ツナグのレビュー・感想・評価
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心と心をツナグ
ツナグを引き継ぐものとして、主人公が人の生と死を受け入れ、また依頼人にも受け入れてもらえるようにする。
それぞれの登場人物の心の成長が描かれている。
最後に想いを伝えられなかったのは、生きている人も死んでいる人も同じ。
その想いが自分自身を迷わせたり、疑わせたり、悲しませたりする。
想い、それは人の心の中に、いなくなってしまった人がつながっている証し。
楽しい想いばかりではないけれど、それを受け入れることができれば、生活していく糧になる。
想うことを考えさせられる、とてもいい映画でした。
泣けるだけじゃなかった
少し大げさな言い方かも知れないですが、「ツナグ」としての役割に葛藤する主人公を見ているうちに、生死観とか、そういう大きなものを考えさせられたような気がします。
どうしても震災のことを考えてしまいました。
私自身が家族を亡くした訳じゃないけれど、あの日、本当にたくさんの方が亡くなったっていうのは事実で、今、死んだ人に一度だけ会えるなら、という問いを残された人たちにしたら、一人ひとり違った、でも一様に大事な人の事を想う気持ちでいっぱいになるんだろうなぁって思いながら観ていました。それはあたたかい思い出であり、感謝であり、言いたかったけど言えなかった一言への後悔であり、お別れすることへの覚悟であり・・・そういった場面がこの映画でも違った形ではありますが描かれている訳で。
物語の冒頭、松阪くん演じる主人公はどこかひょうひょうとしているような印象を受けたのですが、自問自答したり、彼自身の優しさや思い出などによって少しずつ成長していく姿が見られて、最後まで清々しい気持ちで観ることのできる映画でした。
個人的にすごく印象に残ったのは、橋本愛ちゃんのお芝居。クールなイメージがどうしても強かったけど、親友の死に関係する後悔や懺悔のこもった迫真の演技は、映画と分かって観ていても、人間の感情がむき出しになった時に感じる一種の恐怖のようなものを感じずにはいられませんでした。
それから、やっぱり樹木希林さんは存在感が違うというか、オーラというか、ただそこに居るだけでお芝居になっているような感じがして、観ていて不思議な気持ちになりました。
以前に「悪人」とか「サイドカーに犬」で観た時もそんな印象を受けたような、もっと違う感じがしたような。素人目には難しいことはわからないけど、とにかく凄かったです(笑)
ちなみに、最初にツナグに依頼されて出てくる八千草薫さん、とってもチャーミングで、私もこういう風に歳をとれたらいいなぁって思いました。可愛いおばあちゃんになりたい。美人じゃなくっても、チャーミングなおばあちゃんに。
テーマは決して明るくはないはずなのに、観終わった時にはすっきりする、せつないけど悲しすぎない、いい映画でした。
亡くなったひとの魂の行方..
目に見えなくても、そばにいるってそう信じたいけど、亡くなった大切なひとをいつもそばに感じることが出来ないから、もしたった一度だけ会えるなら、自分は会いたいです。
会ってみたい。
邦画を代表する一作と言って良いだろう・・。
邦画の代表作と言えば・・
俺的に・・
●たんぽぽ
●冷静と情熱のあいだ
●シャルウィダンス
●クローズドノート
●嫌われ松子の一生
●いぬの映画
●鴨川ホルモー
●おっぱいバレー
・・ら、だが・・
映画ドットコム。俺の200作目レビューに、それらに並ぶ素敵な一作が仲間入り。(モバゲーでは500書いてたな・・消えちゃっったけど・・)
2011・3/11は日本人にとって忘れられない日だ。
九州人の俺には何も被災は無かったが・・
東日本の方には言葉では言い表せない位の災害だった事だろう・・。
以降・・
震災婚や絆婚?が流行ったと言う・・
(奇しくも・・12年前の911でも同様の事が多かったと言う・・)
生きる事・死ぬ事・・健康体な俺にはイマイチピンと来ないけど・・
でも日頃から・・やはりそういうのは考えないとイケないと思う。
人と人とをツナグ役目・・文字通りそれが【ツナグ】
どんな人とどんな人をツナグのか?
原作は小説だし・・公開からも日が経ってるので、皆あらかたの内容は知ってるよネ???
三部(四部)のオムニバステイストで話が進みます。
キャストも豪華!
