ストロベリーナイトのレビュー・感想・評価
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演出面でも劇場化に相応しい絵作りをしているものの、「隠蔽ネタ」というのがフジテレビらしいワンパターン!
さすが「キサラギ」の佐藤祐市監督なだけに、テレビドラマの映画化にあたり違いを出そうと拘っていました。例えば結構残酷でリアルな殺害シーンと死体の描写だったり、全編の殆どが雨の設定を武器にした、カラフルな傘の動きから、その場面の登場人物の気持ちを代弁させたり、映画ならではの叙情ある絵作りを作り込んでいたのです。 さらに捜査会議で露呈する警察内部の矛盾、内部対立の描き方は、『アウトレイジ』に迫る緊迫したぶつかり合いを見せてくれました。 そうしたこだわりにより、テレビドラマにありがちな薄っぺらさは払拭できていると思います。 けれども作品の企画レベルで再検討した場合、どうもフジテレビの刑事ドラマは警察による隠蔽工作というネタがワンパターンになっているキライがあると思います。本作でもし姫川が事件は「現場で落ちている」といって、単独捜査に乗り込んでいったら、もうこれは例の超有名刑事ドラマの焼き直しであることが明確になったことでしょう。ただ姫川の置かれた立場はもっと過酷で、事件の全てを隠蔽しようとする上層部の圧力は凄まじく、姫川の信頼する直属の上司すら、それに逆らえないという状況なのです。周りに迷惑をかけられないと、捜査会議にも出ないで単独でホンボシを追う菊川は、どんな刑事ドラマよりも孤独な立場に追い込まれていたのです。 本作のテーマは、家族を理不尽に殺されたもの同志が、こころの傷を分かち合う絆が、事件を起こし、ヤクザと刑事が立場の違いを超えて繋いでしまうところにあったはずです。 これがテレビ朝日作品だったら、もっと登場人物たちの、心の傷にスポットをあてて止むに止まれぬ感情をえぐり出したことでしょう。でもフジテレビの方針は、あくまで警察の隠蔽工作のほうに重点が置かれてしまい、心の傷のインパクトが弱くなってしまったと感じました。 だから孤独な操作を続ける姫川に接近する龍崎組幹部であり、捜査の過程で有力な容疑者となってゆく牧田と肉体関係まで発展してまう流れが唐突に感じられてしまったのです。 牧田と密会していることは、捜査会議で対立する組対四課のスタッフもすぐ掴んでしまい、菊川を追及しようとします。 捜査会議を無断で欠席して、マルタイと密会していたとなると、『相棒』なら確実に監査官のお出ましとなり、査問が始まることでしょう。しかし本作は最後まで姫川は現場に残れるのでした。 上層部の隠蔽工作の判断にも、無理があると思います。9年前の捜査ミスをもみ消すために次々に起こる連続犯殺人事件を龍崎組内部の抗争事件として処理しようとします。そのために泳がされてしまう犯人のために、犯罪が拡大してしまったのに、それでも隠蔽の上に隠蔽を重ねようとするのです。そんな異常な判断に、中間管理職の刑事たちは必死で耐えようとし、姫川の動きの封じ込めにかかるのです。しかしものには限度があり、現に殺人が連鎖して発生している状況であれば、まともな刑事魂を持っているベテランなら、ホンボシを隠蔽できるはずがありません。逆に上層部に反旗を翻して姫川に協力してしまうのが自然な流れでしょう。それを耐えてしまうところが疑問なのですね。 姫川と牧田が初めて出会うシーンでの、一本の傘の貸し借りにも、お互いの複雑な気持ちが込められているなど、一つ一つの場面の動きに丁寧な理由付けが為されているのが観客にも伝わってきます。そんな佐藤監督の奮闘も、企画段階で原作をどう切り詰めるかというプロデューサーの大枠の方針が打ち消してしまっているように思えてなりません。『相棒』や『臨場』が真犯人を単に断罪するのでなく、その犯行動機に深い余韻を持たせています。そんな余韻が感じられないのは、ワンパターンな背景を選択したフジテレビの問題ではないでしょうか。 それにしても、本作で男勝りの捜査官姫川は魅力的なキャラで、竹内結子は好演していると思います。ラスト近くの雨に濡れるイメージショットで、姫川の心境の変化をほのめかすエモーショナルな演技は、こころにグッときました。 ただやっぱり竹内結子はどんな作品でも清純派を貫いてしまうのですね。やっぱりあの濡れ場は、フルヌードで大沢たかおと絡んで欲しかったです。激しい絡みであるほどに、姫川と牧田が共に背負ってきた傷の深さが、もっと強く印象づけられたことでしょう。
