キャプテン・フィリップスのレビュー・感想・評価
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緊迫感溢れるノンフィクションドラマ
公開終了間際に鑑賞しました。
一言で言えば…劇場で観られて良かった。
アメリカからの支援物資5,000トンを積んだ大型貨物船が、ソマリア危険海域を航海する、事実に基づいたドラマです。
船長はトム・ハンクス演じるリッチ・フィリップス。
フィリップスの冷静さと仕事に対する真摯さ、
船長は全船員の命を守るもの、という責任感の強さが画面から非常に色濃く伝わってきました。
緊迫感溢れるシーンでの光と影の使い方、かなり動くカメラワーク、そして盛り上げるハンス・ジマー作曲の音楽。
とても贅沢な映画です。
150分の中、全く中だるみせず、終始ドキドキひやひや
…するので、観終えた際は情報量過多で疲れました(笑)
年始から良い映画を観られてとても幸先良いです。
一寸先も読めない展開に汗...
実際に2009年4月に起こった実話をもとにしている映画で、友人の評判がよかったので、終了間際に行ってきました。
援助物資5000トン以上の食糧を積み、ケニアに向かって航行していたコンテナ船マースク・アラバマ号がソマリアの海賊に襲われ、船長が誘拐されて、船長救出に船や米海軍が行動を起こすというもの。
実際は2度も襲われ、1度目のアタックは回避。でも、海賊たちはあきらめずに2度目のアタックを遂行し、ちょっとした隙(撃退用のホースの故障)を逃さず、船に侵入。
船長は船員17名に機関室に避難して隠れるように命じ、身代金を渡し、そのまま引き取るように説得します。ここのくだりも、日頃のこういう場合を想定した訓練が功を奏したという感じでした。不測の事態に備えた訓練は難しいのですが、やっぱりいつも備えておかないといけない…と考えさせれました。
さて、ソマリアの海賊というのも、もとはといえば、普通の漁師。漁師という生業では生計がたてられないので、海賊に走るという…。彼らも背水の陣で、襲ってくる…。その中には凶暴なのもいるけれど、もし場所が違えば友人になれたかもしれません。
最後に船長が涙しますが、助かったとほっとしたというのもあれば、彼らの血を浴びて、人間同士の血肉の争いにいたたまれない気持ちもどこかにあったんじゃないかと思いました。
年始に考えさせられる映画を見て、気が引き締まる思いでした。
キュプテンフィリップス、貴方は良く頑張った。
富める国、アメリカ。
一方、貧しい国、ソマリア。
だからといって、犯罪(海賊行為)を肯定する訳ではないけれども、周りの環境下、生き抜くだけで精一杯の中、犯罪に走る者は多い。
心に余裕がないから、奪われる側の事は考えられず自分勝手な理屈が頭を占める。提供される支援物資さえ略奪する。
そんな中、毅然と最後まで彼らに対峙するキュプテンフィリップス。
素晴らしいトム・ハンクスの演技もあり、全体的流れる緊張感が継続する。また、飽きさせない脚本も良い。実話ベースの作品だけにえてして詰まらない作品になりがちなのですが、場面の切り替えや、台詞等非常にテンポ良く全体的にドキュメンタリー的な雰囲気を醸し出す。
そて、個人的に一番良かったのは、最後に解放されて、言葉もままならず、涙があふれるを演じたトム・ハンクス。さすがの演技でした。
個人的解釈では、ギリギリの緊張感の中、彼はこう考えたのではないか。アメリカは誘拐やテロに対して、一歩も退かない、多分、強行突入や狙撃で自分は生き残れないだろう、だから今、撃たれる危険を冒しても最後の言葉(遺書)を残す。この伏線がいていて、一度は死を覚悟した後に解放後に安堵と恐怖とまた、家族に会えるというごちゃ混ぜの感情を抜群の演技で表現したのではと思っています。自分には最後の演技が一番心に残りました。是非アカデミー穫ってほしいですね。
途中、シールズが、投入されるあたりからアメリカ万歳の救出劇かと思ったが出しゃばりすぎず、一安心。
臨場感ハンパねぇー
臨場感がホントに凄かった。もちろんトムの熱演もすごいけど、ソマリアの海賊の演技もすごかった。若干、136分ぐらいでながめだけどホントあっという間に時間が経ちます。
映画の中にもあるけどソマリアの海賊は好きでやってるわけじゃなくて、色々な国の船がソマリア海域で大量に魚を捕り、そのせいでソマリアの人たちは魚を捕れず、お金を稼げない。なので貨物船などを襲うということでした。(海賊たちはもとは漁師)
最後のシーンではフィリップス船長は泣いてたけど、おそらく助かったっていう安堵感とソマリアの海賊たちの気持ちを考えての涙だったと思います。
ホント色々、考えさせられる映画でした。
男たちの戦い
印象的だったのは最後の方のシールズたちの「楽勝なミッションだ
ったな」的な撤収シーンを見たとき感じた無情感でした。
ソマリアの海賊役の方々んの演技と迫力すごくよかったです。
緊迫感の後の脱力感
終始緊迫感!
