アルゼンチン情話
解説
ヴィセンテ・ブラスコ・イバネス原作の小説をジョン・ラッセルが脚本化し、ジェラルド・C・ダフィーが脚色したものを「兵営に咲く花」「焔の女」等と同じくアラン・ドワンが監督。主役は「天国の罪人」「戦友の妻」のビービー・ダニエルスで、「焔の女」のリカルド・コルテスと「琴線の響」のジェームズ・レニーが助演している。
1924年製作/アメリカ
原題または英題:Argentine Love
ストーリー
アルゼンチンの大葡萄園主ファン・マルチン(リカルド・コルテス)は、アルコルタの市長エマニエル・ガルシアに財政上の援助をした報酬に、娘コンスエロ(ビービー・ダニエルス)を妻とする約束をする。ところが合衆国で教育を終えた当のコンスエロは、若いアメリカ人フィリップ・シーアス(ジェームズ・レニー)と恋仲になり、同じ船で帰ってきた。コンスエロの学資はもちろん、衣類などもすべてはマルチンが世話したもので、彼女はマルチン家に入嫁しなければならないと説きつけられる。しかし現代的教育を受けたコンスエロはそれに反発し、乳母ラ・モスカが住む別荘へ行く。街のお祭りの晩、コンスエロはマルチンからタンゴに誘われたが、彼女は若いアルゼンチン人ラファエルに馴々しくしたため、マルチンとの間に争いが起こりラファエルは殺される。争いの元であるコンスエロは、人々から非難を被った。ラファエルの父は多くの役人と共に街に来て、マルチンの処刑を主張する。コンスエロの恋の仇は街の人々を扇動し、妖婦と呼んで彼女を死刑にしようとするが、そこをフィリップが救った。コンスエロの傷が癒え、フィリップに愛を告白しようとした時、そこにマルチンが現われる。事実を言えばフィリップが殺されると思い、コンスエロは自分が愛しているのはマルチンだ、と告げる。フィリップは、せめて愛し合うふたりを助けようと、マルチンと衣を替え、ふたりを逃がす。マルチンは喜びコンスエロに結婚を迫るが、そのとき遂にコンスエロは、本当に愛しているのはフィリップだ、と本心を打ち明ける。フィリップの行いに感じ入ったマルチンは、当局に自首する。そしてコンスエロとフィリップの幸福せを祈って、潔く銃刑を受けるのだった。
スタッフ・キャスト
- 監督
- アラン・ドワン
- 脚本
- ジョン・ラッセル
- 脚色
- ジェラルド・C・ダフィー
- 原作
- ヴィセンテ・ブラスコ・イバネス
- 製作
- アラン・ドワン
- 撮影
- J・ロイ・ハント