暗黒王マルコ

解説

「最後のギャング」「俺が法律だ」のエドワード・G・ロビンソンが主演する映画で、デーモン・ラニョンとハワード・リンゼイ合作の舞台劇に基いて「作家と御婦人」に協力したアール・ボールドウィンがジョセフ・シュランクと脚色、「潜水艦D1号」「作家と御婦人」のロイド・ベーコンが監督した。撮影は「流行の女王」「母の素顔」のシド・ヒコックス。助演者は「倒れるまで」「札つき女」のジェーン・ブライヤン、「デッド・エンド」「躍り込み花嫁」のアレン・ジェンキンス、「スタアと選手」のルース・ドネリー、「夜間裁判」のジョン・ライテル、「最後のギャング」のエドワード・ブロフィー、新人のウィラード・パーカー、「愉快なリズム」のジョージ・E・ストーン、「証人席」のポール・ハーヴェイ、「デッド・エンド」のボビー・ジョーダンなど。

1938年製作/アメリカ
原題または英題:A Slight Case of Murder

ストーリー

禁酒令が廃止になった時、ビール密造の大親分レミー・マルコ(エドワード・G・ロビンソン)は、今後天下晴れての醸造家になれるというので、子分たちを集めて訓示をした。彼らは今後セールスマンになるのだから、毎日顔を剃り綺麗なシャツを着なくてはいけない、というのである。ところが、マルコは未だ一度も自分のところで作ったビールを飲んだことがない。また彼に向ってそれが如何に不味いかを話せばどんな目に逢うかも知れないので、それほどの勇気を持った男はいなかった。だから禁酒法が解かれて良い酒が飲めるようになれば、誰もマルコのビールを飲もうというものはいない。間もなく彼は密造でしこたま儲けた財産もすってしまい、毎日借金取りに追いかけられている。債権者の方ではビールの製法を改めれば儲かることを知っているから、彼の工場を手に入れようとしている。マルコの娘メリー(ジェーン・ブライヤン)は金持ちの息子ディック(ウィラード・パーカー)と恋に落ちたが、彼が就職するまでは結婚しないというので、ディックは懸命に仕事を探し、とうとう交通巡査になる。しかし警官嫌いのマルコは、この結婚を許さない。ディックの家族もこの結婚には反対なので、2人の味方はマルコの妻ノラ(ルース・ドネリー)ひとりである。競馬のシーズンになると、マルコは例年のように家族や子分を連れてサラトガの別荘へ行った。そこには彼をやっつけるために仇同志のギャングたちが待っていたが、仲間喧嘩を始めて射ち合いとなる。マルコが着いてみると、ギャングの死体と彼らが競馬場から盗んで来た50万ドルの現金があった。彼は後を追って来た債権者の前でその金を数え、債権者も、約束手形の期限を延長すると云って立去る。その後でマルコは初めて自分のビールを飲み、余りにも不味いのに驚き、商売不振の原因をやっと知ったのだった。メリーの後を追って来たディックは、生き残ったギャングの仲間がいる2階へ恐る恐る上り、ケガの巧妙で彼らを倒す。そしてマルコもとうとう娘とディックの結婚を、許すのだった。

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