永遠の0のレビュー・感想・評価
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毒抜きした小林よしのりの『戦争論』
とにかくくどいです。
これでもかと常に垂れ流され続ける音楽は、「はい、ここは感動するところですよ~」とわざわざ説明してくる、もはやBGMを通り越してアナウンスを聞いているようでした。
演出もまたくどく、橋爪功が扮する戦争体験談を語る病床にある老人が「中隊長(主人公)、あなたのお孫さんがお見えになっていますよぉ!」とベッドの上で虚空を見つめながら絶叫するあたりから胃がもたれ始め、三浦春馬扮する宮部久蔵の孫が現代のビルの谷間を飛行するゼロ戦の幻覚を見るあたりになると、もう流石に噴飯ものです。蜂蜜にガムシロップをぶちまけるがごときその糖分過多の演出で一つだけ分かることは、我々は制作者にここまでやらないと感動もテーマも受け取れないような不感症だと思われているということでしょう。
果たして、戦争をメロドラマに落とし込んだこの映画は、戦争の悲惨さを訴え若者に反戦の心を育ませることができたのでしょうか?少なくともあるシーンを思い返す限りそれはないと思います。三浦春馬が大学の合コンの席で特攻隊を自爆テロだと揶揄する友人に憮然としながら「いや、特攻とテロは違うっしょ?」と反論するのですが、その発言の根底にあるのは「自分達には文脈が、物語があるがアイツ等にはそれがない」という、自分と敵対する立場への無理解です。他者の文脈を理解せず己が都合ばかりを前面に押し出す姿勢こそが、世の争いの火種の要因となっているはずなのに、イスラム諸国が欧米から受け続けた仕打ちと、現状打破の手段として自爆テロを行っているという彼らの文脈を、彼はまったく考慮していません。
そしてこの物語に寄せられる感涙の数々と同時に、感動できない人は可哀想だとか、素直に物語を受け止めようという人々からは先の大戦への反省などはみられるでしょうか。
ガダルカナル攻撃時、合理的にこの作戦が遂行不可能だと主張する宮部久蔵に対して同僚が殴り掛かりますが、あのシーンは知性よりも感情や精神論を優先し、滅多な事を言えばそれが実現してしまうと考えていたあの時代の日本の空気の象徴するものです。この映画を見て感動している人たちは、あの時代を何よりも先に情念で捉え、そしてその情に横槍を入れるものを排除しようとしています。そのあり方こそが、宮部に殴打をくれたものの正体であるにもかかわらず、彼らはそのことに全く無頓着なのです。
右だの左だのではなく、果てしないノンポリの涙の蓄積の彼方に何があるのか。結局何も変わっちゃいないんですよ、この国は。またやりますって。
様々な登場人物の視点から物語が浮き出される構成と、日本映画にしてはCGを頑張っていた(それでもCGだと分かって冷めるレベルですが)点を評価して星3つです。
え?5点??5点のわけがない
う〜ん。
「特攻」というテーマだけでみんな5点つけてるのかな?
(5点つけてる人は他にどんな映画観てるのかなと思ったらこの映画だけしかレビューしてない人がいっぱい)
ホントにこの映画ほめるとこありました?
そりゃ、「日本人なら知っておかなければいけない」とか「語り継がなければいけない」というのには納得だけど、そんなことこの映画観る前から日本人なら一般教養的に分かっていることでしょう?
映画としては説明過多な脚本とこれまた説明過多な演出&演技(特に現代のセクションの孫はヒドい)で完全に間延びしてしまう後半にはまさかのあくびで涙が出ました。
泣く姿勢で映画を観始めたので初めのうちはちょっとのことでうるっときたけど、次第にのめり込めなくなる困った映画です。
600ページの原作をよく映画の脚本にしたと原作者は言ってるけど、マシな脚本家ならこの映画1時間半で終われるようなきがします。
原作にない合コンシーンの脚色もステレオタイプで陳腐な人物描写。全く必要なかったです。(このシーンを原作者はほめているのでセンスを疑う)
監督自身も意識したというサスペンス的要素も、観客はとっくに謎は解けていて、スクリーンの中の登場人物だけ右往左往しているという滑稽さが観てられなかったです。
孫の妄想というもったいなさ過ぎるラストカットも納得いきませんでした。
違う監督でもう一度映画化してほしいです。
日本人の持つ愛
やっぱ右傾化なんですかね?
鑑賞後、色々考えさせられる映画
今生きていること。
不覚にも涙腺崩壊
本屋さんで映画の予告動画を見た時から「うっ!」っときました。
これはやばい。
今まで映画で泣いたことなかった私がまさか恥ずかしい姿を映画館でさらしてしまう。
もしあふれ出た心の汗をどうするか。
そうだ万が一の時のためにハンカチを持って行こう。
でも絶対に泣かない。泣きたくない。醜態を晒したくない。
そう決めて映画に臨みました。
そもそも邦画は面白く無いはず。
『はやぶさ 遥かなる帰還』の時だって最後に興冷めしたし...