そして、美術スタッフの小道具や背景セット衣装等・・地味ですがピリッと効いてます!!!(※ここはマジ素晴らしかった!!!)
星☆評価は・・
DVD準新作200円基準で(*^^)v
DVD買う度 ◎◎◎◎
モ1回見たい度 ◆◆◆◆
おすすめ度 *****
デートで見る度 ◇◇◇◇◇
観た後の行きたいお店】
BUNDOHOTEL???モデルはどこのホテルなんだろう?
クラシックな東京や横浜のホテル。
(調べたら・・横浜のニューグランドホテルでした!)
観た後の飲みたいお酒】
(野菜料理を肴に)赤ワイン!
観た後の食べたい一品】
卵焼きおにぎり(※劇中の食べ物や飲み物は必見です!ハイジの白パン並みにおいしそう・・!)
名作!!!
伯爵!品質保証作品に認定ヽ(^o^)丿ヽ(^o^)丿ヽ(^o^)丿♪
演者さん皆さん素晴らしいです!
松坂桃李さん・樹木希林さん・八千草薫さん・遠藤憲一さん・佐藤康太さん・桐谷美令さん・別所哲也さんに本上まなみさん・・
でも圧巻だったのが!!!
大野いとさんと橋本愛さん!!!(雑誌セブンティーン恐るべし!!!)
もう一回言っとこう!
こちら邦画を代表する一作です!!!
彼らから叱られることさえ望みながら、日々を続ける。
映画「ツナグ」(平川雄一朗監督)から。
「死んだ人間と生きた人間を会わせる窓口、それがツナグです」
このワンフレーズで、物語は思い出せるから、これ以上は書かない。
ただ、生きている(生かされている)私たちにとって、
身近な存在であった死者とは、死後、どういう存在に変わるのか、
高校3年の時に父親が他界してから、ずっと考えてきたことだ。
その後も、大切な人の死を何度も経験し、その度に号泣した。
その答えが、ちょっとみつかった気がする。
「僕たちの世界では、何かをする時、
目にはみえない誰かにみられていると感じて、行動を決めることがある。
時には、あの人ならどうしただろうと。
彼らから叱られることさえ望みながら、日々を続ける。
きっと僕たちは、その人たちに支えられて、
生かされているんじゃないだろうか」
「神様がみている、お天道様がみている」よりも、より現実的であり、
それは、人間だけでなく、可愛がっていた動物でも同じ気がする。
人間、歳を重ねてくると、叱ってくれる人はいなくなるが、
死んだ人なら、いくつになっても叱ってくれるし励ましてくれる。
久しぶりに「死」を前向きに考えることが出来た作品である。
「こうやって、死んでからも会いたいと思ってくれる人がいるなんて、
私の人生、捨てたもんじゃなかったかもしれないわね」
「あの、会いたい、と思ってもらうと嬉しいものですか?」
「えぇ、とっても嬉しいわ」この会話が、一番心に残っている。
P.S.
作品の中で紹介されていた、ヘルマン・ホイヴェルス著
『人生の秋に』に掲載されている「最上のわざ」の一部。
もう「人生の秋」を過ごしている私、参考になりました。
おんなじ作品ばかり。
原作は、読んでいません。
確かに泣けました。
最近、僕自身も母ちゃんを亡くしているし、ツナグなんて仕事をしている方がいるなら、ぜひお願いしたい。
ストーリーは、3パターン。
世にも奇妙な物語みたいです(笑)
高校生のストーリーだけで良かったんやないかなー?!
シェイクスピアのようで良かった。
友情が憎悪や殺意に変貌していく様を、もう少し時間を費やして描いてほしかったなぁ。
そしたら、もっと深い作品になってただろうし。
女性の友情って、男性には分からないものですね。
アラシの赤い赤い真っ赤なコートと、ミソノが持つ、リンゴとナイフは、かなり意味深ですよね〜。
謝る気ないだろっ!とツッコミたくなるぐらい真っ赤でしたからね。
いつか、アラシはミソノに謝ることができるのだろうか?
うーん。
自分だったら、呪っちゃいそうですよね(笑)
そして、
1番疑問なのは、
何故、この手の作品ばかりを作りつづけるのか。
お涙ちょーだいの方が、
興行収益があがるからなのか?
