劇場公開日 2014年3月14日

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ロボコップ : 映画評論・批評

2014年3月4日更新

2014年3月14日より新宿ピカデリーほかにてロードショー

バットマンを意識した新生ロボコップ。ボディもユーモアもブラックに

サミュエル・L・ジャクソンのアンバランスのまま厚顔となった顔の破壊力はこれまでの出演作以上に「ロボコップ」を揺るがせる。映画すら吹き飛ばしそうな勢いのジャクソンだ。MGMロゴマークのライオンの吠えも彼にあっては形無し、オンエアー前の声帯微調整のそれでしかない。ライオンをこういった風に使ったイントロは史上初めてかも。1948年生まれのジャクソン、相変わらずの暴走がイカレ、失礼、イカシている。TVキャスターのパット・ノヴァックとして、ジャクソンは瞬時に犯罪者を認識するロボットによる監視導入で平穏となったアラブのゲリラ区域を紹介、そのシステムを礼讃する。兵士の犠牲の代わりにロボットを、というわけだ。

国内にこのシステムをなんとか導入し、売り上げに結びつけたいのが、オムニコープ社長レイモンド・セラーズ(マイケル・キートン)である。ただ、感情を持たないロボットに警官役を任せることにまだまだ議会、世間は懐疑的だ。抜け道はどこか? 感情を持たせれば問題ないだろう、そこで、<車の不審な爆発事故>で重篤の火傷を負った一人の警官アレックス・マーフィー(ジョエル・キナマン)に、デネット・ノートン博士(ゲイリー・オールドマン)は、ある処置を施す。頭部、肺、心臓、右手のみを残しての究極のハイブリッド警官=ロボコップ、ワルどもが嘲っていう別名Tin Man(ブリキ男)の誕生である。

マイケル・キートン×ゲイリー・オールドマンとくれば、2人とも映画「バットマン」シリーズで新旧問わなければ、手を組む間柄であり、このキャスティングはもちろん狙ったものだろう。キートンが「最高のヒーローは?」と問いかけ、1拍置くが、この1拍のために、思わず、「バットマン!」とこころのなかで、あるいは口に出してつぶやく観客も多かろう。

対立すべき巨大悪は外部ではなく、自分を広告塔として作り出した組織、いわば内部に存在する。ロボコップは自らと向き合い、家族を通して感情を復元し、組織に立ち向かうが、重くはならない。なにしろ、ときどきジャクソンが顔を出し、黒いユーモアで映画を制圧するのだ。ジャクソン以外、誰もがお上品なところが、ポール・バーホーベン版とは異なる新生「ロボコップ」の大きな特徴だろう。

(滝本誠)

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