「ある愛の物語」愛、アムール KIKUCHIYOさんの映画レビュー(感想・評価)
ある愛の物語
クリックして本文を読む
ジョルジュとアンヌの愛の物語。平穏な老夫婦に病魔が襲い、老老介護の夫婦になる。きっと、現実を見据えれば、悲壮感に包まれた作品になる。しかし、この作品では、最後に輝く二人だけの愛の世界を描いていく。子供も、友達もいない二人だけの世界。当然辛いことが全くないわけではないが、二人は幸せそうに映る。
二人の名優、シャン・ルイ・トランティニャンとエマニュエル・リバの演技が秀逸。撮影は、パリのアパートメントのみ、そこでアップを多用した撮影で、まるで二人を見守る、もう一人の家族のような錯覚を起こす。一つ一つの動作が、丁寧に細やかに描かれ、二人の積み重ねられた長い人生の思い出が刻まれていくような気がしてくる。
小品だが、忘れられない作品になりそうだ。
コメントする