ヴィーナス(1929)

解説

「桃色女白浪」「恋のかけひき」のコンスタンス・タルマッジ嬢がフランスへ渡って主演した映画で監督は「さすらいの二少年」等を作ったルイ・メルカントン氏。原作はジャン・ビニョウ氏でそれをエー・カイヤール氏が脚色した。助演者にハアンドレ・ロアンヌ氏、ジャン・ミュラー氏その他のフランス名優が出演している。地中海沿岸にロケーションした映画である。

1929年製作/アメリカ
原題または英題:Venus

ストーリー

女ながらも船舶界の大立物として有名なベアトリーチェ・ドリアニははつらつたる肉体の所有者で地中海サイプラス島沖合いに豪華を極めたヨット「ビーナス」号を浮かべ多くの賓客を招待し夜の盛宴を張った。彼女の歓心を求めあるいは彼女の愛をかち得んと集まる多くの男性を彼女はいささかも気後れすることなく傍若無人に振舞い突飛な行動を演じては人々を驚かした。その時手渡された1通の無電は彼女が経営する造船所のストライキを報じた。ビーナス号はゼノアに急行しストライキを防止した。彼女の所有汽船の1つセミランテ号の船長フランクビルは一奴隷商人がベアトリーチェの乱行について悪口を言っているのを聞いて懲らしめの打撲を加えたが誤って死に至らしめた。ドリアニ汽船会社は彼を詰問に附した。フランクビルは事件の真相を語ればベアトリーチェの名誉に関することを憂い何等の自己弁護も試みなかったので解雇された。その後彼女が彼に会った時真相を知り自己の行為を恥じいたく彼の人格に感銘をうけ彼がアフリカへ行ったと聞いた彼女は彼の後を追い親交を求めたが徒労に帰した。ある時フランクビルは奇禍を蒙り負傷したが彼の全快するまで熱心に介抱した女性があったがその女の名は判らなかった。しかしベアトリーチェの婚約者たるド・バルロアが現れたので彼女の素性が初めて判然した。人生の無情を感じたフランクビルはフランスの外国派遣隊に加わり心の痛手をわすれんと出征した。その間に汽船会社の詰問会に出席していた奴隷商人の従弟はフランクビルの書いた懺悔の手紙を手に入れベアトリーチェを脅嚇せんとした。彼女は愛人のため侮蔑を忍んで手紙を取り戻し戦地にあるフランクビルの後を追った。彼女の愛がいかに真摯なものであるかを知った彼は胸に抱いていた熱烈な恋を彼女に打ち明けた。

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