キャプテン・フィリップスのレビュー・感想・評価
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半端ない緊迫感!!!
トム・ハンクス演じるキャプテン・フィリップスと、
ソマリアの海賊達の攻防!
その一言で言い表せる内容の映画だが、
中身は濃い!
人質になってからも、
極限の状況の中で、
時に冷静に
時に勇敢に
時に恐れおののき、
時には優しく接し、
最後には自身の理性の限界を超え、
苦しみながらも助かった
キャプテンの置かれた状況を、
素晴らしいカメラワークで表していた。
武装集団に対して、
丸腰で知恵を駆使して闘う姿も見事だった。
これでこそ「キャプテン」だ!!!
言い訳ばかりして責任逃れをしている多くのキャプテンに見てほしい!
海賊に至る背景
アメリカ人のフィリップスが船長を務めるコンテナ船が、ソマリア海で海賊に襲われる話。
簡単な粗筋を説明すると、以上の通り。
驚かされるのはこれが実話だということ。
この映画が良いのは襲う側も襲われる側も比較的平等に描いているところ。
なぜ、成人もしていない少年が海賊をする必要があるのかを描くことで、事件は解決しても心にモヤモヤを残す。監督の過去作品である『グリーンゾーン』と同じである。
トムハンクスのラストの演技がそれを観るものに印象付ける。
観たあとの爽快感はない。でも観て損はない良作。
※銃を持った異国の男たちに脅されるなんて考えただけでも足が震えるが、フィリップス船長は毅然と立ち向かう。
貨物を安全に目的地に運ぶため、部下の命を守るために、相手に媚びへつらうこともなければ、無駄に敵対することもない。船長=リーダーとしての立ち回りや振る舞いという点でも非常に参考になった。
只々恐ろしい…
その辺の幽霊ホラー映画なんかを鼻で笑えるぐらいの恐怖と臨場感たっぷりの映画でした。
実話ベースなんで、起承転結な構成ではありません。まあノンフィクション物でこれを求めるのは難がありますが。しかしどのシーンも緊迫ムード漂うつくりと息つかせぬ展開の連続で緊張感と共に画面から目が離せない。
海賊に船を強奪されるシーンは私も思わず「なんてこった…占領されたよ…」と恐怖を感じてしまった。乗組員は20人に対して、相手の海賊はたったの4人。しかし海賊の武装した姿と怯みを見せない気迫を目の前にするといくら大人数とは言え、大それた行動は取れないと思えました。しかしそんな彼ら、特にフィリップスは自我を保てている姿を見ると「やっぱ海の男は肝が据わってんのかな?」っと感心してしまいました。
そんな緊迫した雰囲気が最後まで続く。途中決死の脱出も失敗に終わってしまう場面もあり、「頼むからこの窮地から解放してくれ!」と願うばかりの状態。
だからこそ解放された時のラストシーンは心の底から胸を撫で下ろしてしまう。マシガントークばりに喋る女性を前に言葉が出ないフィリップス船長。しばらくして自分が本当に助かったんだと今更ながらも実感したんでしょう。ブワッと泣き出す彼の姿はもう…何とも言えない気持ちです。と同時にトムハンクスさんはやっぱすご
いと実感。
しかしこの映画、意外と海賊の視点も妥協しなかったの好印象でした。彼らには彼らの事情があるのだということをしっかりと描いていたと思います。勧善懲悪な話にしなかったことにより、話しや理屈がお互いかみ合わないというイライラが表現され、より緊張感が出していたと思います。
そして少しばかり社会派な内容になり考えさせられる。この点ノンフィクションのいいところなんでしょうね。作られた話より現実性があって興味深い内容になる点は。
見た後どっと疲れる映画でしたが、それぐらい臨場感がある作品だったと思います。にしてもほんとに恐ろしい話ですね。同じ海賊のジャックスパローが来るなら歓迎なんですが(笑)
臨場感たっぷり
ポール・グリーングラスは自分がどのような題材にたけているかよくわかっている。2009年の春に起こった貨物船人質事件を映像化。緊迫の4日間を描き出す。
ビリー・レイの脚本がよかったのは、フィリップス(トム・ハンクス)の家族を必要以上に登場させなかったことだ。フィリップスの妻にキャサリン・キーナーを配しながらであるから英断だった。
すなわち、映画のほとんどが海上であり、だからこその緊迫感なのだ。
ただ、家族は事件のことを知っており、アメリカのマスコミが連日報じているのをそれとなくほのめかす。このあたりのさじ加減も絶妙である。
ボーンシリーズや「ユナイテッド93」で見せたトリッキーな演出はほとんどなく、ストーリーを語ることに専念した演出も観る者を海上に引きつける役目を果たしている。
無事救出されるのがわかっているのに、ドキドキしながら観てしまうのは、やはりポール・グリーングラスがうまいのだ。
救出された直後のフィリップスの恐怖からの解放は、見ているこちらも胸をなでおろす。
役者トム・ハンクスここにあり、というところも見せた。
虚しい真実
これは本当に凄い映画でしたね・・・。
面白いとか楽しいではなく、ただただ凄い・・・そしてやるせないとしか言い様が無い映画でした。
それと、とにかく全編に渡って張り巡らされた緊張感が半端じゃなくて、見終わってドッと疲れが出てしまいましたよ。
ポール・グリーングラス監督作だったので、単純に勧善懲悪であったりアメリカ万歳を描いた作品ではないだろうなと思ってはいましたが、まさかここまでリアルに描かれた作品だったとは・・・いやはや参りました。
これは変に外野の描写を入れなかったからこそ、よりリアルを感じれたのでしょうね。
貨物船をソマリアの海賊が襲い、そこで人質に取られた船長を苦難の末に救助する・・・そこだけに固執したからこそ、とにかく集中してコトの成り行きを見守ることが出来たのでしょう。
しかもエンタメ的な演出をしなくとも、救出される側だけでなくソマリアの海賊側にも感情移入できるよう作ってしまうのですから、これは本当にお見事としか言い様がなかったですね。
それにしても、なぜ彼らは海賊にならなければいけなかったのか・・・それを考えてしまうと、胸が締め付けられる思いで一杯になってしまいますね。
もし彼らが平穏に漁業を営める環境にあったなら、こうはなって無かった訳ですから・・・。
経済支援だけが善じゃない、そんなことをこの映画を見て深く考えさせられてしまいました。
トム・ハンクス(フィリップス船長)・・・アクション映画に出てくるような船長ではなく、ただただ一般人な船長でしたが、でも間違いなく頼りがいのある船長でしたよね。
まあ何かしでかそうとする度に、相当ヒヤヒヤとさせられはしましたが(苦笑)
ハンクスはこう言う微妙なラインを演じるのが本当にうまい!
