ウォール街の女将
解説
ジークフェルド・フォリーズにその名を知られているエディ・キャンターの原作からウィラード・マックが脚色し、台詞を執筆したものに基づいて「俺は渡り鳥」「ホリウッド・レビュー」のチャールズ・ライズナーが監督したものである。「スポーツ王国」のポリー・モーラン、「ホリウッド・レビュー」のルイズ・ドレッサーが主演し、「エロチック艦隊」のアニタ・ペイジ、「クリスティナ」のチャールズ・モートン、トーマス・コンリン、ダグラス・ヘイグその他が助演。「キートンのエキストラ」「スポーツ王国」のレナード・スミスが撮影を担当している。
1930年製作/アメリカ
原題または英題:Caught Short
ストーリー
ジョーンズ夫人には1人の娘があってその名をジェネヴィーヴ。またスミス夫人には1人の息子があってその名をウィリアムという。この2組の母子がニューヨークのさる場末でお互いに向かい合って下宿屋を営んでいる。2人は仲が悪い。それはあながち商売敵という点ばかりからではなく、スミス夫人がなかなか理財の道に長けていてときどき株式なぞに手を出して儲ける。一方ジョーンズ夫人は賭け事の好きな良人にこりごりして投機が大嫌い。そこで2人の意見は決して一致しない。ところが、よくしたもので娘のジェネヴィーヴと息子のウィリアムとが意気投合してこれは恋仲である。双方の母親はこれを喜ばない形勢不穏である。折からスミス夫人はアメリカ・チース株で大儲けをして堂々その成金振りを発揮すべくウィリアムを連れて流行の避暑地へ出掛ける。ジョーンズ夫人は悔やしくてたまらない。遂に自分も慣れない株式に手を出したが、これまがチース株の暴騰で大儲け、負けるもんかとこれも娘のジェネヴィーヴを連れて避暑地へ乗り込みスミス家に対陣する。こうなるとますますお互いに意地を張って両家の国交はまさに断絶、恋仲の娘と息子までも敵対してウィリアムはジェネヴィーヴへの面当てに当時売出しの美しい舞台女優と結婚することを発表した。結婚式の当日騒々しい号外の鈴の音がウォール街株式大暴落を告げた。もはや相手にとって不足と知った女優はウィリアムを捨ててサッサと逃げてしまった。もとのもくあみに返った夫人たちはお互いの同情から急に親密さを増す。ウィリアムとジェネヴィーヴとの間に平和が克復されたことはもちろんである。
スタッフ・キャスト
- 監督
- チャールズ・F・ライスナー
- 脚色
- ウィラード・マック
- 原作
- エディ・カンター
- 台詞
- ウィラード・マック
- 撮影
- レナード・スミス
- 編集
- ジョージ・ハイブリー