アイスクリーム娘
解説
「南国の河歌」「キャラバン」のジーン・パーカーが主演する映画で、B.G.デシルヴァとデヴィッド・バトラーが共同して書き下ろし、「紐育・ハリウッド」のエドガー・アレン・ウルフとフローレンス・ライアソンが協力して脚色し、「輝く瞳」「ハリウッド征服」のデヴィッド・バトラーが監督に当たった。助演者は「輝く瞳」「紐育の口笛」のジェームズ・ダンを始め、「メリイ・ウイドウ(1934)」「魔の超特急」のユーナ・マーケル、「奇傑パンチョ」「私のダイナ」のスチュアート・アーウィン、ウィラード・ロバートソン、サミュエル・S・ハインズ等で、撮影は「奇傑パンチョ」「男の世界」のジェームズ・ウォン・ホウの担当である。
1934年製作/アメリカ
原題または英題:Have a Heart
ストーリー
サリーは足をくじいて片足が不具となり不格好な靴を履かなければならなくなった。そのために彼女と結婚する筈だったジョウに愛想を尽かされてしまい、若い身空をアパートの部屋に閉じ籠もって人形を作って生計を立てていた。彼女は窓から毎日「なかよし」アイスクリーム屋のジミイと挨拶していたが、彼は明朗な愛嬌と商売熱心さで、受持ち区域での人気者たるばかりでなく、いつかサリーの心をも捕らえていた。そしてある日ジミイはサリーをドライヴに行こうと誘った。サリーは足を見られるのを恥じて承知しなかったが、彼女の親友のマニキュアガール、ジョーンが無理に承知させた。ジョーンはサリーにゴムの雨靴を履かせて不格好な靴を誤魔化させたのであった。しかし、彼女の足が悪いことは翌日ジミイに知られてしまった。ジミイはサリーの気質の優しさを愛していたのでサリーの足は2人のロマンスを害しはしなかった。ところが2人がドライヴに出掛けた晩、アイスクリーム工場に盗賊が入り4百ドルの現金が盗まれた。そして夜番は会社の自動車をこっそり返しにきたジミイの姿を認めて彼を盗賊と申し立てた。このために総支配人ショーバーはジミイに返金せねば告訴すると申し渡した。覚えのないジミイは平気で拘引されたが、サリーは彼を助けたい一心から足の手術料として貯蓄した4百ドルをショーバーに渡してジミイの釈放を頼んだ。ジミーは事の次第を知るや、サリーのお節介のために自分の嫌疑が晴れないことを怒り、彼女と絶交して貨物船の火夫となった。その後ジョーンの恋人のガスの怪我の功名でアイスクリーム工場の盗賊は捕らえられた。またサリーも欧州の名医の手術で足は完全に治った。ジミイの貨物船が紐育に帰った時ガスはショーバーと共にジミイを迎えた。ジミイはアイスクリーム会社に復職栄進したのである。そしてサリーが手術料を彼のために犠牲にした事を知って感激したジミイは彼女に謝罪して改めて結婚を申し込んだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- デビッド・バトラー
- 脚本
- フローレンス・ライアソン
- エドガー・アレン・ウルフ
- 原作
- バディ・G・デシルバ
- デビッド・バトラー
- 製作
- ジョン・W・コンシダイン・Jr.
- 撮影
- ジェームズ・ウォン・ホウ
- 美術
- セドリック・ギボンズ
- 編集
- ベン・ルイス