永遠の0のレビュー・感想・評価
全446件中、21~40件目を表示
欠点も多いが、国産戦争映画にしては見られる内容の映画。多分原作がいいためだな
日本は敗戦国のせいか、戦争映画は捻くれてるのが多くてだいたいつまらない。
本作もその悪影響下にあるが、割と見られる。おそらく原作が優れているため。
あと主役の演技がうまいのもある。
音楽はいかにもお涙頂戴の安っぽさで幻滅。ラストのサザン曲なんか陳腐すぎて話にならない。
映画としては中だるみもある。もう少し脚本なんとかならなかったんかこれ。
ただエンディングはいい。終わるならあそこだよねと思う時点で終わる。あそこで最後まで見せちゃダメだわな。それを見せなかったのがいい。あの孤独なコックピットでの岡田准一の演技がいいのもポイントを稼いだ。
あと普通にcgが凄い。ゼロ戦というと昔からt2テキサンの偽ゼロ戦しか登場しなかったが、本作のゼロ戦は見事に再現されてるし、ウェザリングだの動作だのも完璧。おそらく考証担当がとてつもなく優れている。
反英雄的英雄
著作はこの作家の代名詞だが論壇のほうが目立つ人でさいきん(2023/10)は新党を立ち上げたことでふたたび界隈を賑わせている。
宮部久蔵(岡田准一)について孫の姉弟(三浦春馬と吹石一恵)が存命者に取材し体験が語られることで話が進んでいく。
老俳優たちが若年時を回顧していくが、主たる証言者は4人。
夏八木勲と染谷将太、橋爪功と濱田岳、山本學と三浦貴大、田中泯と新井浩文──の組み合わせで現在と戦時が交互に描かれた。
映画は宮部vs愚かなその他大勢という構図で、言うなれば宮部のキャラクターを際立たせるためにまわりをあるていどばかに描いているという感じ。登場人物のなかで冷静なのは宮部だけであり上官も門生もみんな浅はかだ。
当時軍は精神論にかまけて敗戦を言い出すことができないまま、惰性で若者らを無益な特攻に送り込んでいたのであり、その渦中にいて日毎門生の特攻を見取る宮部の精神が崩壊していったのは無理からぬ話だった。
孫の姉弟は取材当初悪評にしか遭わず消沈していたが4人の証言者が名誉を挽回していくかたちで映画も発揚し、終始壮麗なストリングで山場も多かった。
あるていどの単純さ(たとえば健太郎(三浦春馬)が合コンに参加したときの“軽薄なイマドキな若者”の描写とか)はあり、たった一人のまっとうな人間性をもった男という(ような)強コントラストではあったが熱い頌歌になっていた。
岡田准一がかっこよかった。
日本はアメリカと違い戦争を雄々しいヒロイズムで描かない。それは民族性の違いでもあろうし敗戦国だからかもしれないし侵攻したアジア諸国に気をつかわなければいけないから──というのもあろう。が、個人的には日本軍が敵をやっつけるたとえば坂井三郎が敵機をばんばん撃ち落とすような姿をエンタメで描いたものがあっていいと思う。それが国を愛することにつながるからだ。たとえばわたしはアメリカ映画パールハーバーをひでえよ日本軍と思いながらアメリカ側に立脚して見たのである。エンタメとはそういうものだからだ。
しかしこの映画の岡田准一はある種ヒロイックだった。悲壮な状況を描いているからヒーローと言ってしまうのは不謹慎だが万感迫るものがあった。
取材を終えクライマックス、走馬灯風の回想がある。
主要人物を台詞とともにひとりづつパンしたあと、健太郎の眼前に宮部の零戦が飛来する。コクピットには敬礼する穏やかな表情の宮部。そのまま空母へつっこんでいく。海面すれすれに飛んでいく色あせたぼろぼろの零式艦上戦闘機21型。空母からの一斉掃射がぜんぜん当たらない。いいぞ行けぇ。