トム・ハンクス演じるフィリップス船長の気持ちに入り込んでしまいました。
海賊の一人が、やたら銃撃しようとして頭悪いなってイラっとして海賊のボスの気持ちになる瞬間もあったりしましたが(笑)
とにかくハラハラドキドキであっと言う間の時間でした。
船長が米海軍に救助されてメディカルチェックを受けている時の、女医の優しい語りかけに私まで脱力感と安堵の涙が出てしまいました。
あの女医さんも私の中では大きな存在でした。
もっと短くなるのでは?
救命艇に乗ってからが長いです。話を引っ張った割には何も起こらず肩透かし。期待が大きかっただけに残念感が。もう一度見るかと言われたら、お金を払っては観ないと思います。
アクロイド撮影監督の手腕にも注目。執念の映像。
ポール・グリーングラス監督は、襲撃から占拠、拘束、救出までをリアル感あふれるドキュメンタリータッチで描きだしました。事件勃発から解決まで、微塵も緩みを感じさせません。その間ここぞとばかり打ち鳴らされる効果音の使い方がも緊迫感を押し出して、上手いのです。その手法は『ボーン』シリーズと共通のものだと感じました。『ボーン』シリーズを振り返っても尋常ではない臨場感は、グリーングラス監督ならではでしょう。
トム・ハンクスの熱演もさることながら、対する海賊役の黒人たちもハンクスに役負けしない、目を血走らせて脅す悪役ぶり。そんな彼らは全員皆演技未体験ということをあとから知って驚ろきました。なかでも海賊の中でも英語が話せる船長のムセとフィリップスとの船長同士の心の探り合いの細密さが素晴らしかったです。
ハンクスの熱演のなかでも、圧巻はラストに魅せる感極まった言葉にならない恐怖感を滲ませるフィリップス船長の表情が凄い!ここぞという大熱演でした。
そしいて後半登場する米軍駆逐艦による軍事力、情報収集能力を前面に出しての救出劇は圧倒的。まさに今そこで、人質救出劇を目撃しているかのような気分に浸れました。
迫真の映像はバリー・アクロイド撮影監督の手腕に負うところでもあるようです。この人もドキュメンタリー志向が強い点でグリーングラス監督と共通しています。これから本作を見る人は、海賊たちがコンテナ船に乗り移るシーンに注目してほしいのです。広角から望遠レンズまで自在に使ったカメラのダイナミックな構図。時に海側から遠望するシーンや揺れ続ける救命艇のシーンでは、手持ちカメラが波に揺られても極限まで手ぶれを押さえた撮影法。あれってグリーングラス監督が船酔いしながらも、ぶれてなるものかとカメラをのぞきつけという執念の賜物なんです。「見える物は映る」されど…という監督の信念を感じました。そして何より、刻々変化する太陽の動きに合わせてコンテナ船の位置を変え、光源の角度を一定に保って船内撮影するなんて、凄いこだわりだと思います。
さらに救命艇を制圧する無灯火航海中の米駆逐艦が巨大な戦艦に見まがうほどの、圧倒的に見せつける存在感も凄かったです。海賊どももあれではヒビリまくるのは当然でしょう。
物語は2009年、オマーンからケニアに向かうアラバマ号にフィリップス船長が乗船するところから始まります。
海賊対策の訓練をやっている最中に、本当にソマリア人の海賊4人が乗ったボートが猛スピードで追尾。一度は振り切ったものの、再度襲撃してきた海賊は高ハシゴを用意して、アラバマ号に侵入し、操縦室の乗組員に銃を突きつけ、高額の金を要求します。
船長の指示で20人の乗組員は、船尾の機関室に隠れるものの、海賊たちは船内に隠れた他の乗組員を探し始めるのです。
前半は乗組員と海賊たちのの大型船内でのバトルがスリリングに展開しました。
後半は、乗員の身の安全と引き替えに人質となったフィリップス船長を交渉材料に、何とか身代金を奪おうと船長を乗せて救命艇でソマリアに向かう海賊らとの一触即発の状況が続きます。狭い艇内での息詰まるようなフィリップスと海賊とのやりとり、米海軍に包囲されいらだちを強くしていく海賊同士のいさかいなど、臨場感あふれる映像で全く飽きさせない展開でした。
やや疑問なのは、海賊対策の放水シーン。1箇所だけ放水の向きが違っていて、そこから易々と海賊たちが侵入してくるのですが、その直前に訓練していたのだから、どうして気づかなかったのでしょうね?
