「心がほっこりして、勇気づけられる作品です」奇跡のリンゴ arshiaさんの映画レビュー(感想・評価)
心がほっこりして、勇気づけられる作品です
予告編を見て絶対観たい!と思い、観に行ってきました。
冒頭でリンゴの歴史がざっと語られ、幼少期~社会人と、木村秋則さんの
半生のエピソードが紹介される(バイクやテレビを分解するシーンには笑ったv)
そして美栄子との結婚。ここから全てが始まります。
愛する妻が寝込んでしまうほど農薬に過敏ということを知り、無農薬リンゴを
作ることを思い立つ秋則。しかしそれは「神の領域」と呼ばれるほど困難な
ものだった・・・ ここから夫婦の11年にわたる苦難が始まる。
農作物と農薬は、切っても切れないもの。昨今は無農薬の作物も沢山ありますが
やはり無農薬は、それだけ手間ひまもかかるし大変。 農作物を守るためには
農薬は必要なのです(家が農家なので、農家の苦労は多少はわかっています)
リンゴはその農薬を使っても栽培が難しい果物だということを、この作品で初めて
知りました。リンゴ栽培の過去の苦難を知る人にとっては、無農薬でリンゴを
作る、だなんてまさに無謀としか思えなかったでしょう。
最初こそ順調に進んだ無農薬栽培。しかしどんどん害虫が増え、あっという間に
病気になっていきます。本当にリンゴはデリケートな果物なんだと実感。
やがて、賛同してくれていた仲間もいなくなり、家族はジリ貧の状態に・・・
周りからは「ごくつぶし」と陰口を叩かれ、木村家は村八分のように孤立していく
わけですが、それでも夫を信じて支える妻。そしてなんといっても義理の息子の
想いを叶えようと援助する義父が凄い。秋則の為にリンゴ畑を全て提供し、貯金を
解約するシーンには涙・・・ どうしたらそこまで出来るのか(普通止めるよ)
物語は無農薬栽培開始から11年に渡るエピソードを丹念に描いていきます。
正直、映画では描ききれないほどのご苦労をされたでしょう。
少し難を言えば、無農薬リンゴを作るにあたっての計画性があまり感じられない。
良いと思ったことを、どんどん無作為に実行していく、良くいえば積極的、悪く
いえば行き当たりばったりにしか見えませんでした。
(生活が困窮しないためにも、従来の方法も続けつつやっていった方が良かった
かも)
ともかく、そんな苦労が報われる日がやってきます。
リンゴ畑に一面に、リンゴの花が綺麗に咲きみだれるシーンが感動モノでした。
そして待ちに待った収穫の日。小さなリンゴを家族で食べるシーンは言葉に
できません。 まさに、この日のためにやってきたのですよね。
本当に素晴らしい作品でした。作品をしっかり理解するためにも、原作本も
読みたいです。