「昔ながらのアメリカ映画ですが・・・。」42 世界を変えた男 bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
昔ながらのアメリカ映画ですが・・・。
結末部分に不満が残りました。アメリカ映画特有の成功譚として終わっていたことに不満が残りました。ジャイアンツへのトレードを拒否して、自ら引退したことや、晩年は失明状態であったことなど、この作品では、一切、触れていませんでした。個人的には、当時のコミッショナーであったハッピー・チャンドラーがロビンソンの大リーグ参加に不快感を示し、監督のレオ・ドローチャ―が首になった経緯をもっと詳しく描いてもらいたかったです。コミッショナーからして、こういう考えを持っていたのでは、「カラ―ライン」を破るのが、いかに困難なものであるのか、ということをもっと丁寧に描いてもらいたかったです。特筆すべきは、ブランチ・リッキ―を演じたハリソン・フォード。「ゴッドファーザー」でドン・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドさながらの徹底した役作りで臨んでいました。ハリソン・フォードがこれほどの役者であるとは、知りませんでした。また、終盤、パイレーツとの試合で、Ralph Kiner(ラルフ・カイナー)のことをキナ―と訳していましたが、当時のパイレーツにキナ―なる選手は在籍していない筈です。カイナーは七年連続でナ・リーグの本塁打王になり、殿堂入りも果たし、その背番号「4」はパイレーツの欠番にもなっています。なんとも恥ずかしい誤訳ですね。松浦美奈さん、もう少し、勉強しましょう。
尚、ロビンソンを演じた俳優は、ロビンソンと云うよりは、その後、大リーグにデビューする万能選手、ウィリー・メイズによく似ていました。
ともあれ、野球、特に、大リーグに関心のある方は必見の映画です。史実の考証は厳密を極めています。
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