永遠の0のレビュー・感想・評価
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時間を感じさせないし、原作のダイジェスト感もない
原作読んでます。
基本、洋画好きで、あまり邦画は見ませんが
これは、良かったです。
小説を映画にするとダイジェスト版的になりがちですが、
各エピソードでもしっかり感情移入できます。
かつ、長い上映時間も気になりませんでした。
現実にはこのようなことは許されないと思いますが
主演の岡田さんは、かっこよすぎですね。
美化されてしまう部分もありますが
誰もが相手を思いやり、戦争など争いのない世界を望みます。
また、夏八木勲さんの御冥福をお祈りいたします。やすらかに。
胸がいっぱい
ライアン二等兵は宮部久蔵の夢を見るか?
かつてスピルバーグは「プライベート•ライアン」で、物語の敗北を描いた。劇中、その象徴として、色褪せた星条旗を掲げてみせた。冒頭のオマハビーチで、ナチスドイツのMGがアメリカ軍の兵士をバタバタと薙ぎ倒すさまを執拗に描くところから、ひとりひとりに宿る人生や意思といった「物語」を徹底的に破壊していった。あの映画の中で唯一物語が語り得られたのは、エンディングのわずか数分間であり、そのちっぽけな物語ですら、あの色褪せた星条旗にあっという間に回収されて行った。
スピルバーグは、戦争という情け容赦ない状況の中にあって、物語というものがいかにひ弱でもろく頼りない物であるかを語った。
では、「永遠の0」はどうだろう。
ヒューマンドラマである。ガチで。原作がブ厚いのを2時間かそこらにするんだから、枝葉は綺麗に取り去っている。新聞社が製作にまわっているから、メディア批判のくだりはバッサリカット(笑)。駆け足であの太平洋戦争を追いかけながら、描かれるのは宮部という男の生き方である。
「戦争と個人を描く」という点で、プライベート•ライアンと永遠の0は同じ地点から出発する。が展開は真逆を征く。
戦争観の違いもあるだろう。個人的には、戦争という状況、事実に触れる時には、情は排するべきだと考えているので(祖父が帝国陸軍中尉だった)、いち個人の足跡を辿りながら戦争の姿に迫るという手法には「危うさ」を感じるし、悲惨な状況の前でいかに物語が無力であるかは知り得ていたから、原作も注意を払って読んだ。
永遠の0の原作の価値は、いま一度かつての戦争への興味を読者に持ってもらうことに尽きると思う。なにしろ主人公とその物語が膨大な取材に基づく「フィクション」なんだから。その上で、映画はその原作の精神をなるべく忠実に再現するよう努力しているようにも思う。
劇中でも、主人公の祖父が「物語」に言及する場面がある。そこから駆け上って行くクライマックスには•••正直、肩すかしを食らった。山崎監督のチカラはこんなものなのかと失望すら感じた(ヤマトという前科もあったので•••)。やはり物語は敗北したのか。
その直後、この映画で最も観たかったシーンがスクリーンにぶちまけられた。原作でありありと浮かび上がったあのわずか数分間の出来事が、スクリーンいっぱいに迫る。息をするヒマもなかった。
あなたの中で、ひとりの生き方は、人生という物語は勝利するだろうか。
久しぶりに感動して大泣きした
リベラルな戦争映画
私は原作を読んでいないのでその内容は知らないが、映画は思いの外リベラルな戦争映画に仕上がっており、なかなか感動的だった。
従来の特攻を題材とした戦争映画は、特攻隊員達の国や家族を想う真摯な姿を描くあまり、特攻作戦の愚劣さを正面に出さないきらいがあった。特攻隊員達の国や家族を想う気持ちは確かに純粋で尊い。しかし特攻作戦はただ軍部の「勝つための努力をしている」という面子作りのために行われたようなもので、初戦こそ戦果を挙げた(米軍もまさかそんな馬鹿げた作戦を行うとは思っていなかっただろうし)ものの、彼らの死は家族を守ることにはほとんど役立っていないのが現実だ(決して海野十三の愚劣なほど楽観的な「諜報中継局」のようにはならなかった)。
また0戦は開戦当初こそ確かに圧倒的な性能を誇ったが、その後の度重なる戦いによる熟練搭乗員の減少や米軍の対応(単機での戦いを避ける、より高性能な機体を投入するなど)で、大戦後期にはその優位を失っていた。
これらの事実を(軍隊の非人間性も含めて)この映画はきちんと描いている。
当時の日本(大日本帝国)は、日清及び日露戦争や第一次世界大戦で勝利したことで「戦争ボケ」で思い上がり、ソ連軍に敗北を喫したノモンハン事件も教訓にせず、「日本よい国 きよい国 世界にひとつの神の国 日本よい国 強い国 世界にかがやく えらい国」と思いあがり、米英との戦争に突入した。
現在と同じく資源がほとんどない日本が、その輸入元である資源豊富な米国と戦えばどうなるかは、当時でも心ある人は分かっていた。例え開戦已む無しであったとしても、引き際(負け際)を決めておかないと国が亡ぶまで終わらなくなってしまうことも。
それなのに軍上層部は自ら設定した絶対防衛圏を破られ、本土が空襲にさらされ敗色濃厚どころか敗戦確実となっても、それを受け入れることも自分たちの責任を認める勇気もなく国民に嘘をつき続け、挙句は「一億玉砕」を謳い日本民族を天皇との無理心中に引き込もうとした。こんな愚かな暴走は二度と許してはならない。
