劇場公開日 2013年9月20日

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「新感覚のディストピアSF」エリジウム Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5新感覚のディストピアSF

2021年8月9日
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医療ポッドに入れば病なども直るという、誰もが想像したことのある理想郷、それがエリジウムである。残念なことにそれが地球では実現できず、宇宙に限られた人間を連れて行ってようやく実現したものだ。ここではやはり富裕層が有利であり、貧困層は汚染された地球で暮らすしかないという設定である。まさに天と地の差が出てしまった世界である。監督は「第9地区」のニール・ブロムガンプ。同作品については個人的にはSF史に名を残す名作と思っているが、本作もそれに近い感動がある。被爆した主人公が、体に強化パーツを付けて闘いに身を投じるのだが、監督はガジェットマニアの監督ならではの設定だろう。富裕層はスポーティなガジェットに乗り、貧困層の人間は汚くて味のあるガジェットを使用する辺りもコントラストが効いていて大変良い。映像もスタイリッシュなのに加えて、天と地の違いようなどが明確で素晴らしい。流石の一言である。
少なくともSFディストピアだと映像は綺麗で当たり前かもしれないが本作は対照的であり、血肉飛び散るバイオレンス満載の作品だ。このテーマは過去あまり描かれていないものでは無いだろうか。それも相まってラストは感動的な物であり、感傷に浸ってしまう。非常に有意義な2時間を過ごす事が出来る作品だ。

Mina