思わず叫びそうになった。
作家のPatriotismな意図にもかかわらず太平洋戦争や軍はわたしたち日本人を愚かしいと思わせてしまうところがある。とくに末期はぐだぐだだった。
ただし戦わざるをえなかったという前提がある。愚かしい戦争でも、統率を欠いていたとしても、結果的に悲惨なことになったとはいえ、戦わないという選択はできない話だった。
もし戦わなければ今のアジア人の地位はなかった。この惑星で白人と戦った有色人種はそうそういない。もし戦わなかったら白人の広域支配主義は今なお終わっていなかっただろう。
これは右傾論者が陶酔するための文脈でしばしば使われる仮定だが、本当にそう思う。
すなわちどうにもならない運命を背負ってもがき苦しみ、矛盾をかかえたまま穏やかに特攻せざるをえなかった宮部久蔵は日本そのものだった。
原爆を落とされたし戦後はカオスだったし今後ずっとアジア諸国から恨まれるし、あらゆる貧乏くじを引き受けたが、日本にとってやらざるを得ない戦争だった。
永遠の0はそういう煩雑な事情をすべて抱え込んだ日本=宮部久蔵を称えるドラマだった。
宮部は戦争映画のヒーロー像とはすべてが食い違う。作戦は成就せず上官にブン殴られ願いも叶わず家族に会えないまま死んでいく。
それでも英雄的なのは穏やかな表情と敬礼に運命を受け容れた者の達観があらわれていたから、ではなかろうか
日本人は彼の達観を知っている。その英霊を敬うという気持ちがあるからこそ永遠の0は空前のベストセラーになったわけだった。
個人的に「日本は素晴らしい国だ」というアジプロが好きじゃない。日本にも悪い人が大勢いる。日常でもニュースでも変なことばかりおこる。けっして素晴らしい国ではない。
だが日本の恩恵にあずかり愛着をもっている。愛国心というと負担が重いが“愛着心”なら「はいあります」といえる。
ところが日本には日本に住みその恩恵にあずかっているにもかかわらず日本に対して日本の不利益になるような罵詈雑言をわめき散らし続ける人や勢力がある。
根本的に反日を言うならこの国から出ていくのが筋だ。
永遠の0の未曾有のベストセラーは世のパヨク的な事象への反発でもあった──と個人的にはみている。ほとんど日常習慣的に日本人は日本を下げすぎなのだ。他国には自国を酷い国だと卑下したり面罵する個人や団体がいない。いや、いないかどうか知らないが、少なくとも多数派ではない。が、日本はそういう手合いだらけなのだ。
──
宮部役岡田准一のほかでは、ふてぶてしく凶猛な感じの新井浩文がよかった。老年期は田中泯。日本刀の伏線がうまく回収されていい脚本だった。
孫のふたりを演じたうち姉は結婚して見なくなったが弟は本当にしんでしまった。あの若さであの立派な体躯であの端正な顔立ちで。・・・。なぜしななきゃならなかったのだろう。まったくわからない。陰謀論は信じないが陰謀でなければなんなん──という不透明が芸能界にはある。
今、永遠の0を見ると彼の死と宮部久蔵の「そのとき日本はどんな国になっているんでしょうねえ」という台詞がいやがうえにも重なりずしんとくる得体のしれない感覚がある。意図せずして岡田准一が三浦春馬にむかって敬礼するシーンがなんともいえない哀慕をともなってしまっていた。
──
山崎貴監督をみると映画監督たるもの理系が合理だと思う。といって監督が理系なのか知らないが理系的こだわりが映画には必要だと感じる。その反意語は“文系的お気持ち”であり「がんばってつくった」みたいな精神論も文系的お気持ちに含まれる。
