劇場公開日 2012年10月6日

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「原作を先に読んだ」ツナグ flying frogさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0原作を先に読んだ

2016年7月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

原作モノの映画ばかり、しかもその原作をどうしてこんな風にしちゃったかな?と頭を抱えたくなる映画ばかりの最近の邦画だけれど、たまにこういうのがあるから油断できない。

原作を先に読んで興味を持ったので見てみたのだけど、下手なアレンジを入れず、原作を可能な限り丁寧に映像化する作りがとても良かった。尺も長めにとって、とにかく丁寧。
俳優陣もみな上手く、安心してこの世界に浸れた。
圧巻は橋本愛。あのシーンでは鳥肌が立つほど圧倒された。

ただ・・・俳優陣ということで言えば、桐谷美玲だけはちょっとww
嫌いな人じゃないんだけど、このメンツに混じるとやっぱり演技は浮きまくってしまうな。

松坂桃李も存在感があって良い役者だったけど、とにかくこの映画は橋本愛のあのシーンに尽きる。
そもそも原作だって「親友の心得」のあのエピソードがなければ、"ちょっと良い話"程度でそれほど記憶に残る小説じゃなかったもの。
あのエピソードはどちらが悪いと即断できないからこそ、やり切れなくて残酷なのだけど、映画ではほんのちょっとしたセリフ、役者の演技で印象がどちらかに大きく振れてしまう。
だが映画でも、その微妙すぎるさじ加減を、きっちり細心の注意を払ってされていた。
だから橋本愛のあのシーンは辛いな~。

・・・
上で桐谷美玲が浮いてると書いたが、もう一度原作を読んで改めて見ると、元々日向キラリという人物がけっこうつかみ所がない素っ頓狂なところがあるキャラだということを思い出した。
そうして見ると、映画の桐谷美玲も、そう大きくは外してない気もする・・・

flying frog