劇場版ミューズの鏡 マイプリティドールのレビュー・感想・評価
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そういえば指原ってアイドルだったね
連ドラ未鑑賞
劇場版初鑑賞
2012年公開作品
今から10年前の作品
10年なんて早いものである
監督と脚本は『大洗にも星はふるなり』『HK 変態仮面』『薔薇色のブー子』『女子ーズ』『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』『ヲタクに恋は難しい』『今日から俺は‼︎劇場版』『新解釈・三國志』の福田雄一
貧乏な女の子が女優にのぼりつめるサクセスストーリー
舞台は劇団ミューズ
福田雄一監督が大映テレビテイストでドラマを作るとこうなる劇場版
新作『マイプリティドール』の主役ドールの座をマキとうららが争う
本編59分とはいえ劇場公開入場料1000円均一とは良心的
指原莉乃の顔が面白い
池田が竹中直人っぽい
しゃくれた平野綾が笑える
指原の演技力なんて元から織り込み済み
それが逆に大映テレビテイストにマッチしている
ちゃんとした役者でポンコツ指原をカバーするのがコンセプトと監督も認めている
エンドロールではステージでなぜかアイドル指原莉乃が振りつけ付きで歌う
しまいには主な出演者がバックダンサー
嫌いじゃない演出
ショートメイキングは本編のほぼ半分なのでショート感がない
アイドルに疎い自分でもなぜ指原莉乃が売れたのか垣間見える
ラーメン屋のバイトをしながら劇団に入り俳優を始めた向田マキに指原莉乃
劇団の演出家・沖田竜に池田成志
劇団のトップ女優・彩吹うららに平野綾
劇
マキを虐める劇団員・美川麗子に水沢奈子
麗子と行動を共にする劇団員・姫川あやのに新井萌(現・あらい美生)
マキに優しい劇団員・川島ともかに上田眞央
マキの母親・向田由美子に陽月華
家が金持ちの劇団員・近衛司に竹財輝之助
うららと幼馴染の劇団員・君島清二郎に浪川大輔
自分のプロダクションにうららを引き抜こうとする三木翼にマイケル富岡
彩吹家ののじいやに大河内浩
マキがバイトしているラーメン屋の店主にドロンズ石本
ドラマ主演男優に平沼紀久
ドラマ主演女優に大西結花
「大映ドラマ」を知らないと難しい
このところ福田雄一監督作品のTVドラマを立て続けに観ている。
『天魔さんがゆく』『いぬ会社』『裁判長っ!おなか空きました!』『メグたんって魔法つかえるの?』『ニーチェ先生』『新解釈・日本史』、そして本作のTVシリーズである『ミューズの鏡』。
どれもくだらない、そして面白い。
ついでに本作主演の指原莉乃と福田コンビのバラエティ番組『指原の乱』まで観てしまった。
福田監督作品はオリジナル作品を抜かすと、最近は『ニーチェ先生』など原作漫画を映像化したものが多く、それ以外では何か先行する作品のパロディになる。
代表作である『勇者ヨシヒコ』シリーズはTVゲームの「ドラゴンクエスト」のパロディであり、『コドモ警察』は『太陽にほえろ!』と『西部警察』の、『天魔さんがゆく』は『ゴーストバスターズ』の、『メグたんって魔法つかえるの?』はおそらく『奥様は魔女』のパロディになるだろう。
そして本作のTVシリーズも山口百恵、三浦友和の主演で一世を風靡した「赤いシリーズ」に代表される「大映ドラマ」のあからさまなパロディ作品である。
意地悪な運命に翻弄されながらもひた向きに頑張る主人公の姿、荒唐無稽のありえない展開、出生の秘密、過剰で仰々しい台詞の数々、そのどれもが「大映ドラマ」のお約束であるが、本作では元々女優としてど素人の指原にそもそも下手クソなところへ過剰な演技をさせることで極端にお約束を誇張してパロディ化する手法を取っている。