こないだ所用で長野県松本市へ行った折松本美術館で山崎貴の世界という企画展をやっていたので見た。展示の最後に監督の出発点となった伊丹十三の大病人の絵コンテがあった。VFXの第一人者でアニメもやるので理系的と言ったのだがアイデアと脚本も構築する多能タイプだとあらためて思った。ふつうはどっちかがおざなりになるものだが山崎貴監督のばあいVFXのクオリティが高いだけでなく脚本に実がある。
映画製作の動機が承認欲ではなく、日本映画界(昭和ポルノ)に属しておらず、独自な来歴がある。かんがみるに絵コンテや模型やセル画や仮装衣装やミニチュアなどさまざまな撮影用造形物の企画展が成り立つ映画監督なんて山崎貴とか庵野秀明とか押井守とかごく僅かしかいないのではなかろうか。デジタル処理とアナログな心意気が両立するめずらしい監督だと思う。
誤解から正解へ、軽蔑から尊敬へ、憎しみから愛へ
生きてこそ
第二次世界大戦後60年以上の時が流れ、当時の記憶を持つ人が
稀少となりつつある現在。(本編公開は2013年)孫世代が生存者に
当時のことを語ってもらう現代と、回想シーンとで構成される。
主人公がなぜ生きることに強く執着したのか、それを戦争という
理不尽極まりない出来事を通して描かれている。原作がしっかりして
いるのだろう、話の構成が上手く、現代の場面と回想場面が違和感
なく繋がって感じられた。
琴線に触れる場面があって何度か涙腺が崩壊した。特に井上真央が
出演している回想シーンが印象的だった。終戦後の生活ってあんな風
だったんだろう、日本にはああいう境遇の人がたくさんいただろうと
胸が締め付けられる思いがした。松乃(凄腕のパイロット宮部久蔵の
妻)が一度は希望を失いながらも再び人生の喜びを見いだしていく
過程が丁寧に描かれていて心に残った。
ベテランから若手まで出演者はみんな良かった。
風吹ジュンは自分が思春期の頃憧れのお姉さん的存在だった。
その彼女が経験を重ねて現在も年相応の役を演じているのが嬉しい。
心の美しさ、優しさを感じられる魅力は衰えない。
近い将来、戦争体験を直接語ってくれる人はいなくなる。しかし
戦争がいかに理不尽でむごたらしいものかは後世に引き継いで
教えなければならない。そして、語り継ぐのは今を生きる人間の
使命でもある。この映画は架空の物語であっても随所に歴史的事実を
織り交ぜているし、映像の再現性も高い。貴重な資料と成り得るの
ではないか。
ドリパス(会員のリクエストにより劇場での復活上映が決定)にて
2023年6月鑑賞。約10年ぶりとなる。主な出演者でこの10年の間に
人生の節目を迎えた人もいる。結婚した人、実刑判決を受けた人、
故人となった人。病死は不可抗力だが若くしてこの世を去った
三浦春馬氏の場合はどうなんだろう?自殺とされているが本当なのか?
もし精神的に追い込まれていたとしても自殺は生命に対する冒涜で
罪深いこと。事実関係が分からないので何とも言えないがこの映画が
描いていたように生きることへの執着はなかったのか?が気になる。
役に真摯に向き合う姿勢が評価され、ファンからも愛されていたの
だから人々を失望させて欲しくなかった。
エンディングテーマ曲はサザンオールスターズの「蛍」。
余韻に浸れる終わり方だった。
戦争を知れる良作
おもしろかつたなあ〜 さすが、山崎監督、田中民さんが、三浦春馬を抱...
おもしろかつたなあ〜
さすが、山崎監督、田中民さんが、三浦春馬を抱きしめるところなんか、何回見ても、涙する!生き残った者の定めみたいなものを感じられる!生きることと、死ぬことは、背中あわせなんだと、あらためて、思った!
「海軍一の臆病者」と呼ばれた祖父の真の姿とは。 孫たちが当時の状況...
