「すべての「グロテスク」を表現した映画」ムカデ人間2 かずのすけさんの映画レビュー(感想・評価)
すべての「グロテスク」を表現した映画
精神的にも
映像的にも
人間的にも
行動的にも
発想的にも
感覚的にも
すべてにおいてのグロテスクをここに表現したら、
こうなった。
そんな映画でした(苦笑)
映像として相当の価値があるのは確かですが、
僕は「グロテスク」という概念は恐怖を伴ってこそだと思う人間です。
本作はあまりにグロテスクを追求し過ぎたがために、
ある意味SFよりも「あり得ない」映像と化している。
人間的なグロテスク性は
"自分の身にも起こるかもしれない"
と感じることで恐怖という楽しみを感じるものですが、
本作はあまりにあり得ないことが立て続けに起こるため、
いつの間にか物凄い傍観者的な視点で映像を眺めてしまいます。
なので、
確かにグロテスクなシーンはいくつもありますがどこか滑稽で作業的に見えてしまいました。
「うわー俺あんなことされたら絶対嫌だな」
と感じる前に
「あ、そんなことしちゃうんだ」
という風に達観的な視点で見てしまう。
そうなってしまえばこの映画は、
グロテスクホラーな映画
ではなく
グロテスクに見えるギミック披露会
になってしまうのです。
だから僕の最終的な感想は、
「よく出来たギミックがいっぱい出てきたなぁ」
となってしまいました。
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