「戦争という殺し合いはしたくない」と言う人間として当然の気持ちを「平和ボケ」と罵り、自省史観を自虐史観と決めつけて非難し、自賛史観(自尊史観)と愛国心の涵養を主張する昨今の流れは大いに警戒しなければならない。この上非国民や国賊、売国奴という言葉が広まってくれば要注意で、その内「銀英伝」の憂国騎士団のように自らは安全な所に居ながら、他人に「国を愛せ、守るために戦え」と煽り立てる輩が出てくるかもしれない。
ただ作中の合コンシーンで自爆テロと特攻作戦を同一に論じるのには抵抗がある。特攻作戦は愚劣ではあるが戦争と言う枠組みの中で、軍隊同士が戦う中での戦法の一つである。そこには自分の命を捨ててでも国や国民を守りたいという「他者への想い」がある。これに対し自爆テロは神への信仰(それもかなり狂信的な)に従うという名目で、一般市民を巻き添えにすることも躊躇しない、言わば「自己満足」によるものだと思う。
一般市民を犠牲にしたという面では、米軍による日本各地の大空襲や原爆投下の方がよほど罪が重いし、本作とは関係ないが捕虜の虐待と言う面ではソ連によるシベリア抑留に勝るものはないだろう。
映画では何故宮部が軍人になったか(開戦時既に戦闘機乗りだったことから、召集兵ではなく志願兵だったと思われる)が描かれていないが、あれほど家族思いの男だから軍に入ったのは結婚前で、何か已むに已まれぬ事情があったのだろうと推測できる(この部分も原作では明らかなのだろうか)。
原作者はこの映画に満足しているとコメントしているが、どうしても描ききれていない部分はあると思うので、原作を読んでみようと思う。
男たちの演技が熱い!!
平日の朝 9時半上演というのに この寒い中 多くのお客さんが
来ていました。
いやあ・・・まいりました。泣きっぱなしでした。ハンカチと ちり紙 ぐしゃぐしゃです・・・・
戦争時代 戦わねばならない 男たちが熱くて 演技もうまくて 私の心の中にぐいぐい入ってきて もう 共感しっぱなしの泣きっぱなしでした。
お話も丁寧に作られていて 多くの登場人物が出てくるのですが
それを短いなかでも しっかりと描いている
そして 空中戦も目をみはるものが あり まるで自分も飛んで
戦っているような錯覚を覚えました
岡田准一と三浦春馬が好きなので観に行った作品ですが。こんなにも生きる力を見せつける映画だったとは・・・
今 思い出しても泣ける作品です。
大成功の人間ドラマ
昨日2回目鑑賞しました。
原作者・百田尚樹氏は「生きるということの素晴らしさ、家族といられる幸せに気づいていただければ、、、」』と話していました。このメッセージを伝えるヒューマンドラマとして成功した映画だと思います。だからこそ、世代を超えて多くの人が共感し感動し涙したのだと思います。時代設定が大戦時ですが戦争映画ではありません。根幹は「困難な時代、先人達それぞれが置かれた立場や宿命の中で、懸命に生きたことを現代に語り継ぐヒューマンドラマ」です。
テーマ、脚本、映像、音楽、キャスティング、全てが素晴らしく、感動しました。気が付いたら主人公の心情になって見ていました。涙を抑えられない場面が幾つもありましたが、ラストシーンでは止めどなく涙が溢れました。是非、映画館でみてください。
なめてました・・・
今を生きるということを改めて考えたい。
必見ですよ。
感動して涙が止まらない
二度と起こってほしくない…。
生き延びることが、 愛しているという証明!!
男の中の男、宮部久蔵の生き様にぐっとくるものがあった。当時家族のこと、生徒のことをお国のことより思っているということが、いかにすごいのかということがわかった気がした。人を愛するということの本質をみた気がした。年明け一発目に、いい映画を観ることができました。
流された血を無駄にしないこと
宮部久蔵と言う人物は本当に臆病者だったのだろうか?
何故宮部は当時タブーとされた生きて帰ることに拘ったのだろうか?
何故宮部は最終的に特攻を志願したのだろうか?
これらの謎に迫りつつ、戦争の悲惨さも訴え掛けるような戦争ミステリー仕立ての作風が、過去の戦争映画とは一線を画すようで非常に見応えを感じました。
まあミステリー仕立てで引っ張った割に終わってみれば思いのほかストレートな内容だったので、唸らされるところまではいきませんでしたが、逆に言えばストレートだったからこそ心に響いた部分は間違いなくありましたから、基本的には見応え十分、素晴らしい映画だったと思いました。
それにしても、死にたくない、生きて帰りたいと思ってはいけない時代があったなんて、本当に恐ろしいですね。
お国の為に命を捧げるのが当たり前、たとえそれが無駄死にだと分かっていても・・・って、本当に狂った時代です。
でも、こんな時代があったからこそ今がある、それは間違いない事実。
彼らの死を無駄にしない為にも、我々は後の時代に繋げていかなければいけない、伝えていかなければいけない・・・そう改めて強く思わされました。
夏八木勲さんの魂の叫びを聞いたら、そう思わない人なんていないでしょう!
いや、他のベテラン陣の演技もそう、主演の岡田准一の鬼気迫る演技を見てもそう、各俳優陣の演技には本当に心揺さぶられました。
それプラス最新のVFX技術が加わったド迫力の映像も相まって、素晴らしい映画に仕上がったなととにかく感心させられた次第です。
まあ何にしても、日本、対戦国、いや世界中で流れた血、涙が無駄にならないような未来を望みたいものですね。
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