伝えようと思うと良い映画は出来ない
まず戦争というテーマなんですが、これは鉄板で泣かせられるので僕のハードルは高めに設定されますね。
原作を読んでいないのですが、ずいぶんはしょっている部分が多いのでしょう。やはり伝わってくるものが少ないように感じました。
ずっと死ぬことを拒んできた主人公が、特攻を志願した理由もいまいち説得力にかけてしまっていますね。これだけ売れた小説ですから、原作の内容はもっと深いはずです。
最後の演出は何でしょうか。岡田君が零戦に乗って現代に現れますね。あれはいらないでしょう。最後に笑かしにいくのはいただけません。
何か伝えよう伝えようとする気持ちが強くなり過ぎてしまった感じがします。良い映画っていうのは自然と伝わるものですから。百田さんの今後の作品の映画化に期待したいですね。
2022年の現在、戦後77年目です。 WW2の時代に生きていた方々...
左と見せかけて右
非常に完成度の高い作品でした
【音楽】
シリアスなシーンではひたすら同じ不協和音的な音楽を流していましたかね。それによってシーンの切替が素直でしたし、緊張感があって良かったです。
【映像】
過去から未来、空撮から空母まで、作り込みを感じました。若干空撮に力不足感がありました。光の当て方とか、もっと工夫できそうでした。空中感が弱かったです。
【演技】
過去映像は特に、時代劇テイストというか、舞台調のハキハキとした表情とセリフ回しでした。観る側としては老若男女問わず分かりやすくなる一方で、良くも悪くも作りモノ感が否めなかったです。
【脚本】
大日本帝国時代の体制に対して抗う主人公なので、あたかも戦争に対する反対姿勢があるように見せかけて、見終わった時には、命を掛けて祖国を守り抜いた先人の方への感謝へと誘導していたと感じました。つまり戦争賛歌となっています。
少し危ういかなあと思いました。
かなり議論のあるところですが若い世代は少し冷めた目でこの映画を見たのではないかと思います。
こういった映画は、是非高校の授業などで見せて欲しいです。そしていつの時代でも純粋な感想を持って欲しいと思います。
その後、ドラマ化されたけど構成もキャストも映画の方が断然良い。 原...
繋がる
ベストセラーが原作の場合、期待し過ぎて裏切られることが多いので、原作を読まず、本作情報も収集せず、極力、先入観を排除して鑑賞した。
本作は、太平洋戦争中、家族を守る為に生き残ることを貫こうとした凄腕のゼロ戦パイロット・宮部久蔵の半生を壮大なスケールで描いた感動作品である。設定は現代であり、孫が祖父である宮部の戦友を訪ね、戦友が語り部となり、最初は臆病者と揶揄された宮部の生き方が徐々に解き明かされていく。
戦友を語り部とすることで、戦友や孫が生きる現代の目線で、客観的に、戦争の不条理、宮部の生き方を捉えることができる。戦友の語りがそれぞれ小さなエピソードとなっていて、エピソードとエピソードが螺旋状につながって、我々を徐々に宮部の生き方の核心に導いてくれる。また、太平洋戦争を史実に基づき丁寧に描くことで、戦争の不条理と宮部の生き方が対比され、際立ってくる。戦争を通して、生きることの意味を真摯に問い掛けている。
宮部は主人公であるが、多くを語らず、彼の選択した生き方の背景、根拠は説明されない。我々は彼の行動の真意を映像表現から推測するしかない。想像するしかない。不親切とも思えるが、本来、映像表現で我々にメッセージを伝えるのが映画の醍醐味であり、余分な説明を排除したことが、却って作品に深みを与える結果になっている。
ラストシーン。人間の命、その生き方は仲間や家族を媒体にして永遠に受け継がれるという本作のメッセージが凝縮されていて、とても感動的であった。観終わって劇場内が明るくなっても暫く席を立つことができなかった。
