唄女の恋

解説

「誰が罪ぞ」の原作者リタ・ウィーマンの原作になり、これをヘイゼル・マクドナルドとヴィアンナ・ノールトンとが脚色し、ウィリアム・C・デミルが監督したもの。主役は「悪魔の眠る時」「有閑階級」等出演のジャック・ホルトと、「やくざ者(1923)」「繿縷を飾って」等出演のライラ・リーである。

1921年製作/アメリカ
原題または英題:After the Show

ストーリー

ある劇場の楽屋番の老人ポップ・オマリーはある晩帰宅しようとした時、戸口に疲れて倒れている若い娘を発見して、我が家へ連れ帰って親切に手当てをしてやった。娘はアイリーンといって、舞台に立とうとしているうちに所持金を使い果たしたのであった。老人は貧しい暮らしのうちから翌朝幾らかの金を出して、娘に着物を買い与え、自分の勤めている劇場のコーラス・ガールに周旋してやった。かくて今まで淋しい独身生活をしていたオマリー老人は、アイリーンを養うことにいい知れぬ喜びを感じるようになったが劇場を後援しているラリー・テイラーをいう青年富豪は、アイリーンの可憐の姿を愛し、彼女もまたラリーを憎からず思っていた。ラリーが彼女を我が邸へ招待したとき、老人は行くなと勧めたが、アイリーンは老人の眼を盗んでラリー邸へ赴く。これを発見した老人はラリーの邸へ急いで、客人の前でアイリーンに我が家へ帰れと追ったが、彼女はこれを拒んだ。怒りの余り老人は過って瓶を砕いて手に傷を負い、はなはだしい出血のために重傷に陥った。ラリーは自分の血を老人に移して彼の命を救い、アイリーンと結婚したい旨を話したので、頑固な老人の心も遂に柔ぎ、アイリーンはラリーの妻となる。

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