十分に見ごたえのある映画
TVシリーズを見ていたので、絶対見たい作品でした。姫川班が十分に発揮できない状況で、上層部の圧力の中、姫川は絶対捜査を諦めない。ハンサムウーマンですね。そうそうたる豪華出演者の中、姫川と菊田と牧田が中心に物語は進む。恋人にするなら牧田・夫にするなら菊田ですね。最後にすべて明らかになりますが、私は最後のシーンで姫川が菊田に言うせりふ(菊田ごめん)が良いと思います。菊田のファンですから。でもこのせりふを言わせるシナリオライターは女の人かなと思ったら、龍居さんでしたね。
ドラマを見ていなくても楽しめます。
原作とほんの少し違うけど気にならなかったです。 原作者の方が頻繁に現場にいかれていたそうなので、原作の雰囲気を壊さずにしてくれているのは嬉しいです。 ですが、今回は姫川と牧田の話なので、姫川班が好きな人には物足りないかも。 でも菊田にはやっぱりキュンキュンします。 ずっと雨の話はテレビではできないのし、音もよかった。主題歌がない点もこの映画にはあってる。 だから好き。
かっこいい(^.^)!
ドラマは全部見ていて面白かったので、 映画化とても楽しみにしていました(^.^)! 竹内結子さんは相変わらず凄くかっこよかった、、、 ただ、ドラマを見ていないと繋がらないところが多々あります。 西島さん、大沢さんももの凄くかっこよかったです笑 あと、少しグロい?シーンがあり私は時々目を覆ってしまいました(;_;) 苦手な人はちょっと厳しいかもしれません。 続編出てほしいです。
切ない!
牧田が加わることによって、姫川の心の闇の深い部分や菊田の恋心を抑えきれない部分がドラマ以上に演出され、今までの作品より全員が前に進んでいる、成長している姿を見ることができた! 菊田派の私としては切なくて仕方なかったけど(笑) 姫川班最後の事件と銘打っている通り、最後に相応しい内容であったと思います。
ドラマがはまったなら楽しめます
話の内容がしっかりしているので楽しく見られます。 スタイリッシュな演出も健在です。 ストロベリーナイトのような映像表現はやっぱり個人的にツボですね。 最後にちょっと切ないシーンで余韻を残すあたりが憎いです。 現段階で発表されている原作も確かこれが最後だったはずですので、続編がどうなるかはまだ分かりませんが、ぜひ見てみたいです。
菊田ぁぁぁ。・°°・(>_<)・°°・。
インビジブルレインって、菊田の涙? 菊田が…菊田が可哀想…可哀想だょーーー 不憫で不憫で不憫でならないーーー 展開は原作と違いますね。 玲子と牧田の関係はね、映画の方がよいって思うんです。 今回の玲子は“女”だったから?それも闇をシンクロ出来る相手が居たから?夜叉の様に美しい。 でも何故菊田に見せつけるのか。 菊田‼ 私は菊田の方が好きだよ‼うぇーん‼ 他の方が沢山大沢=牧田を褒めていらっしゃるので、私はあえて 金子賢さんと染谷将太さんがイメージ通りで素晴らしい、とお伝えしたいと思います。 姫川班の復活を切に願ってやみません。 みんな、大好きだよ‼
雨は止まない。
温厚さと野性味を併せ持ち凄みを発散する大沢たかおの存在感と、 凛々しさ強さと弱さを人間的魅力で体現する竹内結子の対峙。 これが迫真の見応え。 個性派揃いの群像劇であり渋くてビターな刑事ドラマ。 社会の暗部がもたらす人間の闇に嘆息。 たとえ束の間だとしても、 せめて締めは笑顔で終わってほしかった。 雨降って地固まるとはいかずスッキリしない・・・。 切ない。 姫川玲子、姫川班の動きをもっと観たい。 これで完結と言わずまだ続いてほしい!
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