1920年製作/アメリカ
原題または英題:Dollars and Sense

ストーリー

コーラス・ガールのヘイゼルは職を求めて得ず、今や嚢中二仙を余すのみ、餓に迫って麺麭屋へ二つ一仙の屑パンを買いに行き、其所で貧者の力と成ろうと努めて居る主人公のデイヴィッドに会う。彼は彼女に新しいパンを与えた。ヘイゼルはそのパンの中から青年の心盡しの銀貨を発見し、店へ返しに行って、その店へ勤める事と成る。日の経つにつれ、若き二人の間には美しい恋が芽ぐんで行く。二人は相談してパンを提供して貧しきものを賑わすのであった。所が、デイヴィッドは病に冒され、貧者の為に盡せぬのを痛く心配した。彼女は予て我身を望んで居る富豪に身を委せ、それによって金を得て、デイヴィッドの満足する様貧者に情を施さんとする。今晩の八時には富豪の許に行く事に成った彼女は、涙を耐えて朝早く病院にデイヴィッドに最後の訪問をした。午後には退院する事と成って居る彼は之が最後と知る由もなく彼女に未来の輝かしい希望を語るのであった。其夜悄然とヘイゼルが指定の室へ辿り着いた時、扉を開けたのは思懸けない恋しき人のデイヴィッドであった。人情ある富豪は彼女の苦衷を知って我行いを恥じ、恋する二人に其家を無代で一年間貸してくれたのである。

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