ほんと、俳優を変えただけで、おんなじような作品ばかり。
死んだ人が、どこへ行くのだろう。というより、日本映画がどこへ行くのか知りたい。
10年前から、なんの成長も見られない日本映画は、そのまま世界から見た日本という国の低迷を象徴している。
死者と生者の思いを繋ぐ
「黄泉がえり」「いま、会いにゆきます」「この胸いっぱいの愛を」に続く、和製スピリチュアル・ファンタジー。
死者と生者の仲介人“ツナグ”。
この世じゃない場所からやって来た…という設定ではなく、代々受け継がれてきた能力というのが、非現実的な設定に多少なりとも説得力を与えている。
“ツナグ”の見習いである男子高校生・歩美を主人公にする事によって、見る側も彼と一緒になって死者と生者の再会に向き合える。
たった一人、たった一度だけ、死んだ人に会える。
死者にとっても生者にとっても、伝えられなかった思いを伝える事が出来る。
だが、癌で亡くなった母に再会した中年男性のように、全てが甘美ではない。
演劇部の役の事で気まずくなったまま死別した二人の女子高生。やり直せる最後の機会だったのに…正直になれなかった。
7年前に失踪した恋人を忘れられないサラリーマン。“ツナグ”を介して会う事になるが…それは恋人が死んでいたという現実を受け入れる事だった。
そして“ツナグ”である歩美にも、会いたい人、聞きたい事があった…。
死者に会う事で生者は救われるのか。
死者に会いたいというのは生者のエゴではないのか。
歩美は思い悩む。
しかし、それでも会いたい。会って生者が前に進めるのなら。
会わなければ後悔する。
やらないで後悔するより、やって後悔する方がいい。
様々な人の思いに触れ、歩美は“ツナグ”を引き継ぐ決心を固める。
同時に、自分の会いたい人=突然自分を残して自殺した両親の思いにも触れていく…。
若手、中堅、ベテランのアンサンブル。
主演の松坂桃李にとっては、樹木希林、仲代達矢、八千草薫ら名優との共演は自身のキャリアに大きなプラスになった事だろう。
歩美の祖母で先代“ツナグ”の樹木希林の、とぼけた味わいとある苦悩を秘めた、いつもながらの見事な巧演も付け加えておきたい。
やたらと「ごめんなさい、ごめんなさい」と謝るだけの台詞や演出にぎこちなさも感じるが、全体的に好感触。
アナタには会いたい人がいますか? 伝えたい思いがありますか?
伝えたい事
映画を観て涙が止まりませんでした。
6年前に父を亡くしていますが、亡くなる前、10年ほど色々な理由で会っていませんでした。
連絡が来た時は、すでに危篤状態で、もちろん話をすることも出来ずに父は息を引き取りました。
電話では何度か話をしましたが、不器用な父はいつも「元気か?」とだけ言って何か話をする訳でもなく電話を切っていました。後悔しかありません。
もしツナグという方がいらっしゃったら、本当に父に会って謝りたいです。こんな子供で本当に申し訳なかったです。
あらためて亡くなった父を想い、感じさせてくれた作品でした。
ありがとうございました!
深い感傷
映画を10年に1回観るか観ないかの先輩が本作を観たそうだ
いたく感動したとおっしゃっていた
父を亡くし 母を亡くし 兄を亡くした先輩にとって
本作が大きな意味を持ったに違いない。
身内の高い高い興行目標は達せられなかったが
なかなかの興行成績となった作品である。
ツナグ
構成がすごく考えられていて、それでいて物語は単純に展開してます。
生きている人のドロドロとした部分と対比するように
死んだ人はもうびっくりするぐらいみんな善人です。
出演している役者さんがみんなとても素晴らしく
本当に久しぶりにいい映画だったと思います。
特にカップルにはお薦め出来ます。
歩美くん、考える時間はたくさんあるから
死者と生者との仲介人・ツナグという不思議な仕事をめぐる物語。
ベテランが好調、気持ちがじんわり温かくなる作品でした。
ツナグの見習い・歩美くんは、彼自身の抱える死者への思いにどう向きあうのか。
思いがけない気もしたけれど、優しい決断でした。考える時間はたくさんある、観終わってそう思えました。
普通の人で、いかにもな役どころですが遠藤憲一演じる頑固な父親が一番心に残っています。
たぶん同世代だからだな、大人の顔・親の顔してるのに時々疲れてしまうこともあるんですよね。
そんな時会いたくなるのは、たいてい決まっているもの。
俺は好きだけどね(・∀・)イイ!!