評価したいのは、襲撃から救出まで核心の部分にグッと濃縮して描いているところです。グタグダと後日談など上陸後の話を入れていません。ただ冒頭にワンカットで、フィリップス船長と妻の会話を挿入しているシーンは、円熟した夫婦関係を感じさせて、ラストのフィリップス船長の生還への強い思いにいい伏線に繋がりました。
印象的なのが、海賊の4人が犯行に及ぶまでを追ったシークエンス。実は彼らは、何度もアルカイダではないと主張しているように、テロリストでも根っからの海賊ではなく、小さな漁村を訪れたギャングにスカウトされた若い漁師だったのです。内戦続きで無政府状態となった結果、ソマリアの漁師たちは貧しさに追い詰められて、止むを得ず海賊になってしまったのです。そんな描写に、ソマリアの混乱が浮かび上がってきます。つまり悪の海賊と罪なき船長という単純な善悪ではないのです。
そんなちらりと見せる現代の世相を滲ませるところが、ジャーナリスト出身という経歴を持つ、グリーングラス監督ならではの演出ですね。
ついでにいえば、日本の船舶はソマリア沖でたぶん米軍のご厄介になっていることでしょう。本作見たら、自衛隊の海外派兵の必要性も強く感じるのではないでしょうか。
ソマリアの現実。
描かれた事件がニュースになった時のことは覚えている。
当時、映画ではジョニデのパイレーツ…なんかが流行っていて、
「ホンモノの海賊が存在した!?」のような文句が並んだが、
実際の事件はとても笑事や吃驚ネタで終わるものではなかった。
さすがP・グリーングラス。今回も緊迫感たっぷりで描いている。
今作を観ている間、なぜか目には涙が溢れて仕方なかった。
いつ誰が殺されてしまうのか分からない、という恐怖よりも、
ソマリアの現実、彼らの貧困度が背景に見えてしまうのが辛い。
今作では船長側と海賊側、それぞれの準備段階を並行して描き、
船長が乗り込む当日、妻に「これからはサバイバルだ」という
メッセージを残す。まさにその通りになるのが怖いところだが、
実は貨物船側はすでに「海賊の脅威」を察知していたのが分かる。
なぜ危険を冒してそんなルートを!?と思わなかっただろうか。
船会社には今も訴訟が続いているらしく、経費削減で危険海域に
救援物資を積んだ貨物船が一隻だけ、武装もしていないのだから、
これは狙われるのは当然。「まさか」と甘く見積もった点が多い。
海賊に乗り込まれてからは、まさに一触即発。船員はあくまで
海賊に見つからないように、船長は海賊の気を逸らし、なんとか
船と船員を守ろうとするが…。何しろ怒号と緊張が飛び交う場面
の連続になるので、船長が人質となってボートに乗り込むまでは
怖くて怖くて堪らない。誰か殺されても不思議でない状況なのに
海賊が実は漁師だった、まだ子供だった、というのを垣間見せて
「彼らに殺人の意思はない」ことを明確にする。ほぼビビリながら
銃を向けている海賊を見る船長の「できればお前らも助けたい」と
いう思いがT・ハンクスの顔にアリアリと描かれる。
何か手立てはないか。双方が助かる道はないか。問題はそこだ。
最後に軍が乗り出してくれば、もう助かる見込みのない海賊達に
船長は最後まで説得を続ける。救援物資を届ける仕事の船長が、
ソマリア人の虐殺など望んでいないことが分かる場面だけに辛い。
大金を手にしたら夢にまで見たアメリカに行くんだ、などと語る
痩せ細ったムセというボス。知力も体力でも勝る米海軍が一人の
船長を救出するためにとった作戦とその終結には、やったー!!
なんていう胸の梳く状況はなく、船長の嗚咽ばかりが響き渡る…。
考えさせられるシーンが幾つも挿入された、観応えある作品。
後半の救出シーンがやや長くてダレるが、あとは恐怖の連続。
ハンクスの演技は賞に値するほど素晴らしく、彼の表情が流れを
支配するくらい緊迫感を醸している。あの号泣が頭から離れない。
(海域警備は厳しくなったらしいけど、貧困格差はどうすればいい)
コントラスト
実話をグリーングラスが監督で撮って、主演はトムハンクス。すべるわけがない。
冒頭の車中の何気ない会話から一転海賊との鬼気迫る交渉。何も武器を持たない乗組員とマシンガンを持った海賊。救命ボートと軍艦。痩せこけた海賊達とマッチョなネイビーシールズ。 富める国と貧しい国。そう、これはコントラストの映画なのだ。そのコントラストのなかで皆がどうにかしようともがく映画。
最後、善悪のベクトルは曖昧な方向に曲がって行く。しかし最後まで観客はトムハンクスの目線で事を見る。私達は富める国の者なのだから。
緊迫感!