特にラストの演技は本当に秀逸でしたね。
キャサリン・キーナー(フィリップスの奥さん)・・・登場シーンは序盤だけでしたが、ほんの少しの描写だけでこの夫婦のバックボーンが想像できてしまう辺りは、さすがの存在感でした。
マイケル・チャーナス(シェーン)・・・フィリップス船長の右腕的存在として、なかなかいい味出してましたね。
特に調理場でのシーンは、いい感じに盛り上げてくれました。
ソマリア海賊の4人(ムセ、ビラル、ナジェ・エルミ)・・・アメリカ映画にありがちなテロリスト=エイリアンのような描き方ではなく、ちゃんと皆一人の人間として描かれていたところに物凄く好感が持てました。
勿論彼らのしでかしたことは褒められたことではないし、間違いなく罪は罪なのですが、彼らの人生模様が本当に切なくて切なくて・・・。
特にリーダー格の男(中日のネルソン似の男)が夢を語ったところと、まだ少年の男がフィリップスに気遣いを見せた部分が、何故かとても印象に残りました。
普通の人質救出物は、最後物凄く爽快感を感じたりするものなんですが、この映画は虚しさ溢れる感情しか残りませんでした。
この苦味こそが真実・・・と言う訳なんでしょうかね。
こんなことが起こらない世の中を望みたいものですが・・・何か最良の策は無いものなんでしょうか・・・。
とてもよかったです!
泣いた…
緊張感のある映画
全然面白いじゃん。予告編と違い。
予告編観て「ま~たトムハンクスの泣く映画か」、と思ってまったく観る気もなかったのだけど、東宝のサービスデーなので試しに、と観たら全然面白かった。予告編、何度も観たけど、本当に興味も引かなかったので、大失敗の宣伝チームだよな。だいたいなんでも日本人なら「感動作にみせたほうがいい」としようとする、というか感動作を押してヒットを狙おうとする配給会社の考えが浅ましい。本当に嫌い。
で、みたら「アルゴ」とためはる実録ハラハラ映画だった。確かに最後の救出後のトムハンクスのここが見せ場だ、というひと芝居はいいのだけど、これは地味に堅実に宣伝して欲しかった。地味でいいではないか。
しかし、ソマリアの海賊連中、いい味出してたな。目、ひんむいて、まじ怖かった。
あの船に飛び移るところの目撃目線のカット、いいな。こえ~って感じ。
「look me! lookme!」リアルな演出が、 と役者さんの演技が、見所!
この緊張感ハンパない!
すごい!なにこの緊張感! 『ボーン・アルティメイタム』以上なんですけど!!
この映画は予告編のイメージとは違います。要注意!
いい意味で裏切られました。ボーンシリーズのグリーングラスが帰って来ました!
この映画、全編通して、目が離せません。特に後半30分は、私、体に力入り過ぎて、首の筋肉痛になりました。
更に更に、ラスト数分間・・・・我らのトム・ハンクスは、誰もやった事がないレベルの演技をします。その瞬間、ちょっと私、今までに経験のない、ただの感動ではない、ハッキリとは意味のわからない・・・・そんな涙が出てきました。人間って素晴らしいなあって!生きるって素晴らしいなあって! ただそんな涙です。
グリーングラス×ハンクスの初コンビ、大成功です。とんでもない映画を観てしまいました。予告を見て、感動のドラマを期待してデートムービーとして観てしまうと、危険ですよ。
グリーングラスの高まる演出の技、それに応えるハンクスの演技・・・レベルが違います。
本作の主役は実は海賊たちなのかも…
事実を基にしたストーリーなので結末がどうなったかは、当時のニュースなどで知っていた。
それでもかなりハラハラドキドキして観ることができた。
この感じは昨年観た「アルゴ」に似ているかもしれない。
本作を今年のベスト級と言う人がいるのも頷ける。
アメリカの正義については劇中観ての通りだが、ソマリア側の描き方も私は良く出来ていたと思っている。
中にはアメリカ視点の一方的な映画と感じた方もいるかもしれないが、私はソマリアの海賊達に対して「コイツら本当は悪いやつらじゃなくて、彼らもまたある意味被害者なのかも」と感じた。
ソマリア側の事情を敢えて描かずとも観ている側にそう感じさせられたのは良かったと思うし、そこを見逃すとこの映画はただ悪いヤツをやっつけて万歳という映画になってしまう。
ソマリア人達の行為は認めることは出来ない。だがその背景にあるものに目を注ぐことも必要なのではないだろうか。
そういう視点で観てみると、この映画の意味も変わってくるのではないだろうか…。
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