海の呼ぶ声(1948)
解説
「影なき殺人」「ステート・フェア(1945)」のダナ・アンドリュースと「キャスチルから来た大尉」でタイロン・パワーの相手役を演じ無名からスターとなったジーン・ピータースが主演する映画で、ベストセラーとなったルース・ムーア作の小説を「影なき殺人」のリチャード・マーフィーが脚色し、「聖処女」「追憶(1941)」のヘンリー・キングが監督し、「ローラ殺人事件」のジョセフ・ラシェルが撮影した。サミュエル・G・エンジェル製作の1948年作品。助演は「奥様武勇伝」のシーザー・ロメロ、「海の男」のディーン・ストックウェル、「追憶(1941)」のアン・リヴェア。
1948年製作/85分/アメリカ
原題または英題:Deep Water
ストーリー
ホッド・スチルウェルはメイン州の名物エビを捕る漁夫であるが、彼の美しい愛人アン・フリーマンは彼の職業をこのまない。板子1枚下は地獄という危険さが嫌なのだ。アンは建築家になれとすすめる。安全なうえに将来性に富んでいるというのである。これが原因でアンは婚約指輪をホッドに返してしまう。そこでアンは彼女が好きなもう1人の男ダニイ・ミッチェルに熱中する。といってもダニイは両親を海にとられた12歳の孤児少年である。少年はマッケイ夫人の家に世話になっているが、アンはダニイを海から遠ざけて育てようと決心する。ところがある日ホッドが海へ出ると、彼が仕掛けたエビ取り籠を、ダニイが荒しているところを見つける。ホッドはいたずらを止めるなら、土曜日にはエビ取り船に乗せてやるという。アンは不承不承これを許したが、エビ漁夫がまた1人溺死したと聞くと、ダニイをつれて行くことを拒む。悲観したダニイはアンが悪いと決め、ボストンへ行く決心で写真機を盗み、バス代にするために売ろうと企む。その日はダニイの誕生日だった。ダニイは写真機を盗まれた雑貨屋が、マッケイ夫人にそのことを告げているのを見ると、波止場へ逃げモーター・ボートに乗って海へ出る。ホッドは追跡して、暗礁に乗り上げている少年を救う。写真機を盗んだ件が表沙汰になり、ダニイは感化院へ入れられることとなる。これを知ったホッドは少年を養子にすることを申し出て、正式に許可をとる。このことでアンはホッドと和解し、2人がダニイと共に船に乗って楽しそうに、沖合へ出ていくのを、マッケイ夫人は微笑して見送っていた。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ヘンリー・キング
- 脚色
- リチャード・マーフィ
- 原作
- ルース・ムーア
- 製作
- サミュエル・G・エンゲル
- 撮影
- ジョセフ・ラシェル
- 音楽
- シリル・モックリッジ
受賞歴
第21回 アカデミー賞(1949年)
ノミネート
特殊効果賞 |
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