物凄い緊迫感で…疲れたww
トム・ハンクスの演技も素晴らしかったけど、海賊のリーダー役の方の演技が凄かった。
途中、フィリップスに「漁師なら、誘拐なんてせずに魚を獲れば良いだろ」って諭されて、「アメリカならな…」って答えるのが、現実なんだろうなぁって思ったら、ちょっと切なくなった。
アンバランスな世を憂う
2009年にソマリア沖で起きた、貨物船への海賊襲撃事件を、
ドキュメンタリックな作品にめっぽう強いポール・
グリーングラス監督が映画化。
さすがは監督。開幕から終幕までスリルが持続する、
一級のサスペンス映画でした。
* * *
貨物船が海賊に襲われたというニュースは時々聞くが、
実際にどんな形で襲撃を受けるのか、それに対して貨物船側で
どんなディフェンスが行われているかは全く知らなかった。
波を起こしたり水を撒いたり、あんなでっかい図体の船でも
ちゃんと対抗策はあるのね。
海賊に乗り込まれてからも、クルーを守ろうと瞬時の機転を
利かせるフィリップス船長の度胸に感心しきり。
クルー達も(最初こそ不満そうだったが)、船長の細かな
言葉の意図を理解し、一枚岩となって行動できるスキルがある。
グリーングラス監督お得意のドキュメンタリックな撮り方で
描かれる一進一退の攻防は、しばしば映画を観ている事を
忘れてしまうほどの臨場感と緊張感だ。
すぐに激昂する海賊たちを相手に、丸腰の船長が1分1秒でも
時間稼ぎをしようとする様子なんて心臓バクバクものだった。
* * *
それにしてもトム・ハンクス。
他のレビュアーさんも書かれている通り、ラストで彼が見せる
ショックと安堵と緊張がまぜこぜになった表情のリアルさは、
もはや演技とは思えないほど。
彼のようなスターを起用するだけでドキュメンタリー性が
薄れてしまうのは確かだが、彼はうまく『個』を消していたし、
最後のシーンだけ見ても起用は正解だったと僕には思えた。
他のキャストはキャスリン・キーナーを除いてほぼ無名の
方々だと思うが、誰も彼も全く映画のリアリティを崩さない。
なかでもやはり海賊のリーダー格・ムセの立ち居振舞いは、
鑑賞から1週間経った今も頭に残っている。
* * *
「心配するな、アイリッシュ。何もかもうまくいくさ」
ムセがフィリップスに向けて何度も口にしていた言葉。
あの若者は本当にそう信じていたんだろう。
自分たちは大金を手に入れて成功を手にし、フィリップスは
五体満足で解放。みんな無傷でそれぞれの生活に帰れると。
だが、若者たちが考えていたほどに事態はシンプルじゃなかった。
彼らはソマリアの元締めからすればただの捨て駒に過ぎないし、
彼らを追う米海軍との力の差はあまりにも圧倒的。
戦艦+海兵隊の精鋭に対し、手持ちは救命艇+ライフル銃数挺。
まるで巨象に爪を立てようとする子猫みたいなものだ。
最初はあんなに危険に見えたムセが、終盤で
海兵隊に取り囲まれた時、いかに小さく憐れに見えた事か。
彼なりのビジネスマンとしての流儀なのか、それとも怯える
人質への気遣いなのか、救命艇内では決してフィリップスに
銃口を向けなかったムセ。
世間知らずで凶暴なやり口に反して、彼の根っこには
何かもっと誇り高いものが流れていたように思えてならない。
もしも環境に恵まれていれば、彼は優しく聡明な男に
なれたんだろうか? そう考えると、どうにもやるせない。
「everythings gonna be okey(何もかもうまくいく)」
保護されたフィリップスが担ぎ込まれた救護室で、
看護に当たった女性がムセと全く同じ言葉を口にした瞬間、
フィリップスが表情をくしゃりと変化させたように思えた。
彼が『ムセの身を案じた』だなんてセンチメンタルな解釈は
しない。そんな気持ちの余裕があの瞬間の彼にあったとは
思えないから。けれど、その言葉で救命艇内でのムセの姿が
ふっと頭をよぎったんだろうと、そう考えている。
世の中って本当、悲しいくらいにアンバランス。
〈2013.12.01〉
絵空事じゃない
寝不足だったので途中で寝たら嫌だと心配していたら、すごい緊張感で全く眠気が訪れなかった。面白かった! 最近、微妙な映画ばかり見ていたので久しぶりに映画に心を鷲掴みされる感覚が楽しかった。
セガールがいれば一瞬で解決するだろうと思うのだが、現実はそんなふうにはならずできそうでできない感じがすごくリアルで、怖かった。
ソマリア人をただの敵というような描き方ではなく人間として扱っていたのがすごくよかったのだが、彼は漁師なのに英語がペラペラで、理知的で会話が成立する分、未開の土人に襲われるような恐怖はなかった。
米軍にロックオンされたら絶対に助からない。徹底的にやられてしまう。アメリカ怖い。
トムハンクスの乳首がすごく長くて驚いた。
見応えあり!