この映画、結構評価が割れていますね~(;・∀・)
まあ設定に無理があるのは分かります。
死者を呼び出せるツナグがあんな簡単にネットで連絡取れんのか?とか
ツナグを受け継ぐ人間だけが使うことを許されて、それ以外の人間が観たらツナグもろとも命を取られるという恐ろしい鏡をあんな茶箪笥みたいなところに無造作に入れといていいのか?とか
登場人物の名前がキラキラネームばっかじゃねえか( ゚Д゚)ゴルァ!!とか
確かにその通り(・∀・)ウン!!
ただ俺はこの映画好きですワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ
まず死者を呼び出す時に、幽霊っぽくないのがいいと思う。
生きてる人間と全く同じ感じで、触れたり話したり普通にできるというあたり、あまりにも突拍子なさ過ぎて俺は好きですよ(^O^)
面会をするホテルの、何とも宗教的な雰囲気と言うか厳か過ぎる雰囲気も俺は悪くないと思う。
遠藤憲一が母親に会う時に、部屋のドアを開けたらそこにいることが部屋の鏡に写るという演出は良かったけど・・・
ただその前に主人公と思いっきり普通に会話してるから鏡の演出の効果がかなり薄れてるのは否定できない(;・∀・)
そこでする話が息子と上手くいってないという、スケールが小さ過ぎるし愚にもつかない理由だというのも分かるけど、実際にツナグがいて依頼するとしたら大体そんな理由が多いんじゃないか?とも思うな俺は(・∀・)ウン!!
2番目の橋本愛と大野いとのエピソードは、サスペンス的な雰囲気と要素があって一番良かった(゚∀゚)アヒャ
ただ人ん家の水道を勝手にひねったりするのはどうかと思うが(;´Д`)
些細な嫉妬心から死なせてしまったという罪悪感は分かるけど、その直前にある「あたしには敵わないよ」の聞き違いの下りは・・・( ゚Д゚)ハァ?
つうか思いっきり「嵐」じゃなくて「あたし」って言ってたぞ???ヾ(゚Д゚ )ォィォィ
そしてツナグに依頼して会うが、その時リンゴの皮をむいてるのは若干意味不明だけど、その前に発覚するコートの件で決定的に殺意を抱いたのでは?と俺は思ったが・・・
だからこそこのナイフで今にも突き刺しかねない雰囲気が出てくるんじゃないかと思ったんだけどそれがなかった。
そして最後に「道は凍ってなかったよ」という言伝を聞いて、一生後悔することになってしまうということ。
うーん分かりづらい(;´∀`)
ただ一番はらはらした場面ではありました。
そして3つ目の佐藤隆太と桐山美玲のエピソードだけど・・・
ここは佐藤隆太の淡々とした演技が観られたのが俺としては新鮮だった(・∀・)
平山キラリだっけ?この名前を本名と思うか??
つうか捜索願出さなかったのか???
とまあ突っ込みどころはあります。
樹木希林とか仲代達也の演技は実に安定感があったし、役者は総じて演技が良かったと思う。
駄目なところが多々あるのは分かってるけど、俺はこの映画好きです。
うーん、いいけど
いい作品だった気がしますが、劇場で見る必要なかったかなーっていま思えば思います。短編をつなぎあわせた映画でなんか物足りなさの残るものでした。もっと泣けるとおもっていましたが、泣く前に次の短編に進む、みたいな。感じでしたね。あんなにぶつぶつ切らなくてもいいのになぁ。
食卓は家族をツナグ。
原作は、第32回吉川英治文学新人賞受賞作なのだそうだ。
最近では「鍵のない夢を見る」で直木賞をとり、
山本周五郎賞を受賞した「本日は大安なり」はドラマ化された。
何やらすごい作家さんの原作じゃないの~。と期待したものの、
鑑賞後の感想は意外と普通で、小ざっぱりとした物語だった。
(映像化したら印象が変わった、とはよく聞く話だけど)
死者と生者を結んだり、どこぞで出逢ったりという話は多い。
もともとそんなことできやしない、有りはしない、の発想から
できたらいいな…逢えたらいいな…のファンタジーでもある。
私にも、叶うなら逢ってみたい人はいたりするが、
しかし今回の話でもほとんどがそうだったように、
もし逢えたとしても、互いの口から出るのはきっと
「ごめんなさい」「ありがとう」「これからもずっと見守っている」
なんだろうと思う。