永遠の0というタイトルが秀逸である。何故、零でもゼロでもなく0なのか疑問だったが、観終わって、0という数字は、命/生き方は永遠に繋がっていくものだということを示唆していると理解できた。戦争を知らない人達に是非観てもらいたい作品である。
【観るタイミングで異なる印象を頂いてしまう深イィ映画】
・2013年公開の日本の戦争ドラマxミステリー映画。
・司法試験に落ち続けて漠然と迷いながら生きていた佐伯健太郎が、ある日、自身の祖母が他界したことをきっかけに、血縁上の実の祖父が別にいることを知り、彼を知る人たちを訪ねて調べ始める。太平洋戦争でゼロ戦パイロットとして戦っていた実の祖父に対して「いつも逃げ回る臆病者」と嫌気をぶつける人もいれば「一番強い人」と尊敬する人もいる。追っていく中で、実の祖父は「家族を守るために自分は絶対に死なない」という信念をもって生きていたことがわかってくる。一方で、終戦直前には特攻隊として出撃して死んでしまった祖父。見えてくる祖父に対する様々な矛盾した情報から祖父が死んでしまうまでの真意を探っていく… という大枠ストーリー。
[お薦めのポイント]
・観るタイミングって大切…と実感。若かりし頃に観た時とは違う見え方で感動しました。
・ヒューマンドラマとミステリーとアクションがうまく融合されていました。
・「今、生きていることの幸せ」を素直に感じ、「丁寧に生きよう」と自戒が生まれました。
・答えの見えない「永遠の0」というタイトルに思考を巡らせる楽しさ。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
・観るタイミングって大切…と実感。若かりし頃に観た時とは違う見え方で感動しました。
∟若かりし頃に観た感想メモを見ると、「丁寧に生きなきゃ、とは思ったものの、感情を揺さぶられるほどの共感はあまりなかった。映画館で観なくてもよかったかも。なんというか、言いたいことは理解ができても、共感ができないイメージ。これは演出の問題なのか、物語の問題なのか、それすらイマイチわからない。現代と過去(太平洋戦争の時代)を行ったり来たりすることで、戦争時代の宮部さんに没頭できなかったことが原因かもしれない。」といった趣旨で記載がされていました。
∟今回改めて作品を観て、大筋、過去の自分に合意。笑 ただ、共感度合いは全然異なるなぁと感じました。守るもの(奥さんや子供など)がいる状態とそうでない状態による感じ方の違いかもしれません。もしかしたら、長く生きた分、感情経験が積み上げられたからなのかもしれません。いずれにしても、観るタイミングで異なる見え方のする、ある意味奥深い映画なのだと思いました。
∟現代と過去の行ったり来たり(対話形式)は、今でも「冷めてしまう要因」として響いてきました。しかし、宮部さんの真意や各種伏線を伏せつつ、物語をだらけさせない(過去の状況をかいつまんでテンポよく見せる)、ためには、観客が「冷静になる瞬間」を持たせてでも取り入れるべく明確な意図を持った現代と過去の対話形式、なのかもしれませんね。こればっかりは作り手でないのでわかりません笑 少なくともここに関して、過去に抱いたほどの違和感は感じずに最後まで楽しんで観ることができました。
・ヒューマンドラマとミステリーとアクションがうまく融合されていました。
∟青年 健太郎の目線で見る実の祖父宮部さんの素晴らしい信念や行動、家族を思う気持ち、それを取り囲む部下たち、特攻隊員となり散るまでの苦悩。その妻(健太郎の祖母)が宮部さん亡き後も必死に生きる姿。それらにしっかりと感動させていただきました。
∟そして、宮部さん(実の祖父)が「特攻隊員になり最後を迎える」までに張り巡らされた数々の伏線と、彼自身の真意、これがミステリー要素。音楽もそれっぽく、わかりやすい演出がされています。 ∟加えて。これだけドラマチックな内容ならアクションシーンは手を抜いてもよかろう…などと思っていましたが、かなり見応えのあるリアルな戦闘シーン。