ただし「大映ドラマ」のお約束を前提条件として踏まえた上で本シリーズを観ないと楽しめない部分もあるので、実際の「大映ドラマ」を全く観たことがない若い世代は全く笑えないかもしれない。
なお筆者が再放送も含めて観たことがあるのは『スチュワーデス物語』『スクール☆ウォーズ』『少女に何が起ったか』『乳姉妹』『スタア誕生』『ヤヌスの鏡』『ポニーテールはふり向かない』などであり、「赤いシリーズ」も結構観ているとは思うが区別がつくほど覚えていない。
そしてなんと言っても最も記憶に残っている作品は、毎回観るたびに聞かされることで「祈る子と書いて「れいこ」、今祈子は神に何を祈るのか?」という冒頭のナレーションを知らぬ間に覚えさせられ、続く主題歌映像中の1シーンにおいてCG技術のない当時、ヤンキーメイクをした祈子が特殊効果まるわかりの火を付けたゴルフボールを打つシーンが印象深い『プロゴルファー祈子』である。
本作は前述したように指原の演技力のなさを利用して笑いを誘うシュールな作品である。
そして指原の演技は恐ろしいほど下手クソである。
撮影から1ヶ月離れると自他共に認めるほど演技力がリセットされてしまうようだ。
また劇中でしばしば『ヤヌスの鏡』へのオマージュを思わせる指原が悪魔に魂を乗っ取られて悪態を付く展開があり、あごをしゃくらせたり、唇を歪めたりするが、恐ろしいほどブサイクになったりもする。
本作や同じく主演作の『薔薇色のブー子』を観ていると、指原を普通のドラマや映画で真面目な演技をする女優として起用するのは相当に難しいと感じる。
『メグたんって魔法つかえるの?』主演の小嶋陽菜の演技も相当にひどく、作品自体も毎回最後に用意された小嶋のパンチラシーンのために存在しているような常識的に考えると酷い代物である。
しかも劇中小嶋が「パンチラ」と言っているが、真実はへそまで見えるほど風を起こしてスカートをめくるモロ見せである。決して「チラ」ではない。
彼女たちの演技力に期待せず、それを楽しんで逆手に取った演出ができるのは福田の才能であり、いい意味でいい加減そうな性格が反映されているのだろう。
なお同作には指原が本作主役の向田マキとして登場する回もある。
やろうと思えば原作のないオリジナル作品の主役を集めて福田アベンジャーズを結成することは可能だろう。ただどこにその需要があるのかは疑問だが。
また本シリーズに平野綾や浪川大輔らの声優を起用して過剰に演技をさせて余計に態とらしさを演出する手法も功を奏している。
TVシリーズは全編セット内での撮影だったが、本作は60分という短編ながらもさすがに映画だけあってロケ撮影がある。
だからと言って特段何も変わらず相変わらずくだらない。
途中に安っぽいCGのライオンがいきなり登場したり、大物プロデューサーとしてマイケル富岡がゲスト出演したりはするが、本作は本当にTV版のただの延長である。
福田自身が公言しているように本作は人形役の指原の口の下に定番のマジック線を入れるオチだけを目指しただけの作品である。
TVシリーズを観ずに本作だけを鑑賞しても問題ないが、もし本作を気に入ったならTVシリーズも観ることをお勧めする。
福田の次回監督作のTVドラマとして『聖☆おにいさん』が今年放映されるようなので今から楽しみである。
低評価しないわけにはいかない。
そう、福田指原というコンビが作ったモノを低評価しないわけにはいかない。
もちろん低評価を期待して作られているのはわかっている。
低い評価をつけないことは恥である。
この映画は最低だ。
本当にこんな映画があっていいのかとびっくりする。
最低な指原の演技をみんなで見て笑うのが趣旨の映画なのだから、最低でいいのだ。シナリオだってどうしようもない話でいいのだ。
こんなに最低な映画はこれくらいの評価をしないといけない。
けしからん!
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