「応援はしたい」ロボコップ 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
応援はしたい
ブラジル出身のパジーリャ監督による新ロボコップ。
パジーリャの『エリート・スクワッド』、ベルリン金熊賞を取るも真面目なアメリカ人批評家からは「何なの?バカなの?ロジャー・コーマンなの?」と怒られるほど荒っぽい熱があり大変面白かった。その続編『ブラジル特殊部隊BOPE』と今回のロボコップ、話が似てたなーと思う(サミュエルの偏向報道シチュエーションとかソックリだった)。
ロボコップに『BOPE』を組み込む意図もわかるし、元々はドキュメンタリー作家だったパジーリャの批判精神もわかるし、アロノフスキーが投げ出した企画を拾うパジーリャの野心もなかなかだし、応援したい気持ちは山々だったんだがなー。
米レイティング「PG13」への気づかい等いろんな足枷があったのだろうが、『スクワッド』での荒っぽい熱、今回は封印。ロボでコップなんだから、もうチョイ暴れても良かったのかなーと個人的には思う。気をつかい過ぎだなー。
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誰にも気をつかっていない、もう少し気をつかえ的なバーホーベンの旧ロボコップ。
血と銃弾とガラスの破片をまき散らしつつ、オッパイと下ネタも入れ、なおかつSWとキリストのパロディも入れ、さらには荒廃したデトロイト風景で当時の社会風刺(&米国自動車産業の斜陽化)まで取り込み、加えてジョーダン・ベルフォード状態な人間のサガをおちょくり、「ベレッタ、クルクル、スチャっ」の1シーンで親子愛を余す事無く表現し、ラストシーンで人間の哀しさと尊厳を描き、そんなに盛り沢山なのに、結果的にはアホで楽しいアクションに着地させたバーホーベンは、ほんと、どえらい男よのう。と思う。
オリジナルは良かったっていうのは加齢臭まき散らすだけなんで止めときたいと思ってたんだが…。新ロボコップを応援するつもりが、結局こんな感想になっちゃってホントすみません。