∟これだけの見応えがあるのですから映画館で観たい作品です。かつて「映画館で観なくてもよかったかも」とつぶやいた過去の自分を恥じます笑
・「今、生きていることの幸せ」を素直に感じ、「丁寧に生きよう」と自戒が生まれました。
∟この映画を観て一番嬉しかったことは、素直に「生きていることがとても幸せ。だからもっと丁寧に生きよう」と思えた事です。ただ流れていく日常生活を目を見開くことなく、幸せをかみしめることなく雑に生きてしまってたなぁと自戒しました。。。
∟戦争映画を観れば大抵は「誰かの犠牲の上に私たちは生きている」と感じて「人生を大切にしよう」と思うのですが、この映画はより強くそう思わせてくれました。(もしかしたら、あまり良い印象を持てなかった「現代と過去の対話形式」は、終盤でそう思えわせるための仕掛け的に用意された素敵演出なのかもしません。)
・答えの見えない「永遠の0」というタイトルに思考を巡らせる楽しさ。
∟映画を観終わると、必ず皆さん「永遠の0って何?!」と考えると思います。そういう終わり方をしてくれます。そこで改めて考えるわけですが、それがなかなか面白い。過去の鑑賞時には、旅立ったゼロ戦で特攻隊として最後を迎えた宮部さんが帰ることのない状況、つまり永遠にゼロ戦にいる(=永遠のゼロ)、と思いました。しかし、以前とは見え方が若干変わった今回は、「物語をつなぐ」という意味も含まれている感じました。それは作中の以下のような台詞から、「国が続く」「物語をつなぐ」「幸せな国」「未来への希望」などのワードが想起されて、個人的な見解に至りました。
「この国がずっと続いていってほしい」
「そのとき日本はどんな国になっているんでしょうね」
「生き残った者がしなければならないことは、その死を無駄にしないこと。物語を続けなければならない」
「私たちだけが特別ではない。あの時代、そんなことが沢山あった」
∟宮部さんがゼロ戦に乗って自ら敵艦に突っ込むことを決心できたのは「永遠にこの国に幸せな未来が続きますようにという願い」を信じることができたから。そして実際に、健太郎という存在が、当時を生き残った方々の存在が、現在にある。そして、健太郎自身も祖父の物語を明らかにした結果、それをしっかりとつながなければ(≒人生を大切に生きなければ)という意思が芽生え始め、今までと変わらない日常なのに不思議と景色が変わる。そうやって、「ゼロ」戦で散った宮部さんの信念(物語)は「永遠」につながれていくであろう、という希望に満ちた結論に感じました。 ∟とはいえ、原作者さん製作者さんの真意はわかりません!笑 でもいいのかな、と。それを考察する行為そのものが楽しいですし、戦争反対!にもつながりますし、幸せに生きよう!という力にもなる。これが映画の持つ魅力そのものなのかもしれません。
・私自身も10年の時を超え、改めて鑑賞し、見えるものが異なる楽しさがありました。「面白いからもう一度観たい」ではありませんでしたが、過去の鑑賞で何か引っかかるものがあり、ふと、もう一度観ることになりました。これもまた、不思議な「つながり」なのかもしれませんね笑 改めて、映画は観る人によっても、その人の状況によっても見え方の変わる素敵な芸術だと体感させて頂けました。ありがとうございました。
#映画 #永遠の0 #永遠のゼロ #2013年 #戦争 #ヒューマンドラマ #ミステリー #山崎貴監督 #百田尚樹 #原作モノ #原作小説 #岡田准一 #三浦春馬 #井上真央 #吹石一恵 #風吹ジュン #二度観て面白い作品 #観るタイミングで異なる印象
#全体3.7 #物語3.7 #演出3.7 #演技3.7 #配役3.7 #映像3.7 #音楽3.7
全446件中、21~40件目を表示






