「3.6」愛、アムール onakaさんの映画レビュー(感想・評価)
3.6
非常に悲しく美しい愛の物語。こういう映画を観たあとは本当に寂しい気持ちになるから、寝る前に観たい。
映画の冒頭に最後のシーンが流れて、とんでもないネタバレだな、と思ったけれど、その後オチが読めていても十分満足できた。ネタバレしていても観ごたえのある映画こそ、本物だと思う。
フランス映画の良さもたくさんあった。独特の間が気持ちを落ち着かせたり、不安にさせたりする。最後の静かなままエンドロールになり、そのまま終わるのはなんとも言えないしっとりした感じだった。
突然病気になり日に日に悪化していく妻を夫が介護する、老老介護の話。
でもこの映画は老老介護がテーマではなく、愛(アムール)がテーマ。
この映画で扱い愛はとても悲しいものだった。美しいか美しくないで意見が割れるだろうけど、ぼくは美しい愛だと思った。
人間には生きる権利がある。よって死ぬ権利もある。だから苦しみ続けるより死を選ぶのは良く分かる。それを否定して権利を奪うのは周りの人間のエゴだとぼくは思っていた。だから延命治療なんてものは全く賛成できなかった。(病気や事故は別)老化による死から逃げるのは醜いものだと思っていた。
その考え方をもう一度考えさせられた。ただ1つ言えるのは、人間には生きる義務はないということ。
コメントする