今回も製作者側の自己満足だけで終わるんでしょう。
これで皆さん泣いてくださいよ。ってな感じの押し付けがましいお涙頂戴ではないかと。
それに予算もあまり無いんじゃないの?。
だからゼロ戦の戦闘シーンもわざとらしくって少ししか無いんでしょう。
そう思っていたんです。
しかし始まってみると...
全編を通して素晴らしいゼロ戦の戦闘シーンがありました。
最近の映像技術の進歩はめざましい。
まさに見ている自分もゼロ戦に乗っているかのような気分にさせられました。
操縦席の上から敵機が飛んでいるシーン。
操縦かんを辛く握るしか無い状況。
もう体が固まって呼吸するのも忘れていました。
今まで戦闘機が出てくる映画はいくつもあったのに
どうして『永遠の0』はこんなに引きつけられたのか?
考えてみました。
たぶんそれは実際にゼロ戦は実在して自分のすぐ近くのご先祖様が乗っていたからだと思います。
しかも「十死零生」。特攻は最初からまず助かりません。
さらに敵にダメージを与えることさえできない場合がほとんど。
こんな悲惨な現実が『永遠の0』を他のそのような戦闘機映画とはまったく違って
ものすごいリアリティを見ている日本人に感じることができたんだと思います。
これはぜひ映画館で見てください。
「今忙しいから後でレンタル開始した時に借りるよ。
自分の自由な時に見れるし、安いし、家でカールでも食べながら横になって見たいし。」
なんて考えている方もいるかもしれません。
そんな映画ではありません。
『永遠の0』は映画館で見ないと本当にもったいない映画です。
主人公の宮部久蔵を演じた岡田准一さんもすばらしかった。
話の展開が変わるごとに現れたその表情に主人公の心の中を鑑みることができました。
他の役者さんだったらこんなに素晴らしい作品にはならなかったでしょう。
でも最後のシーンでもうだめでした。恥ずかしいけど、涙がポロポロ出てきちゃった。
喋れない。喋ると泣き声になってしまう。
なので映画館に行くときはハンカチを忘れずにお持ちくださいませ。
“超”娯楽映画
祖父が2人いるということを唐突に伝えられたショックから、姉の誘いもあって、顔を知らないもう一人の祖父の経緯を探す。
やがて、その祖父が戦時中「臆病者」と呼ばれ、最終的に特攻隊に参加し亡くなったことを知る。
なぜ臆病者と呼ばれたのか、どういう経緯で特攻隊へ参加したのか・・・。
三丁目の夕日でVFXが評価された山崎貴監督が描く戦争映画が「永遠の0」だ。
原作は小説で、自分は未読。
なので映画が原作通りなのかどうかは言及しないが、もし原作通りであるなら、これほどまでに軽々しく商業を第一に考えた無粋な映画及び小説はないだろうと感じずにはいられない。
裏を返せば、原作がそうであっても、それをぶち壊すほどの衝撃を作り出すことを映画では出来たはずだ。それをやらなかったことからも、この映画が昨今の売り上げ史上主義な業界から来る質の低下の一翼になっていると思われても仕方が無い。
主人公は岡田准一演じる「宮部久蔵」。
物語の都合上、現代と過去を行き来しながら物語を演出していくため、主演の割には出演時間はそれほど長くない。
が、普通ならその少ない出演時間を無駄なく使って宮部久蔵という男を描く描写が欠かせないはずだ。
この宮部久蔵、CMでも見受けられるように当時の束縛感が蔓延していた時代に“生きることを第一に考える”というイレギュラーな考えを声にして言う極めて現代的なキャラクターだ。
だからといって当時の人間はそうは思わなかったとは限らない。特攻隊の人達の遺言書からもそれらは見て取れる。宮部のこの台詞及び信念については別に違和感を感じない。
違和感を感じるのはその言葉に対する宮部の姿勢だ。
味方が戦っている中で乱戦を避け、安全を第一に考えるという宮部の意思は、零戦を知り尽くした人ならではの効率的な考え方だ。
だが、その行動に至るまでの葛藤が描かれていない。
空戦の中で味方が次々と死んでいくという中で、悪く言えば一人高みの見物だ。
そのことについての上官からのお咎めや自身の中に生まれるはずの「助けれなかった」「助けた」という葛藤が描かれていない。
端折ったとでも言うのか?
宮部のこの行動に至るまでの経緯があるからこそ、特攻に異を唱える宮部の気持ちが確立する。この行動をどうやって上官達に説明したのかさえ皆目検討もつかない。不思議な箇所の1つだ。
そして終盤になると、その見るも無残にも特攻に駆り出される仲間達を見て精神的に追い詰められてしまう。
一体宮部は戦場で何を見てきたのか?
特攻という状況下になって初めて気づいたとでも言うのか?
