「ナイス改変」ザ・クリミナル 合衆国の陰謀 よしさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ナイス改変

2024年8月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

CIA諜報員の身分をスクープした新聞記者の苦悩、そしてジャーナリストの矜持を守る為の闘いを描く物語。

実際にあった「プレイム事件」を基にした作品ですが、本作は実話を大幅に改変されています。
実話では・・・イラク戦争の元になる「大規模破壊兵器をイラクが保持している」に疑義を唱える外交官を陥れる為に、保守系ジャーナリストがその妻の身分を暴いてしまった事件。
でも、そんなお話では「報道の自由」を守るお話に出来ないので、「大規模破壊兵器はない」の報告と、報告を提出したCIA諜報員をスクープしたお話にしています。
これなら、「報道の自由」と絡めたお話にして、尚且つ主人公に共感することが出来ますね。ナイス改変です。

物語は、主人公がジャーナリストの矜持を守る為の苦闘を描きます。圧倒的な巨大連邦政府の脅威。薄れゆく世間の感心、家族との軋轢、刑務所での生活・・・
そして、それらの話に、スクープされた諜報員の悲劇を絡めて進みます。
これでもか・・・という苦難の連続は心が苦しくなります。それだけに、心を揺らぎながらもジャーナリストの矜持を守ろうと必死になる主人公を応援したくなります。

ラストの展開は「驚愕」の一言。肌が粟立つ思いになりました。主人公が必死に守ろうとしたものは「ジャーナリストの矜持」だけではなく、自らの人間性も守ろうとしていたのかもしれません。

カタルシスを感じ難い作品になっているのが、唯一の大きな弱点でしょうか?その点は少し残念でした。

私的評価は4.5にしました。

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よし