ラヴレース : 特集
あの「タイタニック」超え!? 世界的ブームとなった伝説のポルノが70年代に存在した!
イマ旬No.1女優アマンダ・セイフライドが体当たりで演じる“社会現象の裏側”!
1970年代に、女性やセレブを巻き込んで一大ブームとなったポルノ映画が存在した──3月1日公開「ラヴレース」は、大ヒット・ポルノ「ディープ・スロート」に主演し一躍“時代のシンボル”となったリンダ・ラブレースを主人公に、社会現象の裏側に迫る問題作。イマ旬女優アマンダ・セイフライドの熱演も話題の、同作の見どころとは!?
■累計興収6億ドル!?
あの「タイタニック」を超える“社会現象作品”をあなたは知っているか?
今をさかのぼること42年前、1972年にアメリカ映画史上最もヒットしたポルノ映画「ディープ・スロート」が公開された。「なんだ、ポルノ映画か」と侮ることなかれ。この作品、ただのポルノ映画ではない。アダルト向けの劇場だけではなく一般の劇場でも公開され、ポルノを“反体制・リベラルの象徴”とする当時の風潮もあり、瞬く間に女性やセレブリティまでを巻き込む大ヒットを記録。一大社会現象となった作品なのだ。
全米の累計興行収入は、一説によると6億ドル超。これは、全米歴代ランキングの第2位に位置する「タイタニック(1997)」や第3位の「アベンジャーズ」に匹敵する数字。まだインターネットやビデオもなかった時代、「ゴッドファーザー」や「ポセイドン・アドベンチャー」が公開されたこの時代に、なぜこれほどまでの影響力を持ったのか。本作「ラヴレース」は、突然ポルノ映画に主演することになったひとりの女性=リンダ・ラブレースを主人公に、伝説の作品「ディープ・スロート」の誕生とその裏側を描き出すスキャンダラスな問題作だ。
「ディープ・スロート」は、喉にクリトリスがあるという奇想天外な設定の女性が本当の性に目覚めていくという姿を描いた作品だが、劇場には男性はもちろん、女性の観客も多く詰めかけた。
その理由は、同作が普通の映画が上映されていた一般の映画館で上映され、ユーモアあふれるポップさと、おしゃれな音楽で構成されていたこと。自由を求め、社会的な抑圧からの解放を願った当時の女性たちの気運とも相まって、「ニューヨーク・タイムズ」紙が“ポルノ・シック(おしゃれポルノ・ブーム)”と報道する程の一大社会現象となったのだ。
本作のタイトル「ラヴレース」とは、この「ディープ・スロート」に主演したリンダ・ラブレースのこと。アメリカ南部の厳格な家庭で育った“普通の女の子”が、ひょんなことから低予算ポルノに出演。製作費2万5000ドル、製作期間は3日間とも7日間とも言われる作品が、「タイタニック」に匹敵する累計興収6億ドルという大ヒットを果たし、ラブレースは時代を象徴する“性革命のシンボル”へと変貌を遂げる。
低予算映画の大ヒット例としても、ここまでのものは他にない。「ディープ・スロート」にまつわる物語は、最も強いインパクトを持つ“シンデレラ・ストーリー”だ。
「ディープ・スロート」の社会的影響力は、作品を鑑賞して絶賛したそうそうたる顔ぶれも見ても明らかだ。
「セックス・シーンが目的でもいい。人間の持つ感情のひとつだ」というコメントを残している「ゴッドファーザー」の名匠フランシス・フォード・コッポラ監督のほか、ローリング・ストーンズのミック・ジャガー、そして「ティファニーで朝食を」「冷血」の作家トルーマン・カポーティ(ちなみにフィリップ・シーモア・ホフマンが彼を演じた「カポーティ」でアカデミー賞主演男優賞を受賞)、そして、ジョン・F・ケネディ大統領夫人ジャクリーンまでが鑑賞しているというのだ。
■映画ファンの“見逃せない”フラグが乱立!
「レ・ミゼラブル」アマンダ・セイフライドがヌードも惜しまず熱演
&アカデミー賞監督のもと、映画界屈指の実力派キャスト集結!
この“伝説の作品”の中心にいた女優=ラブレースを演じるのは、「レ・ミゼラブル」「TIME タイム」でブレイクを果たした“今最も旬な女優”アマンダ・セイフライド。清純派イメージが強かった彼女が、本作ではこれまでで最もスキャンダラスな“ポルノ女優役”に挑戦し、ヌードもセックスシーンにもひるまず堂々の体当たり演技を果たしている。しかも、その熱演は単なるセクシー演技にとどまらない。厳格な両親による束縛からの自由を求め、ポルノ女優として成功してからもなお純粋な心を失わない、無垢な女性としての魅力を放っているのだ。
メガホンをとったロバート・エプスタインとジェフリー・フリードマンは、ハリウッド映画の中に隠された同性愛に迫るドキュメンタリー「セルロイド・クローゼット」を手掛けた社会派監督。なかでもエプスタインは、「ミルク」でショーン・ペンが演じた実在の政治家を追ったドキュメンタリー「ハーヴェイ・ミルク」で84年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞しており、70年代の社会現象やサブカルチャーの真実を掘り下げるには、まさにうってつけの映像作家と言えるだろう。
そして脇を固める共演者として、ラヴレースの夫役にはピーター・サースガード、両親役にはセクシーさを封印したシャロン・ストーンとロバート・パトリック、「プレイボーイ」誌の編集長役としてジェームズ・フランコら屈指の実力派が集結。イマ旬女優、気鋭監督、注目キャストと、映画ファンにとって“見逃せない”条件が数多く揃っているのだ。
■女性だったらここに共感! 男性だったらここが面白い!
映画評論家が提案する「男女別『ラヴレース』の鑑賞ガイド」!
スキャンダラスでセンセーショナルな「ラヴレース」の見どころを、映画評論家が女性目線&男性目線でそれぞれ解説。本作は、男性・女性、両方の映画ファンが楽しめる注目作だ。