これでは臆病者以前に、単に鈍感で馬鹿でヘタレな人間としか思えない。というか実際にそう描かれてしまっている。
その不足気味な描写から得られるのは、宮部の非人間的な部分。
これに共感なんざ出来るわけがない。
「思い人のために生きる」という理由も、言い換えれば戦場で共に戦ってる仲間達は別にいいのか?ということになる。
無理矢理戦場に駆り出された者もいる時代背景を無視したキャラクター作りだ。
戦争及び当時の日本の束縛感からなる、非常に緊迫し、張り裂けそうな状況とはほど遠い“戦争ごっこというサバゲー”の中で戦う男達と見られてもおかしくない。
面白いのは頼みの綱であるVFXがものの見事に幼稚化してることだ。
三丁目の夕日とは違って、重い、重すぎるテーマを扱うこの映画。
戦闘描写は戦争という状況を描く大切な部分で、残酷さや無慈悲さ、理不尽さといったものを描き、ようやく観ている側は「ああ、これは戦争なんだ」と感じる。
だが映画で描かれている戦闘はただのカッコつけた、ミリタリー好きに媚びた演出ばかりだ。
遠景の、艦船が轟沈する様を映し出しているかと思えば、カメラを掠めるようにカットインしてくる零戦・・・というふうに、非常に演出された戦闘を随所に盛り込んでいる。それはさながらアニメでも見ているかのようなわざとらしさ。
三丁目の夕日と違うのは上にも書いたとおり、重いテーマを扱っているうえに、タッチもコミカルではないシリアスなもの。
なのに非常にファンタジーな、カッコつけたような演出ばかりで、シリアスとは程遠い「緩さ」を演出してしまっている。
おまけに背景と零戦がものの見事にミスマッチになっているなど、売りのVFXももはや形無しといった具合だ。
そういった緩さはVFXだけではない。
劇中、宮部が敵機に後ろを取られ危険に晒されることになる場面があるが、それを宮部が否定する特攻で戦友が助けるというのだ。
戦友はかろうじて生き延びるが・・・まず高速で動く敵機に体当たりするというありえないことをやってのけていることが、この映画の緩さを物語っている。
そして特攻を否定している宮部はそのことについて感謝するだけ。お前の特攻に対する意識はどこに行ったんだ?とツッコミを入れたくなる。
終盤のラブストーリーなんかは、観客に不快感を得られないよう、なるべく双方の存在を観客に植え付けさせて納得させようとする一種の辻褄あわせの作業。
それまで登場時間が少なかった井上真央が、終盤メインに近い出演時間になる構造などが拍車をかける。
そのせいで宮部という一人の人間の経緯から取り巻きのラブストーリーというものに変化し、物語の主軸がブレてしまっている。
2時間20分という長い上映時間がもはや無駄。地上波で1時間ドラマとしてやっていったほうがまた評価できる。
ここまで書けばわかると思うが、つまりこの映画は誰にもわかりやすい単純明快な自己犠牲の物語だということ。
定型文で構成された映画と言ってもいい。それぐらい普遍的な物語。
作中の戦争や特攻などは、ただの設定に成り下がっているため深く掘り下げる必要は無い。勿論、反戦などというメッセージ性なんてものも皆無だ。
この物語は、当時の戦争や特攻を題材にしなくても成立する。それぐらい気楽な映画だということ。
この映画を「素晴らしい」と評価すること自体無粋。もっと気楽に見る映画だよと言いたい。
特撮が素晴らしかった
共感出来ず残念でした
2014年1月5日作品を拝見しました。
こちらでの評価が4.2と評判も良く期待していきました。
結論としては、共感するところ無く残念に感じた映画でした。
一番残念に感じたのは、宮部の気持ちに共感を覚えなかったことです。
「家族である松乃、その子供清子のために何としてでも生きて帰る」という宮部が持つ感情は、”今の時代なら”当然理解出来るものと思いますし、だからこその高評価なのかと推測しました。
でも、どうでしょうか。
多くの若者が当たり前のように特攻を志願した時代背景のなかでは、「お国のため」あるいは、表だって口には出せなかったと想像しますが「自分が一番大切に思う人たちを失いたくない」「愛する家族を守るため」そういう思いで、自ら望んで特攻の道を選んだのではないでしょうか。あの作中の多くの若者のように。
戦争に負けても、生き残りさえすれば家族を守っていける、イチから立ち直れると思えるのは、戦後の日本復興を知っている現代人だから抱くことが可能な感情に思えます。
自分は戦争を経験した世代ではありませんのであくまで想像で書いています。ぜひ、戦争を経験し生き抜いた方からの感想も聞きたいと感じました。
セリフだけで泣けました
初めて映画館で見た戦争もの
秀作、傑作、ゆえに惜しい
正月一発目に鑑賞。
席の埋まり具合は6割程度、かなり大入り。
内容は原作を読んでいないので映画のみの評価になるが、非常にドラマがしっかりと作られていて、二時間半の長編ながらも全く飽きさせることなく観れてしまう。
監督はジュブナイル、リターナーに始まり近年には三丁目の夕日を作った山崎貴監督。VFXに定評のある監督。
のはずだった。
なんだあのCGは?
スピード感の無い戦闘シーン、あまりにも綺麗に見せすぎるCG。
もっと臨場感があってもいいんじゃないかと。
なんでこんなに模型的なのか、と。
VFXに定評があるはずの監督作品だけに、戦闘シーンが引っかかって引っかかって。
フィルムで上映している館があるとは思えないけど、これはフィルムで観たかった。
チープなCGで☆マイナス1。
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