終始、緊迫の2時間強。
ハリウッド映画ではいつも、カタコトの英語を話す他国の人間は単純で愚鈍な印象に見えることが多い気がしますが、この作品ではソマリアの海賊の登場人物の感情や事情もちゃんと表現されていると思いました。海賊を演じた役者たちも演技がしっかりしていて、特に中心人物を演じている人が上手い。
ラストのトム・ハンクスの演技が本当に素晴らしい☆ よく出来た作品だと思います。
トムハンクスだから多分大丈夫だろ、みたいな感じ。
この映画、グリーングラス監督のドキュメンタリー的演出方法、だとか、「ゼロダークサーティ」と同じくアメリカ軍の圧倒的な軍事力の不気味さだとか、色々語り口はあると思う。
ただ、そもそものところで、いくらドキュメンタリータッチで撮っても、船長「トム・ハンクス」だから。
彼が一人で人質って時点で緊張感無くないか?なんというか、トムハンクスという誰もが知ってる人気者の「この人なら大丈夫」感が半端ないのだが。抜群の安定感のある俳優であるが故の逆作用・・。
作品の緊張感だけを考えると、やっぱりもう少し無名の俳優で撮った方がよかったと思う。実際、救命艇に乗り込む前の船内での無名の俳優さん達の誰が殺されるかもわからない、っていう状況の方が緊張感あったなー。
フィリップスのハートの強さにビックリ!
これが実話って所が凄まじい。
船長の冷静な判断が素晴らしい!
そして、こんな事があったらトラウマになりそうなのに、すぐに仕事に復帰したというフィリップスのハートの強さにビックリ!
海賊の1人でキレてた男が不快だったから、-1点。は
勇気の支え
主人公の静かなる勇気には感銘を受けました。
その勇気は決して彼個人の資質だけに拠るものではなく、家族や仲間への想いが支えとなっているのは明白です。
そしてもうひとつ、重要なのは国家への信頼です。
日本人は愛国心などと言うと、とかく軍国主義とかネガティブな連想をしてしまいますが、そういった事ではなく、人が母国を愛し信頼する代わりに国も国民の生命と財産と権利を守るという、一種の対等な契約関係が国際社会には当然のように存在します。
そして、この事件におけるアメリカはその責務を忠実に果たします。
たった一人の船長を救うため、イージス艦や強襲揚陸艦そして最精鋭の特殊部隊を惜しみなく投入し、全力で救出作戦を展開するのです。
正しく国民の信頼と期待に応えてくれるのです。
自分の生還を待っている家族がいるというのも素晴らしい心の支えになりますが、自分は見捨てられなず必ず救出しようとしてくれる祖国があるというのも勇気の支えとして掛け替えの無いものです。
振り返ってみて、これが日本ならどうでしょうか?
日本人船長が海外で拉致されても自衛隊は急行してくれるでしょうか?
マスコミは自衛隊の国外での武力行使を違憲だと非難し、野党は派兵を散々じゃました挙句船長が死んだら内閣に責任を押し付け、内閣は遺憾の意を表明する、そんなところじゃないでしょうか。
アメリカという国の軍事は確かに独善的で攻撃的なのは否定しませんが、それでも国民の信頼と期待に応えようとする姿勢は評価できると思います。
因みに、以前ソマリアで海賊ファンドなるものが発行されるというニュースがあった時、「それなら戦争ファンドも作られるんじゃないの」という声があがりましたが、それに対して私はこう答えました「戦争ファンドなんて昔からあるし誰でも買えるよ。通常はアメリカ国債って呼ばれてるけどね」
奇しくもこの映画は、海賊ファンドと戦争ファンドの対決でもあるんですね。
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