それが分かっているから、今作の歩美の「逢わずに生きたい」と
いう気持ちがよく分かる。
その頃の後悔や反省がどれだけ自分を苦しめ、苛んだとしても
大切なのは今こうして自分が生きていることに他ならず。
死者への供養は遺された者がどう生きるかに託されているのだ。
今作も何らかの事情で、どうしても死者に逢いたいと願う人々が
ツナグ見習いの歩美のもとへ申し出てくる。
単にその仲介をするのがツナグなのだが、人生でそれは一度きり、
つまりこの先もっと大きな不幸が起こって、もっと逢いたい人が
現れても、過去に逢ってしまえばもう二度と逢うことはできない。
けっこう無情な選択肢(だって高校生とかさ)という部分でもある。
何が普通に感じられたかというと、ここで紹介される三組のうち
二組はほぼ見たことがあるような設定に終始していることなのだ。
感動がないワケではないが、それはそうなるよね(の確認)といった
かなり当たり前の展開を見せるので、特に感動に繋がらなかった。
それより一風ホラーかと思わせる女子高生のやりとりが、今作では
一番気味悪く胸にのしかかる一編となった気がする。
親友、親友というが、あの頃の親友などもう顔も覚えてなかったり、
あるいは懐かしさの賜物(逢ってないから)のようなところがあるが、
今作のように、もし自分の嫉妬(未必の故意)からくる殺意のような
そんな行為が事故を起こし、相手が亡くなってしまったとしたら…?
主演の二人の(ややオーバーな)演技もさることながら、
最後まで怖いわ気味悪いわ、ナイフの意味は何?まで心に残った。
ワケも分からず、呆然としていた歩美の姿が印象に残る…。
このまま終わらせちゃうの?というところでラストは巧く纏めていたが。
ツナグである祖母アイ子と歩美のやりとりがとてもいい。
毎日食卓を囲むシーンで、さり気なく登場する料理を囲む二人の姿。
多少のギャグやアドリブが多く見受けられるものの、普段の生活を
きちんと見せることで、不幸ではない温かみのある生活感が感じられる。
他人の世往来を見届ける使者たちが、不満タラタラの醜悪な生活なんて
(あるわけないが)やっぱり見たくはなかったもので^^;
全体的にサラッとしていて観やすい分、ここは長いんじゃないか?と
思える描写も多く、バランス良く場面をツナグ編集が必要かもしれない。
(登場人物の名前が変わってるなぁ。日向キラリって^^;なんか凄い名前)
再会できるのは一度きり
死者と会うことができるのは一生で一度きり。誰と会うかはよく考えなければならない。チャンスは一度きりだ。
そして筋書きのポイントは、死者もまた蘇ることができるのが一度きりという点だ。死者ももう一度誰と会うのか選択しなければならない。
生きた者と死んだ者を仲介するのが“ツナグ”の使命だ。
この死者側にも選択の権利を持たせた設定が随所で生きる物語になっている。
映画の構成としては、いくつかのエピソードをオムニバス風にジョイントさせており、「ALWAYS 三丁目の夕日」(05)に似ている。音楽も同作と同じ佐藤直紀が担当する。
大きく3つのエピソードから成るが、八千草薫と遠藤憲一は〈親子愛〉がテーマ。八千草薫の演技が素晴らしい。とくに目の動きが自然で、息子を思う気持ちがよく出ている。さしもの樹木希林も、この作品では八千草薫の巧さに脱帽するしかないだろう。
2つ目は橋本愛と大野いと、若手女優二人の競演による〈友情〉をテーマにしたエピソードだ。映画の中間部にあたりダレるところだが、生きた者も死んだ者も一度きりのチャンスという設定がいちばん活かされた話で、若い二人がゆれる心をよく表現してうまく後半に繋いだ。とくに親友への恨みと親愛の情が顔に出た大野いとがよかった。
最後は佐藤隆太と桐谷美鈴による〈恋人〉。相手を信じ続けた実直な男と、信じられることで愛を知った家出娘の話。話の落とし所がやや落ち着かないが、主役のツナグこと高校生の歩美が人の人生に関与する覚悟と心の成長を見せるエピソードでもあり、なんとかうまく乗り切ったという感じだ。
松坂桃李と樹木希林が、ツナグとしての継承者とその使命を託す時を迎える老いた先代を、孫と祖母の情愛を絡めて好演する。
今年観た邦画でいちばんのお薦め。
全99件中、61~80件目を表示